- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784260016735
作品紹介・あらすじ
ひとりでできないもん-。他力本願なロボットがひらく、弱いという希望、できないという可能性。「賭けと受け」という視点から、ケアする人される人を深いところで支える異色作。
感想・レビュー・書評
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【何も出来ない、けど一緒にいる。そこから始まるコミュニケーションを俯瞰してみられる本】
誰かが一緒にいてほしい。でも、自分の行動で相手が離れたら嫌だ。
そんなおもいを、ロボットが穏やかに埋めてくれるかもしれない。
そんな思いが感じられた本でした。
人と一緒にいるときに無意識のうちにしていることは何か、子供が自分以外の未知の存在に対してどう関っていくのかを、ロボットを通じて語った本です。
私のお気に入りは「む〜」ちゃんと子供たちとのやりとりです。む〜は何か動くわけでもないけれど、目のようなカメラで子供達を見つめながら、リアクションをします。
それを見て、子供たちが
「この子はどこから来たの?」
「お腹空いてるのかな」
「眠いのかもしれないね」
と、まるで年下の子供の面倒を見るような姿をしたというのです。
それがとても愛おしくて、
何も出来ない、けどそこにいるだけでも価値を産めること。
そして、子供の中にある大人が周りの人へどう接しているかを良く見ているのを感じるやりとり。
穏やかに人間がロボットと関わる中でどんな不思議なやりとりが生まれるのか、気になる人におすすめの本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB10094985 -
[ひとりでできないもん-。他力本願なロボットがひらく、弱いという希望、できないという可能性。「賭けと受け」という視点から、ケアする人される人を深いところで支える異色作。]
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身体とコミュニケーションについてとても深く考察された素晴らしい本。
「私たちは地面を歩いていると同時に地面が私たちを歩かせている」というのはとてもハッとさせられました。
読んで損はない一冊だと思います。 -
出版されてから10年も経っている本をもう一度手に取って読んでみた。
ロボットに求めるものは何かをもう一度考えるきっかけになった。不完全であるが故の良さという捉え方もあり? -
流し読みだったが、自分の専門外の分野を学ぶのってやっぱり新鮮だった。
ロボットやAIの技術には無頓着だけど、言語学をやっていた身としては、なにげない談話っぽいやりとりを再現するには?という考えがとても面白い。
AIやロボットを作る意味って、人間に利便性を与えるだけではなく、改めて人間の活動やコミュニケーション、人間がその対象をどう受け取るのかという認知的な研究にも繋がるように思った。
そしてこの本の主人公である弱いロボットたち…。
弱さが人とロボットを結びつけるなんて!
ものすごく感心してしまった。
すごいロボットではなく、ポンコツな部分も持つロボットたちは、開発者よりも一般人たちに受けが良いよう。
それも子供やお年寄りたちに大人気…。
猫や犬がいると、家族の会話が弾んだりするけれど、弱いロボットたちも、誰かと誰かを結びつけることがある。
助けられてばかりでは人間性ってなくなるのかも。
助けることを教えてくれるロボットたちが、これからの未来でどう私たちの暮らしに寄り添ってくれるのか、非常に楽しみになる。 -
積極的に人をアシストするのではなく、人のアシストを引き出しながら課題を解決する「弱いロボット」の概念、その発想の誕生からその後の研究・考察の歴史。人に迫る高機能なロボットを開発する方向ではなく、(リソースの制約にもよるが)人との関係性を考察し、人間社会の一員として加わるためのロボットを目指す、そのためには人間の社会性・関係性に対する考察が欠かせない。ロボットの研究史なのに、人間の幸せを論じる哲学の書でもあって興味深い一冊。
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人は、他者(対物)を通して自分の存在を知覚する。自分自身の顔は見えないのに。
ーーー本とは関係ないことーーー
「人は他人に生かされている」の考え方の違和感。これって何か上から目線。自分も他人を生かしている存在なんだって考え方が抜けてるから。自己内部の感覚からきてる。 -
☆令和2年度先生が選んだイチ押し本☆
請求記号 007.1/Ok
所蔵館 2号館図書館 -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99420932