光の河

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784267019654

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  • 歌人・道浦母都子氏の小説。
    自伝的小説なのか? 結婚、離婚、そして再会、愛。
    現実にはひとつになれないふたりを結びつけるもの、それは被曝による癌。
    ひとりは広島。そして、もうひとりはチェルノブイリ、福島で。
    ひとりは、癌によってだんだん弱っていく。そしてもうひとりはインドに旅たち生を捜しつづける。
    結構動きがある筋書きなのだが、文章は一環して淡々としている。ふたりの生の流れを書き留めているが、小説としての結論はない。

  • 人生は旅。
    人生は誰でも渡る橋。
    私は自分の死にさえも愛を感じる。

     旅路の先で・・・人間の「根源」に迫る。
     歌人、道浦母都子が綴る長編小説。

     歌人、遙子は不安に苛まれていた。
     思い返せば波乱の人生だった。
     大学時代の学生運動での逮捕。短歌の道を志すが、夫との不和で離婚。
     ヒロシマの地で出会った人々。歌人として目の当りにしたチェルノブイリ。

     偶然再会した ―― 自分は気付かずにいたが、恐らくは愛していたであろう ―― 男性から「被曝二世」で甲状腺ガンの末期だと告白される。

    「あなたを愛してもいいのかしら」

     そして、東日本大震災と福島の原発事故。やがて遙子は“彼”と同じ甲状腺ガンに。
     これは運命なのか――、それとも……。

     貴方に、届けたい「歌」がある。ヒロシマ、チェルノブイリ、そして福島。

     「核」の歴史に翻弄された女性歌人が歩んだ道。
     生きるとはなにか――。死とはなにか――。
     自らの「いのち」を見つめ、遙子は仏教生誕の地インドへと誘われる。
     ガンジス、そこで彼女が見たものとは――。

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著者プロフィール

1947年和歌山市生まれ。大阪の北野高校時代に「朝日歌壇」に投稿の1971年に近藤芳美を訪ね、80年12月、全共闘世代の心情や理念を率直に歌った歌集『無援の抒情』を刊行、世代を代表する歌人として注目を集めた。81年、同集により第25回現代歌人協賞受賞。その後歌集は、『水憂』『ゆうすげ』『風の婚』『夕駅』『青みぞれ』『花やすらい』『はなぶさ』を刊行、その他の著書に小説『花降り』『光の河』、エッセイ『百年の恋』『たましいを運ぶ舟』などがある。

「2017年 『歌集 花高野 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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