マーケティングプロフェッショナルの視点 明日から仕事がうまくいく24のヒント

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296102587

作品紹介・あらすじ

P&G、ユニリーバ、ダノン、資生堂……
先進企業でマーケティング部門を育成・指揮してきた著者が
ビジネスを成功に導くプロマーケターの“共通言語"をやさしく解説

技術による差異化が難しい今、企業が持続的に成長するには、
顧客視点に立ったマーケティング戦略を立案・実行できる人材が必要です。
その第一歩が、マーケティングのプロフェッショナル=プロマーケター
だけが知る“共通言語”を学ぶこと。

マーケティングとは何か、ブランドとは何か、競合とは何か、
戦略を構成する目的と資源とは何か──。

商品開発、広告宣伝、営業・販売といったマーケティング関連業務に携わる
すべての人が「共通認識」を持ち、ブランドの定義書やマーケティング実行モデルを
定めてマーケティング戦略を遂行する必要があります。
また、最終利益を超える額のマーケティング投資をする企業が多い昨今、
この“共通言語”は、経営陣にとっても必須です。

本書では、P&G、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、日産自動車、
資生堂など25年以上にわたりブランドマネジメント、マーケティング組織構築、
CMO(マーケティング最高責任者)などの経験を積んだ筆者が提示する
24の問いを通して、それらの“共通言語”を学ぶことができます。

<プロマーケターの常識、あなたは答えられますか?>
「万年筆」の競合とは何か
「いいクルマ」とは何か
「あの化粧品が欲しい」と思うのはなぜか
トップシェアが交代するのはどんなとき?
「ブランド」=「利益」になるのはなぜか
マーケターのスランプ脱出法は?
「論理的な意思決定」を組織に浸透させるには……

感想・レビュー・書評

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  • マーケティングに対して感覚的に向き合ってきた人にもワードの暗記ではなく本質的な意味合いで説明してくれる本。ブランドとは意味であることを理解したうえで、深いブランド論発展へのきっかけになる本。

    メモ
    ・映画の競合は野球観戦。時間を奪うもの。携帯電話が高校生に普及しはじめたときの競合はカラオケ。社交わとる場としてカラオケから携帯電話へ移行が走った。
    ・いい大統領は毎回定義がかわる。今の大統領への不満が強まったとき、いい、の定義がかわり大統領交代などにつながる。
    ・属性の順位転換ができることが競争につながる。
    ・ブランディングはブランドの意味の確立が必須。商品=製品➕ブランド
    ・ペルソナはブランドの一貫性を保つ像のため、絞ることはいいこと
    ・技術や機能は消費者の期待を具現化するものだということを忘れてはいけない
    ・リピートにつながらない新規顧客は有害。リピートにつながってこその新規顧客である。
    ・その活動がある場合とない場合でどんな違いを生むかが、プロジェクトの定義である。
    ・大枠の目的、kgiのようなものを解釈し直してわかりやすい目標になおすと理解しやすくなる
    ・考えてから行動する方が圧倒的に効率的だ

  • マーケティングの基本概念であるSTP、4Pと言ったものではなく、実務でマーケティングを考える上で必要なことは何かを教えられるような本であった。読み応えはあまりない。

    学びとなったのは、
    ・視点を変えれば市場も変わり、競合も変わる
    例:ネクタイは万年筆の競合、ギフト市場
    ・優位に立っている属性の順位を変えて市場を作り、優位に立てる
    ・上司なら何を言いそうか?上司ならどう考えるか?という視点を持つことで違う側面が見えて来る、この視点を持つことで視座を高められると思った
    ・人は人に興味があり、他者との関係性の中でモノやサービスを選択している、そこで受けている影響やその人の背景を考えることが重要、人に興味を持ち洞察することは、マーケティングに限らず大切であると思った

    その他、ブランドを構築していく組織に必要な要素などが書かれている点が参考になった。

  • 読みやすかった

  • 共通言語、とくにマーケティングにおけるというところで、実務者が読んでどう気づきを得られるかってところかなと感じた。

    いくつか面白いところでは、
    パーチェスファネルもいいけどエレベーター的に下からみていくのもいいよとか、
    自分のコピーを作れる形式知=アウトプットは大事(自分が楽できたり、パフォーマンスが出ない時のチェックになる)とか。

    戦略は目的+資源というのも面白く、とある本では目的は変わるので設定しないなんてのもあったけど、色々な考えがあって面白いところ。資源リソースをどう使っていくか、その資源があれば強いし、目的が明確でぶれないならやはり強いともいえる。

    日経BPのコラム的な感じか、24本あるけど、体系的にこれって感じはしなかったので、あとは読者が求めること次第かなというところ。

    音部さんの別記事が面白かったのだけど、基本的にテンションはそれと変わらずでいいかも。ということで、ばばっと読んでみて自分の視点に欠けていたり、面白そうな知見を得るって感じかなと。

