スリー・パインズ村の無慈悲な春 (RHブックス・プラス)
- 武田ランダムハウスジャパン (2011年5月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (616ページ)
- / ISBN・EAN: 9784270103845
作品紹介・あらすじ
美味しいビストロと居心地のいいB&Bで休暇を過ごすためにスリー・パインズ村にやってきた占い師ジャンヌ。ひょんなことから降霊会を開催するように頼まれてしまった。場所は美しく穏やかなこの村で唯一の邪悪な場所、丘の上にある旧ハドリー邸。イースターの聖なる日曜の晩、興味本位で集まった村人たちの前で、死者を呼び出す儀式が始まったが…。ケベックの伝説的警部ガマシュが今回も大活躍。好評シリーズ第3弾。
感想・レビュー・書評
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20111102
今更気が付いたけど、作風がけっこうフランスっぽい。
訳の仕方かな?
もしかしてガマシュがメグレっぽいのかも。
アルノー事件、引っ張るなぁ…と思ってたけど、ここでひとつの決着が!
ひとつのテーマなのだけども、重い、改めて重い。切ない。
そしてガマシュ強い笑
ブレブフ、ニコル、ルミュー、ボーヴォワール、ラコステ、それぞれがそれぞれの思いを抱えて。
事件も、そういう人がいるなぁぁぁといった感じ。
なるほどね。
熊の例えが暗示的だったね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ガマシュ警部シリーズ第3作。
いわくつきの旧ハドリー邸で行われた降霊会で、参加者のひとりが心臓発作を起こして亡くなってしまう。体内から禁止薬物が見つかったことから殺人が疑われ、ガマシュ警部の捜査が始まる。
いつにも増して人の心の光と闇がみごとに描き出されている。本筋とは関係なく散りばめられた村人たちのさまざまなエピソードが印象的で、物語に奥行きを与えている。毎回登場する変わり者の詩人ルースのファンになってしまった♪ 前作で少し触れられていた警察内部の問題も絡んで、読み応えじゅうぶん。 -
休暇でスリー・パインズ村にやってきた占い師が開いた降霊会で1人の女性が死んだ。
事故なのか、事件なのか?
ガマシュ警部とそのチームが捜査を始める。
今回の柱は2本。
誰からも愛されていた女性の死の謎と、ガマシュ警部への敵対勢力の暗躍。
どちらかと言うと後者に重きが置かれて、地味な事件捜査というこのシリーズの読みどころが物足りなく感じたような…。
伏線の張り方とかは相変わらず見事なんだけどね。
それでもシリーズの中では一番読みやすかったのは、キャラに馴染みができたせいかもしれない。
それを踏まえての展開もきちんと描かれていて、その分作者は他のところにも手が伸びてしまったんじゃないかと思ったり。
あと今回は特に料理描写が美味しそうだったなあ。
ガマシュ警部の背景も描かれて、次作が楽しみだ。 -
ガマシュ警部シリーズ3作目。ガマシュが内部告発しそのために警察内部に敵を作ることになってしまったアルノー事件とはいったいなんだったのか、初めて全貌が明らかになります。アルノーの残党とガマシュの身を削るような戦いと、スリーパインズ村で起きた「恐怖」による殺人の謎解きとが、平行して進みます。今回は全体的に暗い雰囲気でしたが、偏屈なお婆さんで有名な詩人のルースのエピソードがちょうど良い緩衝材のようになっていて思わずにっこり。次の作品が訳されるのが楽しみ。大変面白かったです。