本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784270102114
感想・レビュー・書評
-
以前にも立川志らくの小説を読んだのですが落語家さんの著作って、当然面白いですが話の流れが物凄くスムーズで言葉遣いは的確で軽いタッチで書かれているのですが奥深い拡がりを感じる書き方を心得ていらっしゃる様に思います。
今回も前回同様に立川談志の弟子である立川談四楼の著書を読んでみたのですがやはり肯きの一書でした内容は志らくの著作同様で落語家(真打)への道のりを師匠や弟子仲間あるいは業界内での働きをこつこつと積み重ねる如く綴られているのですが、
共通して面白いのは師匠談志の豪快奔放過ぎる行動に弟子が文句言いながらでも”修行”の一言で追随して行くシーンです。
有名な事件ですが、以前落語協会には真打試験(落語家としてプロ認定の様なもの)を実施しており審査員は各門下の師匠や重鎮ですが82年の試験で立川門下が落とされ理不尽な審査基準に師匠がキレて協会脱退した事件です。
世間では談志の身勝手な行動暴挙協会否定とか散々叩かれましたが我関せずで淡々とその後は寄席ではなく様々な場所で独演会等を実施し弟子も次々と育成し立派な師匠と我慢強い弟子によって新しい落語の世界を展開してきたその行動力と先見性に感動しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
談四楼師匠の作家デビュー作。後年の小説群に比べるとやっぱ“若書き”は否めないけれど、談志一門が協会を脱退する原因となった顛末が小説として楽しめる。「寄席を知らない世代」談春さんの「赤めだか」と比べながら読むと状況がより立体的に。
全2件中 1 - 2件を表示