- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784260024037
感想・レビュー・書評
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対話の力で薬物をほとんど使わず統合失調症をなおす
妄想はモノローグによって強化され、ダイアローグによって解消されるはずである
批判せずに真剣にきく
今この瞬間を大切にする
複数の視点を引き出す
症状ではなく、クライアント独自の言葉や物語を強調する
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フィンランドで始まった社会構成主義に基づく「オープンダイアローグ」に関する理論と実践の論文が多数載っている。患者と共に新しい「言葉」「関係性」を創り出していくという観点には目新しさがあった。
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前半の斎藤先生の解説部分で十分わかった。
後半の論文部分は事例の所が参考になったけど、それ以外の所は何が前半と同じことの繰り返し。むしろややこしくて何が書いてあるのかよくわからなかった。
オープンダイアローグ、きっと効果はあると思うしやってみたいけど、医師とか経営陣がやる気になってくれないと実現は不可能…。 -
フィンランド発の治療法オープンダイアローグを解説している本。
対話って大事ですよね。 -
薬物療法中心の日本では、普及することはなかなか困難な道のりかと思いますが、一部の精神科医が普及啓発活動を行っています。
興味はあるけどいきなり本を読むのが大変な方は、あなたチューブで検索すると紹介動画がいくつかありますので、視聴してみてください。 -
2018/09/30
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素晴らしい内容でした。
ナラティブ・セラピーからの影響に言及しつつも、生成されたナラティブがミーティング参加者全員の共同制作物である点で異なるとしている。
オープンダイアローグでは、対話(ミーティング)を通じて、いまだ語られることのなかった物語(精神病的な発話等)に共有可能な言語表現をもたらすことを目指す。
「対話はまさに症状を代償し、それを書き換える力を持つのです」(p.175)
「おしゃべりをしてたらなんだか気分が晴れた」っていうのもこういうことなのでしょうか。 -
精神医療で使用されている先進的な国があることがわかった。
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・関係的存在としての人間
・対話そのものに意味がある
・仮定を用いて対話をつなぐ
・コミュニケーションには焦点化せず、新しい言葉を共有するための空間を作り出すことを目指す -
治療者から尊重されていないと患者が感じるから病気は治らない、と書かれてある。
つまり、妄想も尊重して私たちは受け止める必要がある。
オープンダイアローグを取り入れたケロプロス病院は、治療側のスタッフ間まで、人間関係が良くなってしまった。
オープンダイアローグという対話における心理療法は、ミハイル・バフチンの理論から触発されて生まれた。その発生が、ポリフォニーではないのか。
オープンダイアローグでは「保険」として薬物投与がされるだけで、オープンダイアローグで事態が良好であれば使われない。その薬物投与を使わない心理療法が統合失調症で成果を上げているから、著者の斎藤環は驚いている。
なぜなら、統合失調症とは、しかるべきエビデンスに基づいた薬物投与をせずに、統合失調症の患者が死んでしまう、とか、病気が悪化してしまえば、担当医師は法的責任を問われるからである。そのような統合失調症で薬物投与なしの対話療法で確実に成果を上げているのが、オープンダイアローグである。