「王家の紋章(55)」細川智栄子著、秋田書店、2010.06.30
215p ¥420 C9979 (2018.08.28読了)(2018.05.30購入)
第54巻の終わりごろに出てきたネウロイ人がまた出てきた、キャロルたちのエジプト帰還を妨害するのかと思っていたら、そのようなことはありませんでした。きっと何かの本で読んだ知識をネタとしてちょっと使ってみただけのようです。二度とこの話が出てくることはないでしょう。
メンフィスとキャロルは、無事にエジプトに帰還しました。帰還早々に待っていたのは、インダス王国から派遣されたシンドウ太子一行でした。現在のインドとパキスタンの境目あたりに栄えたと言われるインダス王国からやってきました。エジプト王妃は、未来を予見するという噂を聞いて、インダス王国の未来を確かめに来たようです。
シンドウ太子にキャロルは、インダス河の東にあるハークラー川の水量が少なくなってきていないかを問います。キャロルの知識では、ハークラー川はまもなく涸れるはずです。キャロルはそのことをつぶやいたつもりはないのですが、シンドウ太子には聞こえてしまいます。シンドウ太子は、キャロルが未来を読めるという噂は、本当であったと確信します。シンドウ太子は、インダス王国の未来を問いますが、キャロルは、亡びると答えることができません。代わりにガンジス河のある東方に目を向けるようにと。シンドウ太子は、インダス王から、急いで帰国せよという命令を受け取ったので、キャロルに悪い印象を持ったまま帰国します。
インダス王国とシバ王国の連合軍が攻めてくることはあるのでしょうか? インダス王国は、内乱状態のようなので、インダス王国の話は、これっきりでしょうね。
今後の展開を予想すると、ミノアのユクタス将軍がネバメンの情報を持ってきそうなので、ネバメンとミノアの話になりそうです。
キャロル 主人公
ナフテラ
テティ 侍女
メンフィス エジプト
イムホテップ エジプトの宰相
ミヌーエ将軍 エジプト
ルカ
カプター 大神官
ネセム 神官
ネバメン 自称メンフィスの弟
ペルト ネバメンの仲間
タルシシ カナンの交易商人、ネバメンを育てた
シンドウ インダスの太子 インダス王国
デーシュ将軍 インダス王国
シバの女王 シバ王国
ディルムン国使者 (バーレーン)
ハサン 商人
カレブ 商人
ヤドナナ
ユクタス将軍 ミノア
アイシス女王 バビロニア、メンフィスの姉
ラガシュ王 バビロニア
イズミル王子 ヒッタイト
ハザズ将軍 ヒッタイト
ジダンタシュ イズミル王子のいとこ
ウリア ジダンタシュの母親
ヒューリア アマゾネス
アルゴン王 アッシリア
バザル 奴隷商人
【あらすじ】
現代の娘・キャロルは、神秘な力によって三千年の時間を超えて、はるか古代のエジプトへといざなわれた。21世紀の叡知を持っている彼女は、民から<神の娘>と慕われる。
かの地でキャロルは、勇ましく麗しい若き王・メンフィスとめぐりあい、愛しあうようになる。そして二人は、弟であるメンフィスに想いをよせるアイシスの妨害など、さまざまな困難をのりこえて、民たちの熱狂的な祝福のなか、華燭の婚儀をあげた。
そんなある日、キャロルはヒッタイト王国のイズミル王子の密命を受けたルカたちに連れさられてしまう。
エジプトから遠く離れたメソポタミアの地で、キャロルは奴隷として売られ、病にも苦しめられる。さらに彼女は、イズミル王子のいとこ・ジダンタシュの恐ろしい斧に追いつめられ、殺されかかる。しかし間一髪のところを、メンフィスに救われる。
メンフィスとジダンタシュは激しい一騎打ちの末、組み合ったまま、ユーフラテス河へ落ちた。かろうじて助かったメンフィスと一緒に、エジプトに帰れることになったキャロル。だがその頃、紅海の南に、キャロルたちと同じように、エジプトへ向かう一隻の船があった…。
☆細川智栄子さんの本(既読)
「王家の紋章(1)」細川智栄子著、秋田書店、1977.02.25
「王家の紋章(2)」細川智栄子著、秋田書店、1977.10.30
「王家の紋章(3)」細川智栄子著、秋田書店、1978.04.10
「王家の紋章(4)」細川智栄子著、秋田書店、1978.06.30
「王家の紋章(5)」細川智栄子著、秋田書店、1979.11.05
「王家の紋章(6)」細川智栄子著、秋田書店、1980.07.15
「王家の紋章(7)」細川智栄子著、秋田書店、1981.03.25
「王家の紋章(8)」細川智栄子著、秋田書店、1981.08.20
「王家の紋章(9)」細川智栄子著、秋田書店、1981.12.05
「王家の紋章(10)」細川智栄子著、秋田書店、1982.10.05
「王家の紋章(51)」細川智栄子著、秋田書店、2006.07.15
「王家の紋章(52)」細川智栄子著、秋田書店、2007.08.15
「王家の紋章(53)」細川智栄子著、秋田書店、2008.07.15
「王家の紋章(54)」細川智栄子著、秋田書店、2009.06.30
「古代オリエント」(世界の歴史1)杉勇、講談社、1977.02.20
「神・墓・学者」C.W.ツェーラム、村田数之亮訳、中央公論社、1962.07.25
「古代への情熱」シュリーマン著・村田数之亮訳、岩波文庫、1954.11.25
「四大文明 エジプト」吉村作治・後藤健編著、日本放送出版協会、2000.07.10
「四大文明 メソポタニア」松本健編著、日本放送出版協会、2000.07.10
「四大文明 インダス」近藤英夫編著、日本放送出版協会、2000.08.10
「古代エジプト文明の謎」吉村作治著、光文社文庫、1987.08.20
「古代エーゲ・ギリシアの謎」吉村作治著、光文社文庫、1987.08.20
「インド文明5000年の謎」宮元啓一著、光文社文庫、1989.05.20
「驚異の世界史 オリエントの幻」森本哲郎編著、文春文庫、1989.02.10
(2018年8月28日・記)
コミック: 213ページ
出版社: 秋田書店 (2010/6/16)