平和の種をまく ボスニアの少女エミナ (いのちのえほん)

著者 :
  • 岩崎書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (44ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265006281

作品紹介・あらすじ

日本から眺めていたときは、あれほど遠い国だと思っていたボスニアで、つくづく実感したのは、「ボスニアの戦争は決して他人事ではない」ということです。民族の対立という点だけに目を奪われると、ボスニアのような多民族国家ではない日本には関係ない話、となってしまいます。けれど、著者が現地で学んだのは、どの国にも通じる普遍的な事実でした。

感想・レビュー・書評

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  • ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争後のボスニアで、民族の違いを超えて共同で生活している人たち。
    その中のエミナという少女の視点から写真と文で綴られた、今のボスニア。
    残された人の話だから切ない。

    巻末にボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の原因などが簡潔に載っている。

  • 三葛館児童書・大型本 E||IN||18

    ボスニアで戦争が行われたのは、少女エミナが生まれてすぐのこと。
    きれいな自然と少女の笑顔の写真を見る限りでは平和そのものですが、砲撃で壊された家を見ると、戦争の悲惨な状況がわかります。
    昨日まで隣り合って暮らしていた人が民族の違いによって敵同士になり、殺し合わないといけないなんて、考えられません。
    なぜ戦争が始まるのか、戦争にならないためにはどうすればいいのか、戦争について深く考えさせられる本です。
                                  (ゆず)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=55740

  •  現在のボスニア・ヘルツェゴビナの様子を 小学5年の少女の目から見た 写真絵本。 のどかな村の生活ではありますが、1992年のセルビアとの民族紛争の爪あとは、人々の心を深く深くえぐったままです。
     平和を訴える、こんな素敵な本があるのに、また、どこかで、紛争がくりかえされる。 世界で、そして、日本の周りも本当にさわがしい。 
     子どもたちに「どのように平和の大切さを伝えていこうか」、と毎日考えているが、そのまえに、大人に読み聞かせしなくてはいかんね。 
     小学4年国語上(光村・「ひとつの花」の単元)で「紹介」の本

  • 戦争のもたらすつらい現実を少女の視点からみた写真の絵本。とてもせつなくなりました。

  • 2011年度)6白

  • 戦争で分断された異なる民族が、コミュニティーガーデンでひとつの暮らしを営んでいる。数多くの写真とともに、そのようすが紹介されている。舞台はボスニア。
    複雑な歴史を持つ国に生まれたことが、人生に大きな影響を与える。その程度は、日本で暮らしていると想像に難いことがある。
    自分の生活の中にだって、日本の中にだって大変なことはたくさんある。それでも時々このような本を読んで、気にかけなければ忘れがちになる遠い国の大変さを知りたい気持ちになる。

    青少年読書感想文 小学校高学年の部の課題図書です。

  • この本では、戦争の苦しみと、平和の大切さを教えられました。
    今でも、地雷をふんで、被災した人もいます。
    少女エミナの問いがつたわってくるようです。なぜ、戦争があるのか、なぜ、平和が戻ってこないのか。
    わたしも、同じ問いがあります。だれか、答えてくれるといいな。

  • 2007年、小学校高学年の課題図書。

    「誰も戦争なんかしたくなかった。なのに、気がついたら、 始まっていた」

    この見出しに惹かれて手に取りました。

    戦争は他人事じゃない。
    戦争を起こさないために、何ができるかを問いかける、
    ボスニア戦後10年の姿をうつした写真絵本です。


    戦争の砲弾が飛び交うさなかだけでなく、その後の人々の生活や心に刻んだ傷跡と、それでも(だからこそ?)前向きに生きる人々の姿が描かれています。

    私は写真絵本の内容よりも、作者のあとがきに感じるものがありました。
    本論からは私は多くを感じ取れず、★3つにしました。

  • 仲良く暮らしていた隣人が敵になって戦わなければならない現実。民族主義が他民族排除に走るという怖さは、島国に住む私たちには遠い話しのように思えますが、世界中にはよくあるのですね。少女エミナが言うように、「いつかまた戦争になったら、ナダと戦うなんて考えられません。だって、ナダはわたしの友だちだもの。」、みんながそんな気持ちでいたら戦争は起こらない、そう信じたいですね。

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著者プロフィール

大塚敦子
1960年和歌山市生まれ。上智大学文学部英文学学科卒業。パレスチナ民衆蜂起、湾岸戦争などの国際紛争を取材を経て、死と向きあう人々の生き方、自然や動物との絆を活かして、罪を犯した人や紛争後の社会を再生する試みなどについて執筆。
『さよなら エルマおばあさん』(小学館)で、2001年講談社出版文化賞絵本賞、小学館児童出版文化賞受賞。『〈刑務所〉で盲導犬を育てる』(岩波ジュニア新書)、『はたらく地雷探知犬』(講談社青い鳥文庫)、『ギヴ・ミー・ア・チャンス 犬と少年の再出発』(講談社)、『いつか帰りたい ぼくのふるさと 福島第一原発20キロ圏内から来たねこ』(小学館)など著書多数。
ホームページ:www.atsukophoto.com


「2020年 『シリアで猫を救う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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