500人の町で生まれた世界企業 義肢装具メーカー「中村ブレイス」の仕事
- 武田ランダムハウスジャパン (2009年2月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784270004685
作品紹介・あらすじ
乳房・手足などを失った人々が新しい"体"を求めて島根を訪れる。故郷「石見銀山」を愛し、世界中を幸せにする中村俊郎の技と夢。
感想・レビュー・書評
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義肢装具の仕事の内容のお話かと思ったら 石見銀山登録のお話でした
利欲ばかりを考えたりせずに 技師としても経営者としても向いていたのだと思う
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「日本で一番大切にしたい会社」にも登場した石見銀山近くの田舎町にある義肢装具の専門会社。
経営者本人でなく、取材を重ねたライターの手によるものなのでけっこう客観が入っている感じだが全体的に礼賛している方向性なのは間違いない。いや、確かにすごいことやっていると思うけど。
ただ、会社の話と石見銀山の話とか地域貢献に関わるところは明確に分けるべきだし、少なくとも第三者の書籍として同列に並べるものではないような気がしました。 -
★本当のグローカル企業★正直なところ本の内容というより、主人公である中村ブレイス社長の中村俊郎社長を早くから取り上げたことに感服する。中村ブレイスは、石見銀山のある島根県大森町という田舎町にある義肢装具メーカー。僻地でビジネスを成功させ、利益から自費で町の建物を整備する。こんな人がいたから石見銀山が世界遺産になったのだろう。さびれるばかりのほかの旧鉱山町からすると、うらやましい限りだ。
実際に行って分かったが、通常ではビジネスが成立するとは思えないほどアクセスの悪い場所だ。乳房や欠けた指の修復のイメージが強いがこれはもうけはほとんどなく、事業の核は靴のインソールやコルセット。独自の技術で立地の不利を克服。海外で技術を磨いたこともあり、会社が大きくなる前から海外に目を向けて特許も取っていたことが、現在につながったのだろう。客があるときには会社の玄関前で待つ社長は、物腰も顔も素晴らしい。 -
中村ブレイスの社長がすごい
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島根県の地方で世界を相手に義肢装具を販売している中村ブレイス。 カンブリア宮殿でも紹介され、地方の中小企業ながら世界に通用する技術を持っていることに感銘を受けた。 社長である中村氏の生い立ちから、義肢装具メーカーを立ち上げる経緯、そして中村氏のこの仕事にかける情熱を十分感じ取った。 また中村氏の功績は仕事の面だけでなく、石見銀山の世界遺産認定に一役も二役も買っており、これが本書の中のもう一つのストーリとなっている。
自身の企業を発展させ顧客に好評を得ているだけでなく、地元の発展という観点から、地方自治体とは違った切り口で大きく貢献している点は、本人の地元に対する思い入れがあるからであろう。 また、別の商品ならば違った状況になるのであろうが、義肢装具という商品自体が、一般品ではなく個々に合わせた商品なので、会社が地方にあっても立地条件的には問題なく、優位性を維持できている。 当然、同じことは出来ないだろうが、過疎化に憂う地方を活性化すべく、気概のある人材が地方からどんどん表に出てきて欲しいものだ。