500人の町で生まれた世界企業 義肢装具メーカー「中村ブレイス」の仕事

著者 :
  • 武田ランダムハウスジャパン
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本棚登録 : 38
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784270004685

作品紹介・あらすじ

乳房・手足などを失った人々が新しい"体"を求めて島根を訪れる。故郷「石見銀山」を愛し、世界中を幸せにする中村俊郎の技と夢。

感想・レビュー・書評

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  • 義肢装具の仕事の内容のお話かと思ったら 石見銀山登録のお話でした

    利欲ばかりを考えたりせずに 技師としても経営者としても向いていたのだと思う

  • 「日本で一番大切にしたい会社」にも登場した石見銀山近くの田舎町にある義肢装具の専門会社。
    経営者本人でなく、取材を重ねたライターの手によるものなのでけっこう客観が入っている感じだが全体的に礼賛している方向性なのは間違いない。いや、確かにすごいことやっていると思うけど。
    ただ、会社の話と石見銀山の話とか地域貢献に関わるところは明確に分けるべきだし、少なくとも第三者の書籍として同列に並べるものではないような気がしました。

  • チェック項目21箇所。乳がん等の切除による人口乳房の開発・・・女性らしさ。切除の意味の重さの理解。男性の7割は命が助かるなら切除。女性の9割は温存療法。乳房は女性が女性であることの象徴。誇り。「僕は気にしない」・・・自分の身体は自分のもの。切除について心まで傷つけられる。心まで補うのがこの会社の仕事。義足等、新しい素材を使いこなすには技術が必要。つけた人が使いこなすのは大変。技術は見て盗むもの。暗黙知→形式知。参考にするならヨーロッパ。日本は古い伝統を持つ。地域ごとに異なる歴史、芸能、食文化。長持ちするいい製品を作ることで信用ができてくる。丁寧な物作り。社長は決断するのが仕事。ルーティンワークは社員に任せる。人と同じことはやらない、やれない。苦しいときこそ笑顔。

  • 下手なビジネス書よりも感銘を受ける内容だった。人としての魅力もそうだが、目的が明確な経営スタイル。ここに至るまでに迷いはありながらも、正しく選択出来たのは、やはり人柄なのだろうか。しかし石見銀山の世界遺産にも関わっていたとは知らなかった。

  • ★本当のグローカル企業★正直なところ本の内容というより、主人公である中村ブレイス社長の中村俊郎社長を早くから取り上げたことに感服する。中村ブレイスは、石見銀山のある島根県大森町という田舎町にある義肢装具メーカー。僻地でビジネスを成功させ、利益から自費で町の建物を整備する。こんな人がいたから石見銀山が世界遺産になったのだろう。さびれるばかりのほかの旧鉱山町からすると、うらやましい限りだ。
     実際に行って分かったが、通常ではビジネスが成立するとは思えないほどアクセスの悪い場所だ。乳房や欠けた指の修復のイメージが強いがこれはもうけはほとんどなく、事業の核は靴のインソールやコルセット。独自の技術で立地の不利を克服。海外で技術を磨いたこともあり、会社が大きくなる前から海外に目を向けて特許も取っていたことが、現在につながったのだろう。客があるときには会社の玄関前で待つ社長は、物腰も顔も素晴らしい。

  • 中村ブレイスの社長がすごい

  • 島根県の地方で世界を相手に義肢装具を販売している中村ブレイス。 カンブリア宮殿でも紹介され、地方の中小企業ながら世界に通用する技術を持っていることに感銘を受けた。 社長である中村氏の生い立ちから、義肢装具メーカーを立ち上げる経緯、そして中村氏のこの仕事にかける情熱を十分感じ取った。 また中村氏の功績は仕事の面だけでなく、石見銀山の世界遺産認定に一役も二役も買っており、これが本書の中のもう一つのストーリとなっている。

    自身の企業を発展させ顧客に好評を得ているだけでなく、地元の発展という観点から、地方自治体とは違った切り口で大きく貢献している点は、本人の地元に対する思い入れがあるからであろう。 また、別の商品ならば違った状況になるのであろうが、義肢装具という商品自体が、一般品ではなく個々に合わせた商品なので、会社が地方にあっても立地条件的には問題なく、優位性を維持できている。 当然、同じことは出来ないだろうが、過疎化に憂う地方を活性化すべく、気概のある人材が地方からどんどん表に出てきて欲しいものだ。

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著者プロフィール

岩手県生まれ。早稲田大学文学部日本文学専修卒業。佛教大学大学院仏教文化専攻修士課程終了。ノンフィクション・ライターとして、人物インタビューやルポ、書評などを執筆。『実践する!仏教』(すばる舎)『共に在りて』(講談社)ほか。児童書に写真絵本『マリモを守る。』『お月さまのこよみ絵本』(理論社)『大切な人は今もそこにいる』(理論社)は読書感想画の指定図書に選ばれる。

「2023年 『遠くの人と手をつなぐ SOSの届け方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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