- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784262154169
作品紹介・あらすじ
本書は、誰もが知る作品から、ちょっとマニアックな作品まで日本人ならあらすじだけでも知っておきたい文学作品を紹介、解説します。日本文学は一見まともに見えるけれど、実はとても「変」。日本でもっとも読まれている作品である、「こころ」(夏目漱石)だって変です。描かれるのは、「男女の三角関係」そして「自殺」なのですから。高校2年生の国語の教科書で扱う作品にしては極めて異質。にもかかわらず、なぜ、人々に愛され続けているのでしょう?(そして、教科書に採用され続けているのでしょう?)本書は「こころ」への疑問をきっかけに、さまざまな作品について、「恋愛」「宗教」「ファンタジー」といったテーマに分けて、45作品を紹介していきます。
感想・レビュー・書評
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題名は知っていても実は内容をしらない名作はたくさんある。この本を読み、改めて読んでみたいと思う作品がたくさん。とりあえず、吾輩は猫であるは読もう。
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教養として明治大正期の著名な文学作品は読んでおくべきだと思うが、学生時代に少しは読んだだけで放置状態。せめて概要だけ知ったうえで、面白そうなものは読むことに。この本はそんな目的に最適なものだ。
で、必読と思われるものは以下の通り。
・谷崎潤一郎 刺青 初期の傑作。刺青師が最高の素材(若く美しい女性)に彫り物を施したいと願う。著者の作品は後期の細雪等は読んでいたが、初期のものは読んでいない。
谷崎はその頃自身の映画の仕事や、西洋文化を好んだこともあり、横浜の本牧や山手に住んでいた。既読の物は全て谷崎が関東大震災後の神戸に移ってからのものという事になる。
・泉鏡花 高野聖 鏡花はずっと気になっていたが未読。高僧をも惑わす女性。その女に落とされた男は様々な獣に姿を変えられ、夜になると彼女を慕い周りに集まってくる。もし彼女に出会ったら生還する自信は皆無だ。
・内田百閒 贋作吾輩は猫である 漱石門下生の百閒が書いたこの本は、どこをとっても漱石以上に漱石で、文格が百閒に寄り添っているみたいとのこと。
・坂口安吾 桜の森の満開の下 7人の女房を持つ山賊が、また一人気に入った女をさらってきて女房にする。ところがこの女がとんでもない我儘人間で、衣食住を自分の思い通りにするわ、先の7人の女房は殺させるわ、彼女の希望で、都に移り住んでからは人間の首を持ってこさせて、その首で遊ぶわ、と、完全にサイコパス。
・漱石 こころ 何十年も前に読んだが、その時は人の心なんぞ良く判らなかった。今読めばきっと判るはず… -
あらすじ収録数がなんと40作。
近代文学作品を知るのにもってこいの本です。
この本自体が小説を載せているわけではなく、近代文学作品の概要を紹介している本です。
教養程度に著名な作品がどんな話なのかを知っておきたい人や、どれを読もうか迷ったとき、何から読んだらいいのか分からないときの作品選びの手引きとなる本。
あらすじをマンガで解説してあるので、明治期の、手を出しにくい文体の作品であっても読み始めるハードルをググッと下げてくれちゃう。
教科書に収録されている作品も複数あるので、中学生・高校生の勉強の助けになります。
さまざまなカテゴリーに分け、漫画とは別のコラムで時代の変化と作品や著者との関連も解説してあるので、時代と文学との関係性を読み取る助けにもなるかもしれません。
ただし!
結末がわかる解説なので、ネタバレが嫌な人は不向きかな。