- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784255012117
作品紹介・あらすじ
デビュー作で全米図書賞受賞!
アメリカを代表する作家、フィリップ・ロスの伝説の青春小説が待望の新訳で瑞々しく甦る。
真夏のプールで運命的な出会いを果たしたニールとブレンダ。二人はたちまち引かれ合い、結婚を意識し始める。若い男女の恋には危うさがつきまとい、季節の移ろいとともに、輝かしい日々は過ぎ去っていく。はかなくほろ苦い青春期の恋を瑞々しい文体で描いた永遠の名作。
――訳者より
今から60年以上も前、1958年にフィリップ・ロスが発表し、1965年に佐伯彰一さんの名訳で日本に紹介された「さようなら コロンバス」をぼくが読んだのは、1969年、はたちになったばかりの時だった。その時に激しく心を揺さぶられ、この小説は一生忘れることのできない、ぼくにとって最もお気に入りのアメリカ文学の一つとなった。
その作品を新たに翻訳するという素晴らしい機会を与えられ、作業を進めながら、改めて強く思ったのは、本作がまったく過去のものにはなっていないということだった。主人公二人の不安や苦悩、葛藤、そして失敗は、具体的な状況やかたちこそ違え、今の若者たちにリアルに伝わるはずだ。「グッバイ、コロンバス」は1950年代後半のアメリカ社会のノスタルジックな青春小説、恋愛小説にとどまることなく、完璧に描かれた若者たちのみずみずしさとおろかさ、純粋と放縦、優しさとわがままゆえ、2020年代の今をも照らす永遠の輝きを放っている。
感想・レビュー・書評
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実家に帰ったら、親に自分の部屋片付けられてた上、エロ本見つけられて、「あんたこういうのやめてよね」と言われた気分。
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タイトルは知っているけれど読んだことのなかった作品(たくさんある)の一つ。
読みながら頭に思い浮かんでいたイメージは、ダスティン・ホフマンの映画「卒業」、カポーティの『真夏の航海』。
プールで一目惚れした女の子にいきなり電話して、意外とすんなり両思いになって驚いた。冴えない男の人をイメージしていたけれど、そうでもなかったのだろうなきっと。図書館員で、昇進もしてるし…笑
娘の異性の「友達」を家に数週間滞在させておいて、二人の間に何もないと思ってる親のほうがどうかしてるんじゃないかとか、主人公が彼女にペッサリーを使わせようとするやりとりとそれが見つかった時の主人公の言い草にやっぱりこいつやあかんやつじゃんかとか、そんなことを思った。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/758931 -
<本>
僕の音楽関係の知人に,佐伯彰一 氏訳版の『さようならコロンバス』を文庫本で持っている人がたまたま居た。僕がFacebookに挙げたこの本の紹介記事を見て彼はその50年程も前の本を再読し始めた様子だった。
彼がいつ頃その本を最初に読んだのかは分からないが,今回は半分くらい読んだところで「内容はほとんど忘れていたがパティムキン家の庭のシーンなどは何となく覚えていた」という主旨の感想をFacebookに挙げていた。
僕はもちろん今作の訳者が中川五郎さんだったので読んだのだけれど,小説の内容はすこぶる退屈なもので,つい色々とググって物語のあらすじやその読みどころなどを調べてみることになってしまった。いやはや読書の好みとはやはり個人差がかなりあるのだなあ,と感じたものだ。
佐伯彰一氏の『さようなら,コロンバス』の内容を記述してあるWikiによると主人公の Neil Klugman は ”ニール・クルーグマン” と標記されている。中川五郎さん訳の本書では ”ニール・クラグマン”。どちらが正しいという事は無いのだろうけれどユダヤ系の呼び方としてみるとどちらかには決まっているのではないか,などと思うものである。
まあそれにしても1950年代前半アメリカに住む裕福なユダヤ人は家族の全員(両親と兄弟)が自分の車を所有していた。4台/一家という事に僕は驚いているのであった。
そしてなんともっと驚くことがあった。僕が務める会社の,とある事業部のアメリカにおける拠点がオハイオ州コロンバスにあるのだ。僕ははるか昔に(たぶん30年くらい前)このコロンバスの拠点を仕事で訪れたことがある。”グッバイ,コロンバス”と云ったかどうかはともかく・・・。すまぬ,が これは本当の事である。 -
新訳出たので再読。清々しい感じ。初めて読んだときは星5つつけた気がするけど、歳取ったせいかまあまあな感じ。
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1965年の作品が新たな翻訳で登場。とても読みやすく今読むと「古く良きアメリカ」を感じてしまう。そしてラストの男の身勝手さを。