花嫁と神々の宴 狗神の花嫁2 (キャラ文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 172
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199007125

感想・レビュー・書評

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  • 大人の内容でした。
    結婚などして大切な家族ができたら、きっと誰もが持つ不安がテーマでした。

  • 神様×20歳の人間♂の婚姻譚、続編です。
    前作を読んでからの方が楽しめると思います。
    新婚ホヤホヤの二人の甘いイチャコラがメインかと思っていたら、もっと真面目なテーマになっていました。愛するとはどういうことか?という恋愛の本質に向き合ったストーリーです。
    誰かを愛することは大切だけど、愛したからからといって一心同体になれるわけじゃありませんよね。食い違うことだってあるし、ケンカだってあります。
    きれいごとだけではないのが現実。
    そのあたりのことが、真正面から描かれていてしみじみしてしまいました。
    前作よりもいいんじゃないかと思います。

    相変わらず神様だけに不遜な狗神。それでも愛情表現はだんだん人並み?になってきていて、比呂と同じく成長しています。
    そんな二人を見守る藤と、あどけない茜が、さらに欠かせない存在となっていて、注目です。

    今回新婚の狗神は、8年に一度八百万の神々が集う宴で、みんなに伴侶の比呂をお披露目させられることになります。
    比呂はその宴に行きたがるのですが、狗神は気が進みません。なぜなら双方の思惑の先には、青月というもう一人の狗神の存在があるのです。

    人を愛することがどんなにエゴイスティックなことかを再認識させられるシーンがいっぱい登場します。
    比呂は狗神のためを思って、青月に会いたいと願います。でも、狗神はそんな比呂の行動が危うくて心配で心配で仕方ないんです。だからこそ、がんじがらめに束縛しようとするのですが、そんなこと比呂にとっては心外なやり方なんですよね。
    相手を思ってやっていることが、結局自分が安心するため、気が済むようにするためだったりすることって、自分にもかなり思い当たるフシが…
    そんなエゴすらも受け止める心を持つことこそが、愛なんでしょうか。
    未熟者ですのでまだ修行が足りないのですが、それでも狗神と比呂のかかわりからいろんなことが見えてきました。

    青月は、ほんとに自己チューだったと思いますが、小さな子供を連想させる存在でした。言ってきかせてもなかなか真意が伝わらないところなど気をもみました。でも、やはり神様なのでいちからやりなおしてほしいですね。この結末は大正解だった気がします。

    シリアスなテーマだったけど、糖分もしっかりあるのがよかったです!
    下界にお出かけのシーンはとても楽しめました。ファミリーな雰囲気になごみます。その後、いろいろあったりするんですけどね。
    Hシーンもさりげなく甘くて、超ラブラブ。新婚旅行もすごいイチャコラお風呂Hにあてられました…こすぷれ、もでる、狗神さまかわいいです。

    amazon限定SSは、「藤と仔いぬの神」。母の思いそのものですね~狗神のまだ幼かった頃の思い出話が描かれています。藤の過去の恋愛が異常に気になり始めました!ひょっとして…?と思わせることが。
    すごくいいSSでした。

  • 内容が濃いかったですね。なんだろ?嫁になって甘々のお話かと思いきや、ものすごく深いお話。もし自分が死んだ後も相手が幸せであって欲しいとか、相手がもし死んでしまったらという、もし・たらを題材にしてましたね。そして珍しいというか突っ走って失敗して後悔してと結構かっこ悪い?大円満という終わり方ではない方向に進んでお互い、自分の気持ちを見つめなおしての円満な終わり方ってのがこういうデリケートというかもし・たらという実際今起きていない物事への不安な気持ちを生きる力に変えるお話と言う感じでとても良かったです。

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