- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784255007052
感想・レビュー・書評
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ノマド連呼してるけど、ようするに個人事業主だろう。目新しさはあまりないかも。
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一応自分は広告業界にいるんだけど(今のところ)、広告業界ってのは非常にフリーランスや独立が多分他の業種と比較すると多いのだけど、会う人会う人、どちらかというと人脈で飯食ってるような人ばかりで、別にすごいものを提案してくれるわけでもなく、こんな連中がフリーや小規模会社経営なんて、と常々思っている節があり。
最近流行のノマドなるものも、広告やメディア界隈で目立っていて、ゆえに広告メディアクラスタの多い俺のtwitterのタイムラインではやれノマドはダメだすばらしいだと、いろんな言説にあふれていた。
自分がそうなりたいとは全く思ってないけど、
単純に「働き方」という意味で興味があって読んでみた。
あとはメイロマ姐さんのファンなので。
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内容としては、海外(主にイギリス)のノマドワーカーたちの実態と、日本で流行るノマドなるものとの違い。
なぜノマド的働き方がイギリスでは可能なのか。
社畜とはいったい何なのか、などなど。
普段姐さんがtw上でおっしゃってる事を書籍にまとめてあるイメージ。
でも正直なところ、俺がぼんやりとながら思い描いていたノマドそのまんまなイメージで、本物のフリーランサーは広告界隈の人脈で飯食う連中とは違い、スキルがあり、明確な成果を出す事ができるプロフェッショナルだということが書いてあって、その点について驚きはなかった。
ただそれ以外でも、海外の職業事情や、なぜそうなったのか、日本の働き方はこれからどうなるのか、という点については非常に参考になったと思う。
個人的にはイギリスや大陸欧州に根付く「個人主義」の考え方が気になった。
「イギリスや大陸欧州北部で会社員のノマドワークに前向きなのは、これらの国ではもともと仕事でも勉強でも個人の裁量に任せて、他人はなるべく介入しない、という個人主義(individualism)を原則とする会社があるからです」(p81)
「この『個人主義』とは、家族やコミュニティ、国の発展は個人の幸せの上に成り立っている、とする考え方です」(p82)
個人が責任を負う代わりに、個人の自由を尊重することで、個人単位で幸せになることで、国の発展に寄与する。
俺はどちらかというと個人主義的な考え方の持ち主だと思うが、たいていの日本人はそうではない。
個人が責任を負うケースなんてのは非常に稀だ。会社で仕事をしていても、それが誰の責任なのか不明確だし、業務の範囲についても不明瞭なまま、なんとなくで進んでいく。自分が悪くなくても、年下だというだけで責められたりもする。
代わりに、自由もあまりきかない。おそらく今の会社はどちらかといえば自由な気風のある会社だが、ただ成果に厳しいわけではなく、ただ単に緩いだけ。大企業になれば、もっと自由は少ないだろう。周囲の大企業勤務者をみてもそう思う。
ただ、自分の裁量で、自分で考え行動することなしに、そしてその行動や成果に対し責任を負う覚悟なしに、付加価値の高い仕事なんてできるはずがない。
もっというと、個人の裁量で責任のある仕事なしに、スキルアップという意味での成長はないと思う。
そして一番失われるのは、個性や多様性という、人間らしい暮らしのために非常に重要な要素。
この低成長の時代、個性のない会社は衰退の一途をたどるだけだ。
そんでそういう人間らしく、厳しくも楽しく、満足感のある暮らしを求める人が、そういう会社を選ぶはずがない。
優秀なひとほど自分の裁量と責任を求める。
あとね、社畜の解説んとこで、corporate slaveについて書かれてたのだけど、企業のマーケティング戦略にまんまと乗ってしまう馬鹿な消費者も含む、というのはとても面白い。
