バウンド: 纏足 (YA Dark)

  • あかね書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784251066626

感想・レビュー・書評

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  • 逃れの森の魔女の方が好きではあるけど。でも、一気に読んだ。

  • 明の時代、中国北部の村、シンシンは父親が亡くなり、継母と共に暮らしているが、継母は実の娘ウェイピンばかりをかわいがり、シンシンは召使同様にこき使われている。ウェイピンは思春期がきてから纏足をしたため、殆ど歩けない。
    肉を捕ってくるようくるよう言われ、三匹の子タヌキに出くわし、2匹は殺したが、一匹は生捕にした。しかし日が経ち、そのタヌキにウェイピンの足が・・
    シンシンは泉にいる美しいコイを母親の化身だと信じ、いつも話をしに行っていた。そんな心の支えだったコイにした継母の仕打ちにシンシンは・・

    元の物語はシンデレラ。中国に伝わるシンデレラ。ドナ・ジョー・ナポリの作り出す物語、他の作品も童話を元にしていますが、どれも、なんともいえない悲しさがある。

  • 何年か前に読んだ『逃れの森の魔女』が面白かったので読んでみましたが、これはいまいち…中国版シンデレラ。

  •  え、えー結局お母さんとお姉さん切り捨てて結婚するのか、そうか……途中情のあるやり取りが散見されただけに悲しい。シンデレラを中国文化に落とし込んでるのはよかったけど、正直結婚より女の子の自立か家族の再生に向かってほしかったな。家族が仲直りするシンデレラストーリーが見たかった。「私の美しい娘」は良かったけど、ナポリ作品は恋愛描写よりも母娘描写の方がいい。

  • ドナ・ジョー・ナポリの中国版シンデレラ。
    ラプンツェルがスイス、ジャックがイギリスで今度は中国か。
    ものすごく誠実に調べて書いている。
    著者名をみなければヨーロッパ人だとは思わないくらいアジアンな心理描写。

    ヒロインがすごく良い子。
    良い子でいようとしている良い子で、でも美しいだけでもなくて、限られた可能性を目一杯広げようとしている。
    お姉ちゃんもお母さんもみんな人間臭くて哀れで嫌いになれない。
    ちゃんと読んだことないけどイグアナの娘を連想した。

    その時代その場所でこの自分をどうにかするしかないから「誰かが何とかしてくれてめでたしめでたし」にはならない。
    使えるものを使って、できるかぎりのことをする。
    手伝ってくれるのは魔法ではない魔法、縁とか念とか運命みたいなもの。
    それを使うのは本人の意思と知恵。
    最後はちょっとやっつけ的に理想すぎる気もするけれど素敵じゃねえか畜生。

  • 中国版シンデレラストーリー。
    でも、御伽噺のようなシンデレラストーリーでなく、ちゃんと身のある話。
    甘さは求めてはだめだけど、なるほど、と思うストーリー。

    日本人が見た中国の話ではなく、違う文化圏(アメリカ)の作者が書いた話なので、なにか違った風に感じる。作者本人は中国の大学で教鞭をとったことのある人なので、間違った中国観で書かれているわけではないとおもうのだけど。

    他の御伽噺をテーマにした著作も読んでみたいと思いました。

  • やっぱドナはいい。まさかのシンデレラストーリー。厳しすぎるほどの描写はこのラストを迎えるためだったんですね。でもちょっとわかりづらいから YA向きじゃないかも。

  • シンシンは、継母と異母姉に召使いのように扱われていたが、亡くなった父や母から受け継いだ心根の優しさと賢さを失わず、謙虚に暮らしていた。姉は14歳を過ぎてから始めた纏足の痛みに苦しみ、継母はその娘に良縁を得ようと必死になっていた。シンシンはつらく寂しい日々を、母の化身と信じる鯉とのふれあいで癒すのだった。
    意外に冒険の要素もあるし、なにより主人公が賢く魅力的なので暗くなりすぎないのがいい。ちょっと偏ったオリエンタル趣味が鼻に付くけど。女性は結婚によってしか幸福になり得ない、という時代を舞台にした中では、精一杯自立した女性を描いているといえるだろう。

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