ちひろさん (1) (A.L.C.DX)

著者 :
  • 秋田書店
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本棚登録 : 808
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253158770

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  • 元風俗嬢のちひろさん。今は小さなお弁当屋さんで働いている。そんな彼女の元には、今日もいろんな人たちが集まってきて──。ちひろさんの自由に生きていく日々を描いたドキュメンタリーマンガ。

    ちひろさんは自然体だ。裸のような身軽さで生きている。余計な情報など当てにしない。相手の目を見て判断する。言葉に隠した本音を、目の奥から嗅ぎ分けるのだ。目先の言葉や見栄じゃない。その人を真っ直ぐに見る。だから見抜かれた人はちひろさんに心を開いていく。ああ、この人とは裸同士で話せるのだと安心する。ぼくも話してみたい。そんなちひろさんがすごい。

    1話目の師匠回から引き込まれる。軽やかで、あたたかくて、その一寸先の静寂。ちひろさんだけがすくい上げた命だから、あの終わりでよかったんだと思う。
    マコトとのエピソードもよかった。叱った後にちゃんとやさしくできる強さに憧れる。大人と子どもの健全な関係というか。親や大人だってことを権力にして、あなたのためと言っておけば愛になるって誤解してる人間いるからね。あんなこと言われたら、いい男になりたくなる。

    ちひろさんはいつでもフルスイングだ。世の中では結果がすべてなんだと言われちゃいるが、当てるんじゃなく勇気を持って振り抜くことが大事だと知っている。
    「サービスってね 何でもやってあげることじゃないからね 欲しがるもの何でもあげたらナメられる いったんナメられたら食い尽くされて飽きられる」
    すずが良かれと思って会いに来たからこそ切ないね。ちひろさんに知らずと向けた言葉は、きっと彼女自身の劣等感の表れだった。自分をナメることに慣れると、相手をナメることにも慣れていくのかな。

    オカジとの話も好きだなあ。ちひろさんの言葉が名言すぎる。
    「悩みってほんとはすごくシンプルなことをあーだこーだ言い訳することから始まるのね」
    「言い訳ときれいごとを全部引き算していくと最後に着色されてない裸の感覚が残るでしょ 答えはもう出てるのよ あとはそれを飲みこむ覚悟ができるかどうかだけ」
    覚悟の数だけ、いい顔になっていく。そんなちひろさんだからこそ、みんな集まってくるのだろうな。

  • 元風俗嬢、ちひろ。海辺の小さなお弁当屋で働く彼女の元にはいろいろな悩みを抱えた客がやってくる。
    恋愛、仕事、家族、自分自身…ちひろが導く答えは? 多くの人を救った傑作、新作で復活!!第1巻。

    世の中の常識や忖度から自由に生きてるちひろさんの自由さ寂しさに引き寄せられるように、厳格な家族に悩む女子高生オカジや母親の愛に飢えているマコトなどがちひろさんと過ごして、悩みを解決するための言葉をもらい踏み出していく。
    分け隔てなく接するちひろさんだが、一緒に酒を飲みたくない人もいる。
    風俗時代の後輩のすずちゃんやちひろさんを合コンに誘うOLのように、ちひろさんを知りもせず簡単に決めつけてくる無神経なヤツらには、容赦ない。
    ちひろさんの親友のニューハーフ・バジルとの誇り高い野良猫同士のシスターフッドも痛快な1巻。

  • 良き

  • 漫画を読み終わって、ため息が出て涙が出たのは初めてだ。本を抱きしめたのも初めてだ。ちひろさんがわたしの初めてで良かった。

  • 弁当屋さんで働く元風俗嬢のちひろさんとちひろさんを取り巻く人々の日常が描かれている。
    色んな経験を積んでいるちひろさんだからこその立ち回りや発言が魅力的で読みだしたら止まらなくなった。軽い気持ちでサクサク読めるのでオススメ。

  • 「元」風俗嬢が力を抜いて「今」を生きている話。
    過去を隠す事なくさらけ出し、他人にも自分にも心を偽らず、あるがまま生きる。
    無理をしない。
    登場人物が抱える過去や今を優しく受け止め、時に本質をつく厳しい言葉をさらりと言ってのける。
    深入りせず適度な距離を保って周囲の人と関わっているのに、惹かれていく人が後をたたない不思議な魅力をもつちひろさん。
    ゆるい絵とストーリーのギャップも読みやすい。

  • 出会えてよかった漫画

  • 人生が窮屈な奴全員読め

  • ちひろさんのような自由奔放な人って憧れます。なかなかこんな人をいないですね。周りに人が集まるのが当然ですね。

  • 読んだら人生観が180度変わった漫画だった。
    家族や友人、周りの人に気を使いすぎて、悩みながらずっと過ごしてきたけれど、周りを伺いすぎているのは自分のせいだな、と私は思った。
    周りのためではなくもっと自分のために様々なことをしたい。
    家族だから、友人だから、自分に言い訳をしないで自分らしく生きられる、そんな道標をくれた漫画。
    自分がいいと思ったものを素直に良いと思える毎日を過ごしていこうと思えた。

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