いやマーケティングやってる側が言うのもなんだけど、AKBとかスタバとか最近だとbillsとか、ああいうものに喜び勇んで行ってしまう日本の多くの消費者はまさにそれだよなと。
企業を肥え太らせるって感覚がないんだろうし、まんまと乗せられている(広告代理店やメディアに!)ってことに気づいていない。
そういうリテラシーというか目のなさというのは本当にあきれるし、何よりそういう連中が企業で働いているんだから、プロなんて育つわけはねーよなって自嘲気味に笑ってしまった。
長いな。まとまってないんだ。
とりあえず備忘録として。 -
5章を読むだけでも価値がある。本書はいわゆる自己啓発本ではない。広く一般に対して、今一度働き方を考えるよう促す本だ。本来的な意味のノマドにはなれない(ならない)会社員が、本書に書かれているノマドのような人生や仕事への姿勢を確認するだけでも有益だろう。そこから次のとるべき行動が見えてくるかもしれない。ただノマド的な社畜になるにはかなりの力量が求められる。
日本語圏という壁に守られ、個人主義が一般的でなく、非契約社会であるといった環境で培われた独特の労働慣習は、他国では全く通用しないものであることは明らかだ。グローバル化社会云々と唱和するからには、日本以外の国で当然のように認識されている慣習や流儀を受け入れる覚悟があるのか問われ続けるのだろう。 -
ちょっと前の本だけど、いろいろ考えさせられました。若い人におすすめです。
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ノマドワークの真実について明らかにする本。
日本では最近ノマドワークがもてはやされ、有名な文筆家やブロガーたちが書籍を販売したりセミナーを開いたりしている(らしい)が、このブームは実は詐欺まがいの自己啓発商法だと警鐘を鳴らしている。
個人的にノマドワークには興味があってこれまで何冊か本を読んだりしたが、この著者の指摘する通り具体性に乏しい内容ばかりで、とても自分に実践できるとは思えなかった。そんな甘い話があるわけないと思いつつも、どうしてピンと来ないのか不思議に思っていたが、この本を読んでその理由がわかったような気がする。日本の有名人は海外で活躍する本物のノマドワーカーの実態はおろか、外国の歴史的背景や言語も知らないからだということだった。
本書はイギリスでの働き方の実態を赤裸々に明かしてくれている。
確かにノマドワーカーには憧れる部分もあるし、従来の日本の職場環境は自分の特性や価値観に合わないと強く感じる。しかし、ノマドワーカーは自分の仕事に非常にシビアでなければならず、使える技術を常に学ばなければならないため、自分には難しい。結局は、著者の言う「ノマド的な社畜」になるのが現実的だろう。会社に勤めながら、常に創意工夫を積み重ねることで自分らしい付加価値を仕事の中で見つけていくやり方だ。そしてできれば副業を始めることだ。
全部で200ページ足らずの本だが、非常に示唆に富む内容だった。 -
勘違いノマドを一蹴し、社畜に対する見解も鋭く書かれていると感じた一冊。
学生や若い社会人向けという事だが、青年サラリーマンにとっても響くものがあった。
この本によれば、今の私は間違いなく社畜である。その上で、専門分野を磨くことでノマド的な社畜という道もあるのだなと認識。
あと、英語を勉強したくなった。 -
世界を相手にする、ノマドは甘いものではない、と実例を引きながら紹介してくれる。
ノマドになるには、
・専門性や高い知識
・ひとりで営業から経理からすべてやる親方気質
が必要、と説く。
ただし、若くてキャリアがない時期には前者がもちろんない。「インターン」という自腹or借金覚悟で経験を「買う」必要が出てくるが、そもそもの最初で貧乏だと、それすらできない、というイギリスの例が心に残った。 -
ノマドに関する現実的な指南書
ノマドという働き方が如何に海外の労働システムの中で発展してきたか
ノマドという働き方への移行が如何に実力主義的な淘汰をもたらしえるか
新卒一括採用からスキルベースに移行するとまず有名大学文系卒業者が失業する
日本特有の社畜文化とその問題点
ノマドに憧れる人に一読を薦めたい本 -
ノマドはデジタルのかおりがする貧困ビジネスとばっさり。
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まあ結構面白いけど普通