今日、ホームレスになった: 13のサラリーマン転落人生

著者 :
  • 新風舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784289005147

感想・レビュー・書評

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  • パンフ作業をしている学館の部室にあったのを、パンフの仕事そっちのけで読破してしまった。
    呼んで恐ろしい話が満載だ。もうこれからは迂闊にオワタなんて言ってられない(と思う)。

  • 1

  • 大卒、元ホワイトカラーがリストラや事業失敗を契機に借金まみれでホームレス生活に「転落」する。中には、金儲けに目がくらんだり、身の丈に合わない生活を続けて取り返しがつかなくなったりする「それは自業自得では…」と思えるひともいるのだが、単に運が悪かっただけで、自由業のワタシには「明日は我が身だな」と考えさせる事例もあった。最後にでてきた若者は、ホームレスでないのに何故載っているのかが非常に気になったが、おそらくこうした若者(働く意欲がもともとあまりなく、それでいてお金には執着する)が増加傾向なのだろうな、とは思った。そのへんを続編では扱っているのだろうか。

  •  妻が図書館で借りていたのですが、ちょっと内容が気になったので読んでみました。
     2006年発行の本なので、紹介されている多くは、バブル崩壊を契機としたリストラ等で失業した方のレポートとなっています。もちろん、インタビューに登場する13人の方々のケースの一部には「自己責任」と言わざるを得ないところもありますが、とはいっても100%本人に非があるわけではありません。
     帯には「自分が彼らのようにならないという保証はあるのか」とありますが、「不況」の底深さが痛切に伝わってきますね。

  • ホームレス自立支援法のかいがあってか、最近は東京でもそんなに見かけることのなくなったホームレス。「ナンデホームレスニナッタノダロウ?」と思っていた。
    自分とはまったく無関係だと思っている人へ、誰でも起こりうる恐怖としての警告本かもしれない。
    「仕事がない・できない」という意味では、ただ家の無い中年ニート(ニートの定義では34歳まで)であり、より身近な社会問題であることを認識する。

  • 人生なんていつどうなるかわからないと実感した。
    いつのまにか転落してどうしようもなくなる。
    それは他人事ではないよなぁ。

    2012.4.30読了

  • 普通の人がある日突然ホームレスになるという現実。
    決して特別なことではない。
    ホームレスになって人生をあきらめてしまう人、もう一度と頑張る人、それぞれに違いはあるが、他人事ではないと感じる。
    ホームレスを生み出す社会の状況・経済の動きなどにも注意しながら読んでいくとなるほどと思うところもある。
    ホームレスとなる以前の生活を考えると、特別なことではない。
    時にはドキッとする場合もある。
    経済の動き、社会の状況、あるいはまたタイミングなども影響してくるのだろうか・・。

  • ホームレスたちへのインタビュー集。エピソードの堀り下げがやや食い足りないが、路上生活の詳細よりも、普通の生活から滑り落ちて行く過程や、ホームレスたちの前歴から、それぞれの業界の抱える事情が浮かび上がり、社会の縮図としても読める。

  • 自分が失業中だったころはまだ若かったから、気軽に無職やっていたけど、もうそうはいかないな。これ読んであらためて再就職は無理だと思った。
    数か月に1度、今の仕事辞めて再就職しては後悔する夢を見るが、覚めたあとはこの本の読後感と似ている。簡単に離職するなといっているようで。

  •  社会の最底辺の階層を「ホームレス」と名づけたことは、それほどに居住が保証されていることが重要であるということの裏返しである。
     制度的な問題として、住所がないと生活保護が受けられないという問題がある。ゆえに、セーフティネットーの上で生活していくには住むところが不可欠である。
     インタビューを受けたホームレスの転落のきっかけは、不景気やテロなどの外的要因であるが、多くのホームレスで住宅ローンを組んでいたという事が共通している。あえてそういう人を選んだかのように。
     ホームレスから抜け出すためには家が必要、しかしホームレスになるためにも家が必要だというのはなんとも滑稽であり、家を他の商品と同等に扱うことの危うさを感じる。


    本書は2006年に上梓されたもので、登場するホームレスはバブル時代を生きた中高年層。その後の不景気の影響で学生も就職難だったから、喧嘩両成敗といったところなので中高年層が首を切られる代わりに若者が就職できるという現実もあるため、リストラなら全然歓迎したくなる。 「給料は新卒並でいいんで!!」って食い下がっても無理なんだろうか。たぶん無理だろう、年功序列の給与体系なら。

     高度経済成長で積み上げてきたへんな自信やプライドが邪魔してリストラされる。そのプライドを捨てられたら、家が無くたって生活することができる。雑誌拾いや粗大ごみあさりで1日6000円なんて現金収入があるホームレスもいる。もっと早くプライド捨ててればよかったのにね。

     ここに出てくるのは、まともな会社勤めからホームレスへと転落した人たち。営業職やホワイトカラー職が多かったような気がする。転落のきっかけは不景気やテロなどの外的要因と、住宅ローンを組んでいるという事が共通している。あえてそういう人を選んだかのように。収入源が無なくなってしまい、にも関わらずローンの支払いは毎月やってきて、持家を売却してローンの残りを返して、なんだかんだで路上へ転落。それなりの蓄えだってあったはずなのに、生活レベルはなかなか下げられず転落。この持ち家売却の時期に決まって離婚している。女はホントに薄情だと思う。その離婚した元奥さんはちゃんと生き延びているんだろうか、路上ではあまりみないけれど。

    「ああなったら終わりだな」とホームレス見下していた人たち。自分だって常日頃から見下している。というか、ちゃんと存在を意識しないと彼らが空気みたいに見えなくなってしまうから、あえて見つめている。あえて見下している。
    ホームレスは目がうつろで羞恥心とかが無いように見えるけど、あれはホームレスになってから出来上がった姿であって、身の回りにいるホームレスの中にもまともな元部長とか元社長とかが混ざっている。そこから徐々に心が崩れていく。
    あの、真っ黒な体で駅に横たわっている人たちは確実に私の延長線上にいるのだ。

     この本を読むと、住宅ローンってほんとに恐ろしいと思う。ローンさえ組んでいなければ、もしかすると狭いながらも住む場所があり、住所があるから生活保護も受けられ、なんとか再就職できたのかもしれない。
    不況は自分じゃどうしようもできない。真面目に働いていたからと言ってリストラされないとは限らない。この本で学んだことは住宅ローンは組まないってこと。政策的側面があるから住宅ローンは超ロングで低金利だけど、騙されちゃいけない。

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著者プロフィール

1961年生まれ。1980年都立中野工業高校卒。
ルポライターとして取材活動を続けながら、現在は不動産管理会社に勤務。
2003年よりホームレス支援者、NPO関係者との交流を持ち、長引く不況の現実や深刻な格差社会の現状を知り、声なき彼らの代弁者たらんと取材活動を行う。
著書に『今日、ホームレスになった』『今日、ホームレスになった 平成大不況編』『今日、派遣をクビになった』『今日から日雇い労働者になった』『今日、会社が倒産した』『本当にヤバイ就職活動』『今日からワーキングプアになった』『貧困のハローワーク』『今日、借金を背負った』『今日、ホームレスになった 大不況転落編』(いずれも彩図社)、『不況!! 東京路上サバイバル─ホームレス、28人の履歴書』(恒友出版)、『仕事がない!―求職中36人の叫び』(平凡社)、『ホープレス労働─働く人のホンネ』(労働開発研究会)がある。

「2023年 『お金がありません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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