新装版 子どもの絵の見方、育て方

著者 :
  • 大月書店
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本棚登録 : 115
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272411450

感想・レビュー・書評

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  • 1歳〜小学校低学年くらいのお子さんがいる方や、幼稚園・保育園・小学校の先生にオススメの本。

    本書の39ページで紹介されていた「さつまいも掘り」の絵は、園児がお芋のヒゲに驚いたのか、一生懸命にヒゲをたくさん描こうとしている意識が絵から伝わってきて微笑ましかった。実物の観察や体験の喜び、心情の変化を絵で表現する大切さを感じる内容だった。
    反対に、大人の絵を模倣したキャラクターのような人物も同じ絵に描かれていた。一見綺麗に見え、つい褒めてしまいそうだが、心がこもっていない雰囲気だった。絵を褒めるとしたら、「さつまいものヒゲ」の部分のような気持ちがこもった箇所にフォーカスするのが大切のようだ。

    最近、子ども向けの「絵がうまくなる本」で、イラストのヒナ型を子どもに教え込む内容を拝見した。実物を見ずに線をトレースのが絵の本質ではないと違和感があったが、本書で紹介されているように子どもの気持ちの表現が何より大事との事で腑に落ちた。

  • 子どもの絵の描き方と大人の絵の描き方は違うため、大人の描き方を押し付けないという点はとても納得が行った。
    が、この絵は大人の絵を押し付けられた絵(評価は良くない)、この絵は子どもの感動が描かれている絵(良い評価)の基準が分からない…子どもの感動が描かれている絵も、いかにも日本人の子が描いた絵で、外国の子ならこういう絵にならないだろうと思うと、何か外側からの描く基準に当てはめて描かれているように思えた。

  • 幼児期の絵を、どのように見ればよいのかが書かれている本です。子どもの絵の発達段階が分かり、大人の感覚で判断する「上手い・下手」とは違う見方が分かります。
    大人の絵の描き方を教えると、子供らしい創造性が減ってしまうことが分かりました。子どもに絵をもっと描いて欲しくて(もっと絵を上手く描けるようになって欲しくて)、色々やることを辞めようと思いました。

  • 以前から読みたいと思っておりようやく読めた。
    印象に残った点は以下。

    ・子どもの絵は「聞いてやる絵」である。
    ・心を込めている部分、そうでない部分がある絵
    ・手の柔軟さが大切
    ・サルも絵を描く
    ・一人では描かない子ども、社会性の発達によるもの。ー
    ・描く環境を保証することが大切
    ・学習指導要領のせいで受難の絵が生まれている

    上手な絵ではなく、年齢に相応しい感動が込められた絵が素晴らしい、という著者のポリシーになるほどと思わされた。
    絵の発達にも早い遅いがあり、適切な親の導きが必要なのかと考えていたが、描く環境を保証し、絵を教え込まないのが大事だということを学ぶことができた。

  • モンテ教育をしている方から知った本だからというのもあると思うけど、モンテの考え方に通じることがあったり、その他これまで読んできた子育て本で得てきた重要なポイントがやはり同じように出てきて、ふむふむふと思った。子供をよく見て、発達段階にあった遊びをさせること。それが子供の仕事であること。自然の中でよく遊ぶこと。手指をよく使うこと…(それもその子の発達の順序を見て)

    と、子育ての大枠について心を強くしたところはあるのだが、ではどうしたらいいのか、の点があまり書いておらず、その点が消化不良。まさに今我が子は受難の絵を描いているように思うが、実際どうしたらいいのか。他の本も読んでみようと思った。

    人の進化の過程が子供の成長過程に繰り返されること。つまり発達には必要な順序があるということ。

    インスタの教育熱心ママさんたちを見ては焦って、文字を教えることを焦ったり、ワークとかさせなしゃいけないのかしら…とか思ったり、早く大人のようなことをさせようとしたり、そういうのが本人の発達にとって非常にネガティブであるということを改めて。自然の環境に飛び込めるチャンスを与えてやること、家の中の環境を整えること、意欲を育てること、とにかく彼女自身をよく見て、焦らずに…

    って本の感想なのかこれは?

  • やっと、やっと読み終えることが出来ました!!(たぶん購入して5年くらいたってる)

    3歳のところに「すべての子どもが同じ題材を表現するとは限らない」「形式主義に傾きがちで、教育の制度化や評価もしがち。発達心理学は必要だが、心理学の尺度で子どもの個性をすべて画一的に律することは、許されるべきではない」というような旨のことが書かれていました。
    発達の順序を念頭に置きつつ、一人ひとりをしっかり見なさい という事ですね。

    紹介されている絵の発達順序や、そのもとになる体や心の発達については、とても勉強になる一方、私はこの方の文章がとても苦手らしく、合わなかったなと感じました。

    ただ!小学校一年生の学習指導要領をよく読め!(そして気づけ!)っていう最後の最後の部分、とても面白かったです。なるほど~っていう感じ。通りで。

  • 図書館で借りた

  •  私が読んだのは、1985/06出版のものです。

     私も図工の授業をした年がありますが、子どもの絵を見て、指導する(育てる)というのはなかなか難しいものです。もっと早くこの本に出会っていれば、私の授業も、もう少し違ったものになっていたでしょう。残念。

     本のタイトルを見ると絵だけの話のように感じますが、実際には子どもの成長、発達、それから意欲や感情にまで触れられていて、子どもの成長をトータルでとらえた教育書という感じがします。かなり読み応えがあります。

     特に、目で見る子どもの絵の発達ということで、誌上展覧会と題して、1歳から9歳の子どもの絵が、一つ一つ紹介されているところはとても面白いです。この絵のどこがいいのか、どこに問題があるのか、ずばりと指摘しています。

     教育関係者はもちろんですが、子育て中のお父さん、お母さんにも、一読をお薦めいたします。

  • 正直「こういう絵を描かないからこの子は問題だ」みたいな感じで子どもを診断しちゃうのは危険。絵よりもまずその子どもを見なくちゃ。だから楽しんで読んで、自分の子を見て不安になる必要はないですから。

  • 目で見る子どもの絵の発達では、1才〜9才までの子どもの絵を教育的表現で紹介☆

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