わたしは虚夢を月に聴く (徳間デュアル文庫 か 1-2)

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  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199050671

感想・レビュー・書評

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  • ナイトウォッチ三部作の二作目であり、ブギーポップシリーズにおけるVSイマジネーターのパート4でもある作品。前作はブギーポップを知ってればにやりとできる作品だったけど、今作はVSイマジネーターまでは読んでないと理解が難しいと思う。

    前作の世界観を踏襲しつつ、舞台は月へと変わる。人類の天敵“虚空牙”との戦いから逃れた人類が移り住んだ月。前作でナイトウォッチのド派手な戦闘で魅せてくれたのと対照的に、失われてしまった技術を巡って争う人間たちが描かれる皮肉な現実描写。また、眠り続ける人間たちが生きる仮想現実世界も現実と交わっていく。記憶に残っているのに世界から忽然と消えてしまった少女を探す主人公・醒井弥生。その少女の謎を軸に、物語の断片が弥生の心の在り方へと繋がっていく。

    いろいろな登場人物の視点から連作短編のように話が進む。その中でも月面を歩いて地図を作り続けるロボット・シーマスの話が童話のような読み味で好き。シーマスを作った博士の言葉も印象深い。
    「月面というのは、基本的には静止していて、なんの変化もない世界だわ。だけどシーマス、あなたはそこにドラマを見つけなくちゃ駄目」
    この作品のテーマにも通じる一言だよね。あとがきにあるこの言葉もいい。
    「我々は自分の心の中にあるはずのものでさえ、外に形として存在している物に託さなければイメージすることができない。」
    だからこそ、弥生が確信したように自分の想いを放棄せず向き合うことが、世界の在り方を変えることへと繋がっていくんだろうね。すべては自分の想像力を映す鏡。世界を変えるドラマはいつでも自分の中にある。

  • 読み直し。面白いけど何故か内容を憶えられない上遠野浩平作品の中で珍しくシーマス(名前は忘れてた)のところだけ流れ憶えてた。お陰でドキドキワクワクNGな私も安心して読めた。初めて読んだ時には先が気になって気になってしょうがなかったなー。
    安定の面白い雰囲気。

  • ナイトウィッチシリーズその2。
    その1より多分ちょっと先の時代のお話。その1でよくわからなかった舞台設定が多少明かされる。
    最初からどんどんと明後日の方向へ話が展開していったと思ったら、最後に元の所に戻ってくるのが見事?イマジネーターが出てきたのは分かるのだが、なんで出てきたのか、などまでは読みきれなかった。難しい。

  • 上遠野先生宇宙系SFの第2巻目。

  • ナイトウォッチシリーズ第2部でもあり、同時にVSイマジネーターシリーズ第4部でもある。「虚空牙」襲来がおさまってから約500年後、月に生き残っている人間たちの物語。

  • タイトルと表紙の絵に惹かれて購入。
    この一冊が上遠野浩平を知るきっかけになった。

    ブギーポップシリーズが人気のあった頃だったけどそちらへはまったく興味を示さず、ナイトウォッチシリーズに嵌ってしまった。

  • 虚夢と傍観と決断の話。ナイトウォッチシリーズ第二弾。旧版。VSイマジネーターpart4。シリーズとはいっても同じ設定ではあるが前巻と地続きではなく、今度は虚空ではなく月面での戦いをクローズアップ。妙ヶ谷幾乃の職業も漫画家から小説化に。前巻のような光速を超える戦いに比べ今巻は静かで抽象的な話が多いと感じた。ウサギ型の月面探査ロボット、シーマスは面白い。いや、欲しい

  • 長編SFシリーズ第2弾です。
    今回もナイトウォッチは出てくるけど、主役はそっちじゃなかったり。
    一応、主役的なのはいつもどおり仮想現実の中の人間だけど、章によって別の主人公が居てみたり。
    「~星を見る」が地球圏より遥かかなたの宇宙空間だったのに大して、今回の「~月に聴く」はタイトルどおり、月面が舞台です。
    ヨンとか作った人の話もちょいと出てきたりします。
    宇宙に居るのに、実質オーバーテクノロジーで生きている人たちの凄惨な戦いとその裏にある平和な仮想現実。
    それと平行して、傍観者になっているロボットと、すべての世界のすべての物質への攻撃可能なナイトウォッチとその相棒のスタースクレイパー。
    ハードSFの様に見えて、SFファンタジーのようにも見える、このシリーズは凄く面白いです。
    各種裏設定あたりは各自が想像してくれって感じの表現も好きですね。
    今回も面白かったです。

  • 3冊かりた2冊目。
    SFって楽しいなぁ。
    今回は挿絵もよかった。

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著者プロフィール

第4回電撃ゲーム小説大賞〈大賞〉受賞。『ブギーポップは笑わない』ほかシリーズ著作多数。

「2019年 『ブギーポップ・オールマイティ ディジーがリジーを想うとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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