朽ちないサクラ (徳間文庫)

著者 : 柚月裕子

• 徳間書店 (2018年3月7日発売)

感想・レビュー・書評

[kimagureameさんの感想 · 2018年4月14日]

ストーカー殺人事件、事件を追う新聞記者の不審死、そしてその記者と会ったと思われる者もまた…。
次々と起こる事件に主人公は翻弄され、やがて事件の深い闇がすこしずつ見えてくる。

事件の解決の仕方も主人公と一緒でけして納得はできない。
でもひとまず、「泉ちゃん、ガンバレ！」とその後を応援したい。

[kimmyjapanさんの感想 · 2018年4月12日]

ちゃんと中身があって、かつ、すごく読みやすい。もやもやとさせつつ、あぁやっぱりそうかと思わせつつ、終わり方が良かった。

[けんしうさんの感想 · 2018年3月21日]

殺人にまで発展した後、ストーカー事件の被害届を受理するのが遅れたことが発覚。その理由は警察担当部署の慰安旅行だった。
警察内部の混乱と情報漏洩、友人である新聞記者の死亡などがからんで物語が展開する様は見事。この作品も警察組織内の人間関係をベースに話を構築するのが上手い。
驚きの真相が明らかになるわけではないが、登場人物の熱い思いで最後まで一気に読み進めることができる。柚月さんは2作目だが、その魅力にすっかりやられてしまった。

[ウトウさんの感想 · 2024年2月13日]

柚月裕子らしいストーリーテリングで一気に読ませる。実例のストーカー殺人事件とカルト教団の無差別攻撃を題材にしている。
興味深く読めたが、エンディングで真犯人が分かっているのに追い詰めなかった。ラストシーンで泉が黒幕に詰め寄っていたが、あそこまでさらけ出したら、次に公安に消されるのは主人公の泉だと分かっているはず。ラストにモヤモヤが募ったので、星3つ。映画版のラストはどうなるのかな？

[sikisoku55さんの感想 · 2023年9月22日]

正直、最終章までは面白いんだけど、柚月さんの作品の中では少し物足らないかなという気持ちだった。でも、最終章ですべてが繋がった。そして最後の「犠牲の上に、治定があってはならない」。この言葉、うまく言えないけどめっちゃ刺さった。この作者はどこまですごいんだろう・・。
因みに治定（じてい）とは
「国などをおさめ安定させること。」です。

[つぐみさんの感想 · 2023年8月9日]

面白かったけど、ラストの動機がなんとなく弱く感じた。

[銀白星さんの感想 · 2023年7月22日]

面白い
すぐ読んだ
月下のサクラも読みたい

[しいさんの感想 · 2023年6月16日]

どこで桜が出てくるのだろうと思いながら読み進めていたが、読み終えてみるとこれ以上ないと思える秀逸なタイトル。結局「サクラ」は表に出ず、個の正義ではない、社会を国家を守っているという「サクラ」の正義感が廃れることはないという意味だったと理解した。

だだ、実際一般市民を死に追いやるなんてことはやらないだろーと、あくまでも物語だと受け取ったがどうなのだろうか(笑)

泉と磯川の付かず離れずの距離感がたまらなく、物語の本筋とは関係ないが、この二人の今後が気になるので、ぜひ続編も読みたい！

公安絡みで、若干もやもやは残るものの、スピード感ある展開で一気読みしてしまった一冊。

[kattebooksさんの感想 · 2022年9月23日]

警察の一般職員が主人公の物語。

劇中、桶川ストーカー殺人事件やオウムの事件など、実在の事件をベースにしたんだろうなぁと思わせる描写がいくつかあります。ヒントをそれらに得て描かれたのは、ある意味、警察の闇ですね。

まぁ、あまりきれいな事件解決ではないなという描写なので、劇中に出てくる捜査一課の捜査員なんかも疑問を持っても良いんじゃないかと思ってしまいました。

とはいえ、描かれる物語は読者に読ませます。一気に物語に引き込まれて、一気に読み終わってしまいました。

ちなみに、物語の舞台は、米崎県＝宮城県で、平井市＝仙台市ですよねぇ。他の都市はちょっとわからないですが。作者の柚木裕子は、仙台の隣町、山形市の在住でした。

[seanさんの感想 · 2022年7月19日]

「月下ののサクラ」を先に読んだので元となった
「朽ちないサクラ」が気になり読んだ。
主人公の警察官になろうとした決意がよくわかった。
公安警察についてもいろいろ考えさせられる。

著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい！」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞（長編及び連作短編集部門）を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2　上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」