破滅者/グレン・グールドを見つめて

  • 音楽之友社
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784276214125

作品紹介・あらすじ

この小説「破滅者」は、グレン・グールドの死とそのグールドが死の直前まで取り組み続けたとを発端として、まさにそのをとおしてその生と死に思いを馳せる思索の、下降する音型を定旋律とする思索のなのである。

感想・レビュー・書評

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  • 虚構のグレン・グールド像。彼に破滅者と名指された友人ヴェルトハイマーがなぜ死に至ったか、グレンとヴェルトハイマー2人の友人をなくした語り手の思考の流れが、筆致は穏やかながらほとばしる勢いでのめりこむ迫力があった。読みやすさから、訳者が段落分けしたとあるが、もとはほとんどが改行なしで書かれているとか。うーん、そちらの方がよかったのではないかなあ。ベルンハルトはことごとく絶版で、残念。

  • (後で書きます。作品の大半を占める行きつ戻りつの回想から最後の数十ページ、私が動き始め、私以外の声がにわかに導入されてゆき、印象的な最後の一文に至るまでの展開がすばらしい)

  • 伝記ではないそうです。最後の解説で、小説自体がゴルトベルク変奏曲の構成に則っていると述べていて、そんなん説明してもらわないと分からんー!!と思った。作者はもと音楽家。話の筋は…いつもの彼調で…

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著者プロフィール

Thomas Bernhard, 1931-1989
20世紀オーストリアを代表する作家のひとり。
少年時代に、無名の作家であった祖父から決定的感化を受ける。音楽と演劇学を修めつつ創作をはじめ、1963年に発表した『凍』によってオーストリア国家賞を受賞。一躍文名を高める一方で、オーストリアへの挑発的言辞ゆえに衆目を集めた。
以後、『石灰工場』『古典絵画の巨匠たち』『消去』『座長ブルスコン』などの小説・劇作を数多く発表。1988年に初演された劇作『英雄広場(ヘルデンプラッツ)』でオーストリアのナチス性を弾劾するなど、その攻撃的姿勢は晩年までゆるがなかった。
1975年に発表された『原因』のあと、『地下』、本書『息』、『寒さ』、『ある子供』が続けて刊行され、自伝的五部作をなした。1989年、58歳で病死。

「2023年 『息 一つの決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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