吉野弘詩集 奈々子に (豊かなことば 現代日本の詩 6)

著者 :
  • 岩崎書店
3.69
  • (4)
  • (5)
  • (2)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 29
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265040667

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  ほぼのーてんきに暮らしていますが、ごくまれに、人間関係で傷ついてダメダメのボロキレみたいになることも、あります。一番マズイのはボロキレ一歩手前で、相手のことをあーしてやりたくなったりこーしてやりたくなったり、もうブラック一直線なときです。そんなとき、心の奥底から浸み出してきて、傷を修復してくれるのが、吉野弘さんの詩です。おかげで今でも私は自分のブラックと無事お付き合いができていて、私のままでいられています。中学生の頃に教えてくれた人がいて、別に暗誦してたわけでもないのに、心に染み込んでたらしくて、ピンチになるとじんわり出てきてくれます。
     薬箱に、一冊。

  •  テレビで紹介されていた詩人の方で、図書館で借りて読ませていただいた。
     その番組の中では、あまりに直接的な表現が詩人の中では評価されない一因となったと説明されていたが、少しはわかる。「ぬけぬけと自分を励ますまじめ歌」や「犬とサラリーマン」などはあまりに直接的である。
     しかし、こうした詩こそこの方が描きたかったものだろう。なら、直接的でも、それは仕方ない。あるいは、当然のことだろう。

     テレビで見かけた「祝婚歌」と「夕焼け」には、やはり胸打たれるものがある。
     特に「夕焼け」がすくい上げているものは、なんと心優しいものだろう。少し涙がにじむ。
     また、「漢字喜遊曲」はどれも楽しくて、吹き出しながら読んでいたけれど、「惹」は卑怯だ。何を真顔で言っているのかと。

  • 再読というか再々読というか。詩人の死の報に接し、言葉を反芻する。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1926-2014 詩人。山形県酒田市生まれ。代表作は「夕焼け」「祝婚歌」など多数。校歌・社歌も多く作詞。詩集に『贈るうた』『夢焼け』『吉野弘全詩集』など。読売文学賞詩歌俳句賞、詩歌文学館賞受賞。

「2015年 『吉野弘エッセイ集 詩の一歩手前で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉野弘の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×