- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198949167
感想・レビュー・書評
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安生正『暗殺者』徳間文庫。
近未来の日本を舞台にした首相暗殺犯対公安の闘いを描いたサスペンス小説。
設定やストーリーは面白い。特に首相暗殺の首謀者が妻子の仇を暗殺者として殺人マシンに仕立て上げる過程は迫力に満ちている。しかし、公安メンバーに裏切り者が居たり、その裏切り者の正体が意外にあっさり判明する辺りは、相変わらず粗さが目立つ。取って付けたような救いの無いラストも不要ではないかと思った。
難民支援組織であるNPO法人『全国難民支援連絡会』の活動拠点のビルがテロにより放火・爆破される。NPO法人の代表の村瀬幸三はこの事件で妻子を失う。それでも難民支援を継続する村瀬だったが、難民受け入れ政策を推進して来た首相は一転して難民排斥の立場を取り、村瀬のNPO法人を危険組織に指定する。
突然の政策変更により危険組織に指定されたことに恨みを持った村瀬は放火・爆破テロの実行犯である雑賀を首相暗殺のための殺人マシンに仕立てる。
そんな中、警視庁公安部第五課の東郷は首相暗殺計画が進行しているとの情報を掴む。正体不明の暗殺犯と首謀者を追う東郷は首相暗殺の決行がG20の日であることを知る。
本体価格870円
★★★★詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
難民受け入れを巡る推進派と排斥派が暴動に近いデモを繰り返し、市民を無差別に狙うテロが繰り返される。そんな荒んだ状況の日本を舞台に、首相を暗殺しようとする者と、それを阻もうとする公安の闘いを描いています。
かなり悲観的な未来ですが、ないとは言えない未来なのが怖いです。