笑えぬ童子 3 (ゼノンコミックス)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199800498

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  • 眼が見えなくなった画家の、描きたいという欲望。
    戦禍で妹を犠牲にし生き抜いた姉の最後。
    記憶が奪われていく父親の願望。
    そして、座敷童子が下す自分自身に問う選択。
    幸と不幸。座敷童子に導かれた主人公達の二つの選択の物語。

    完結編です。というか、やろうと思えばまだまだ出来たような気がするのでちょっと残念。108回やってよかったのに(笑)
    今回の三件は、結構人の努力ではどうすることもできない問題が多かったな、と。
    突然視覚を失ったり、戦禍の中で命を落としたり、認知症だったり…。
    だからこそ、そういった事態に直面した彼らの選択は苦しいし、辛い気持ちがよくわかる。
    認知症の話なんてものすごくお父さん辛いよこれ…。
    それでも皆自分に正直に、しっかりとした選択をしていてちょっと泣ける。
    そして最後に、これまでずっと傍観者の立場でいた座敷童子自身に選択を与えるという展開がなかなかうまかった。
    座敷童子自身も、いつの間にか色んな事を考えて、声を掛けるか、掛けないかを選択してるっていうのがいい。
    何気に一番人が出来ていたのは最後の浮浪者だったような気さえする。
    ほんの少し笑顔を見せた座敷童子がすごく可愛かったです。
    マルチエンディング方式もすごく面白かった。何かもう学校とかに置いといてもいいと思えるような、いい道徳漫画でした。

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著者プロフィール

高校の国語教員を十数年経験した後、予備校講師に転身。現在、代々木ゼミナール講師(現代文と論文を指導)。著書『真野真の現代文の読む技術・解く技術が面白いほど身につく本』(中経出版)など。

「2011年 『古典のおさらい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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