超人ナイチンゲール (シリーズ ケアをひらく)

著者 :
  • 医学書院
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260054423

作品紹介・あらすじ

こんなナイチンゲール、聞いたことない!――鬼才文人アナキストが、かつてないナイチンゲールを語り出した。それは聖女でもなく合理主義者でもなく、「近代的個人」の設定をやすやすと超える人だった。「永遠の今」を生きる人だった。救うものが救われて、救われたものが救ってゆく。そんな新しい生の形式を日常生活につくりだせ。ケアの炎をまき散らせ。看護は集団的な生の表現だ。そう、看護は魂にふれる革命なのだ。

感想・レビュー・書評

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  • 【イベント&オンライン配信(Zoom)】シリーズケアをひらく『超人ナイチンゲール』(医学書院)刊行記念 栗原康×小川公代トークイベント「ケアの炎をまき散らせ!」 | イベント | 代官山T-SITE | 蔦屋書店を中核とした生活提案型商業施設
    https://store.tsite.jp/daikanyama/event/humanities/37289-1702001119.html

    シリーズ ケアをひらく | シリーズ商品 | 医学書院
    https://www.igaku-shoin.co.jp/series/28

    栗原 康 | 教員&スタッフ紹介 | 東北芸術工科大学文芸学科|小説・評論・漫画・編集
    https://bungei.tuad.ac.jp/staff/staff-08

    超人ナイチンゲール  | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院
    https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/111968
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    本の やまね洞さんから

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ◆垣根を超える看護の炎[評]杉本真維子(詩人)
      <書評>『超人ナイチンゲール』栗原康 著:東京新聞 TOKYO Web
      https://ww...
      ◆垣根を超える看護の炎[評]杉本真維子(詩人)
      <書評>『超人ナイチンゲール』栗原康 著:東京新聞 TOKYO Web
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/309892?rct=shohyo
      2024/02/19
  • 超絶面白かった。
    看護師の端くれとして、ナイチンゲールの大まかな人生は知識としては知っていたが、その思想までは知らずに、読んだ著作も看護学校の授業にあった、看護覚え書きのみ。それでも、看護はアートであるとの言葉を忘れられず、現場で素晴らしい看護師に出会うたびに、やはり看護はアートだと思ってきた。
    自分自身は決して感じたことのない他人の感情のただ中へ自己を投入する能力を、これほど必要とする仕事はほかに存在しない。このナイチンゲールの言葉はすごい。普段していることはこういうことだったのか、と納得。これをクリミア戦争の看護の中で見出すことの凄さ。共感という言葉が生ぬるく感じる。
    看護覚え書き、再読したくなった。

  • ナイチンゲール。名前はもちろん知っています。
    でも詳しくは知りませんでした。白衣の天使。クリミア戦争。それくらいしか説明できる言葉が出てこない。
    この本を読んだらそんなナイチンゲールのイメージがひっくり返りました。ぶっ飛んでるし突き抜けている。天使なんだけど黒衣だし手にハンマー持っているw
    女性でこの時代にここまでの事を成し遂げるなんて凄まじい事。実際30歳すぎまで何もさせてもらえないんですよね。それでも折れず諦めず突き進んでいく。尊敬します。
    私みたいにナイチンゲールの事あまりよく知りませんって人にこそぜひ読んで欲しい本。全く学術書っぽくはなくて、文章が軽快でノリがいいのでスラスラ読めます。もっと書きたい事ありますがキリがないので止めときますw
    ケアの炎を撒き散らせ!

  • 今までにないナイチンゲール伝である。それは間違いない。
    ひらがな多めの文書だが、読みやすいわけではない。ひらがな多いから中学生でも読めるよ、ってことはない。読めるかも知らないが、「わけわからん。これでいいの?ホントに?」ってなると思う。
    よかったところとしては、彼女の宗教観を描いたところ。特に神秘主義についての文章はなるほどと思わせる力があった。こういうことを書かせると上手い人だなと思う。
    しかし、人物描写、特にフローレンス・ナイチンゲール以外の人物の描写が簡単すぎて、立体的な人物像を想像できない。
    ナイチンゲールの統計学者としての功績も否定はしていないが、著者が統計でわかったような気になる、あるいはやったような気になることに敏感というより強い反発を抱くタイプのため、結局安倍晋三批判をしたあげく「数字、きらい。」(P228)である。
    ナイチンゲール伝を書くのにこの人が適任であったかは大いに疑問である。
    しかし、書き手としては嫌いではない。
    誰かの評伝を書くより、自分のことを書く方が向いてる人だと思う。アナキストで長渕剛好きだなんて面白すぎるもん。
    栗原康ファンには良いが、みんなにおすすめはできない。
    秦直也の挿絵がふんだんに入っており、それを見る価値はある。

  • 生身のナイチンゲールが垣間見える
    文体は若向き
    文字として読むよりも講談で聞くと面白いかもしれない

  • とつぜん神はやってくる:得体のしれない怪物 近代的な個人 神の声・神に仕えよ 神秘主義 超人 霊性 石鹸の泡=神の御心の象徴 目的なし・自分なし・空が青い 憑依としての看護:人民のなかへ クサい・汚い・はしたない だれもが隣人 神と自己無化 ヴェイユと絶対的受動性 つぎのキリストは女性:預言者 カイロス的・人間的とクロノス的・物理的 発明品 ハンマーをもった天使:クリミア戦争 まずは分析  黒衣だよ:死。いま。 近代医療・選択・ケアのロジック 運・身を賭ける:統計は神の啓示 国家にケアをうばわれるな

  • 2024.1.6 毎日新聞朝刊 内田麻理香 評

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/800826

  • 語り口がリズミカルで、一気に読了。

    ケアすることは、死すべき運命を持った身体に波長をあわせ、尊重し、慈しみ、楽しみさえすることなのだ「ケアのロジック」アマネリー・モル

    看護は魂に触れる革命だ!

    など、簡潔でパンチの効いた言葉が次々と繰り出され、ナイチンゲールは今でいうロッカーだなぁと思いながら読んでいました。

  • エンタメとして面白い。こんな伝記あったっけ?国家にケアを奪われるな。あっぱれ

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に『大杉栄伝 ―― 永遠のアナキズム』(夜光社)、『はたらかないで、たらふく食べたい ――「生の負債」からの解放宣言』(タバブックス)、『村に火をつけ、白痴になれ ―― 伊藤野枝伝』(岩波書店)、『現代暴力論 ――「あばれる力」を取り戻す』(角川新書)、『死してなお踊れ ――一遍上人伝』(河出書房新社)、『菊とギロチン ―― やるならいましかねえ、いつだっていましかねえ』(タバブックス)、『何ものにも縛られないための政治学 ―― 権力の脱構成』(KADOKAWA)など。

「2018年 『狂い咲け、フリ-ダム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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