ノマドと社畜 ~ポスト3・11の働き方を真剣に考える

  • 朝日出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255007052

感想・レビュー・書評

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  • 2013年10月14日読了。twitter上の有名論客「May_Roma」こと谷本氏の話題の書。現代(2012~2013年)日本における、「ノマド」=フリーランスの安易なブームに警鐘を鳴らし、すでにノマドが一般化している英国でのノマドの実態と会社にすべてをささげ思考停止した「社畜」的な日本の実態を明らかにし、これからの働き方について考えさせる本。あっという間に読めるが実に考えさせられるところの多い本だった。会社に属さない「ノマド」は必要なときに必要なだけ高スキルな人材を雇用したい企業にとっても、自分で自分のライフスタイルを決めたい労働者にとっても理想の存在ではあるが、そこには当然労働者自身の代替の効かない高スキルが必要になってくる。(そうでなければ高スキル・低賃金の移民労働者にアッサリ置き換えられて終了)今の日本は社畜化して「全員不幸」となることで成立している社会なので、「ワークライフバランスだ、女性の働く権利だ」と正論を唱えることには圧倒的な逆風を受けることになる・・・と。自分の権利だけを主張してもむなしい、とにかく英語をはじめとする自分のスキルを磨かなければ、近い将来日本で「ノマド」が当たり前の働き方となったとき、真っ先に淘汰されるのは自分だ。肝に銘じなければ。

  • 今後の仕事のあり方を、まだ社会に出ていない若者にも昭和に染まった中高年にもわかりやすく説明しようとした本。
    一番読むべきは、これから社会に出ようという子供を持つ親か。

  • 終始、文句口調で書かれているので、非常に気がめいる。
    高い専門性が無い人間、英語などの多言語が話せない人間は、クズなのでノマドを目指してはいけません。わたしたちの世界に入ってくるな、イギリス最高!欧米最高!日本終わってる!というのがメッセージなんでしょうか。わたしにはそう感じました。

    ノマドの世界が厳しいと言うことはよくわかりますし、実際そういう側面は大きいのだろうと共感できる部分は一部あります。

    しかし、見えている世界が狭いのか、見解に偏りがあるように思えます。

    ”好奇心からインターネットで新卒一括採用のエントリーシートや面接の質問を除いてみた事があります。そこには「好きな本の題名」や「この会社での夢」といった漠然とした項目が並んでおり、こんな質問に答えるだけで正社員の職が得られるとは、なんと甘い世界か!とというのが率直な感想です。”

    とありますが、そこに書いてある回答だけで判断することは無いでしょうし、面接に進んだ際の話の取っ掛かり、それを基点とした質問やアピールをどう論理立てて話せるかなどを面接官は見るのですから。
    鬼の首を取ったかのように日本の会社採用をこき下ろしたかっただけでしょうか。

    採用には新卒採用と中途採用があり、どちらも一長一短があります。専門性の高い中途採用だけだと会社の成長は難しいこともあります。

    いろんなポテンシャルを秘めて、会社の仲間とゴール目指して進んでいく一体感は新卒社員のほうが比較的持ちやすいです。

    一度日本の会社の素晴らしい面についての情報も仕入れると良いのではないかと思いました。

  • 自分にはノマドは無理だ、と実感。ただ裏を返せば、きちんと実力を身につけていたら会社以外に生きていく術もあるのだとも言える。

  • ふわふわした中身のない話ではなくて、至極真っ当な内容だった。日本企業について「バカはクビになりません。資本主義の皮を被った腐った共産主義です。こんなのはプーチン閣下だってびっくりです。」に笑いました!よく言った!!
    ああ、でも私はノマド=フリーランスではないと思っていたので、その点だけはちょっと私が考えていたのとは違いました。。ノマドというのは、フリーランスの中でも物理的な場所に縛られずに移動や移住しながらできるような仕事をしている人を限定して指すのかと思っていました。だから私は、フリーランスだけどノマドではないと思っていました。この本によると、プロジェクト単位で企業に雇われて働く人までノマドに含まれているようで、ちょっと範囲が広いなぁと思いました。まぁ長期的なスパンで見れば、そういう人もノマドと言うのかな〜?

  • フリーランス、ノマドの現実をケース何個かの紹介と取り巻く労働環境、国の考え方と絡めて説明。実態を知らないままノマドへのかっこいいイメージだけで突き進むことって怖いと改めて感じた。

  • 大まかな内容としては、
    1 ノマドの実体的な解説
    2 海外と日本を比較した上での日本の働き方の実態
    3 震災後の働き方(過ごし方)の本質的な再検討
    このような構成からなっていると思われる。
    結論から言うと、現代の就職を控えた若者に対する働き方の方向性をある程度示してくれる本としてとても参考になった。就職活動前に一度読んでおくと、稼ぎ方の本質を見直す機会を持つことができる。
    ただ、結局のところ働き方も大事だが、何を重視して働くかという仕事の意義的なものを先に読者が持っていないと、お金ばかりに視点が誘導されかねないので注意した方がいい。

  • 2013/07/26
    自宅

  • フリーで独立した人にとっては、特に目新しいことは書いてないけど、海外の契約社会と日本の雇用形態との比較があるのは、有意義な話ですね

  • ノマドとして働くことの心構えを説いた本。

    フリーランスのようにノマド的な生き方をするにしても、会社で社畜のように働くとしても、大切なのは技術や知識を磨き続けること。ノマド的な生活は時間的な制約などがなく働くことができる一方で、すべて自分の自己責任となる。一方、会社で働くということは、すべてその逆となる。個人的には、会社の中でノマド的な生き方をすることがベストのような気がしました。そう、うまくいかないかもしれませんが。

    ただ、いずれの形態で働くにしても英語力は必須の能力のような気がします。また、ヨーロッパ、特にイギリスはは契約社会だからこそ、ノマド的な生活も成り立つのだと実感。安定=常にプロフェッショナルでいること

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著者プロフィール

谷本 真由美(たにもと まゆみ)
1975年生まれ。「めいろま@May_Roma」のTwitterアカウントで知られる。法政大学法学部政治学科卒業後、アメリカのシラキュース大学大学院で国際関係論と情報管理学の修士号を取得。日本と英国を両拠点に活動を続けている。

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