  •  意外と馴染めなかった。


     新市場を創造するから競合はいない、と考えるとこのような競争関係を見誤ってしまう。こうした潜在的な競争相手を「ソース・オブ・ビジネス」と呼ぶが、不明確なままでは効果的な競合対策を立案しにくい。反対に、もし分かっていれば、効果的に対応策を用意できるだろう。

     マーケティングとは市場創造。最も重要な役割は属性の順位を転換して「いい〇〇」を定義すること。
     ブランドとは意味。ブランドとは意味であり、ブランディングは意味づくり。その過程で重要なのはパーセプション、つまり認識や知覚。市場創造もブランディングも認識管理が必要。

     戦略とは、「目的達成のための資源利用の指針」と解釈すると、その立案、実行、改善においても理解しやすい。

    ■資源を獲得する2つの方法
    1活用できていない資源を見つけて活性化する
     一段階深く考えてみたり、競合製品の優位点ではなく単純な「差」を見て強みに転換する方法を考えたりする。
    2基礎的な資源を消費して新たな資源を入手する
     資金、人材、時間などの基礎的な資源を使い、新たな資源の獲得、強化を進める。人材へのトレーニング、新設備の導入などが該当。

    ■現場の声を引き出す3つの質問
    質問1 うまくいっている活動は何ですか?どうしてだと思いますか?
    →各店舗や営業が何を目標に設定しているのかが理解できる。現場視点で競争力のある資源が言及されるため、本社による全国レベルの支援強化につながる現場の知恵を見いだせる可能性がある。
    質問2 うまくいっていない活動は何ですか?どうしてだと思いますか?
    →現場が目標達成のために、最も重要だと考えている要素が示される。本社やブランドとの見解の違いから、不調の原因を見いだせる可能性がある。
    質問3 もし、支援に糸目をつけずにこの店舗の売り上げを倍にするとしたら、何をしたいですか?
    →回答はとても本質的なものになることが多く、現場でしか見えない知見を効果的に得られる。

     専門性の高い知識の収集・蓄積が必要な分野については、独立した組織にすることは意義深い。例えば、デジタルマーケティング組織を独立させてデジタル専門家をまとめておくべきか、それとも各ブランドにデジタル専門家を配置すべきかという議論がある。すべての状況に対応できる最適解はなさそうだが、独立組織を確立することは正しいだろう。その際、相応の実験予算を持っていると組織の存在理由をよりよく実現できる。専門組織として、知識を収集し、体系的に蓄積することを目指す。

    ■ブランドの定義書である「ブランドホロタイプ・モデル」
    (1)大義:ブランドが何のために存在しているのかを示し、4つの具体的な要素を内包する。まずは「Vision」で、ブランドの理念と理解してもいい。ブランドが実現したい世界を描写する。ついて「Mission」は、Visionを達成する際にブランドが担うべき使命を示す。そしてMissionを達成する際に尊重すべき行動様式や価値観を「Value」として
    明記すると、ブランドの活動に人格的な一貫性を保ちやすい。もし複数ブランドをポートフォリオで管理しているなら、ブランド固有の役割を「Role」として記述しておくと、他のブランドと連携しやすくなる。
    (2)市場/競合:2つの視点から記述する。1つは一般的な「製品カテゴリー市場」で、万年筆市場、筆記具市場などがこれに当たる。もう1つは「ベネフィット市場」で、ジョブやベネフィットに基づいたソース・オブ・ビジネスを競合と設定し、競争の場を市場とする。万年筆であれば知的なギフト市場だし、スマホのニュースアプリであれば通勤電車の暇潰し市場だろう。
    (3)ターゲット消費者:ターゲットとする消費者群を2段階に分ける。1つは長期的な「ブランドターゲット」で、中長期にわたる対象グループ。もう1つは、「プロモーションターゲット」で、特定の施策や新商品導入時に限定的に訴求する対象者グループ。こちらはブランドターゲットの一部を規定する。例えば、「運動部に所属する中学生・高校生」がブランドターゲットであるときに、「新しく部活動を始める中学1年生と高校1年生」をプロモーションターゲットに設定する、などがある。「20代・女性」といった年齢・性別に終始しないことは、データで消費者理解をする際の注意事項の通り。
    (4)ベネフィット:消費者が購入するもの。だから主語は消費者で、ブランドが主語になる機能や性能と区別することが重要だ。洗剤が汚れを落とすという機能によって、私がどうなれるかが「ベネフィット(便益)」となる。
    (5)エクイティ:ブランドが独占的に保有したい「意味」。ベネフィットや機能と強く関連した内容となるが、「ブランドの意味」なので主語はブランドである。ブランドエクイティが強力だと、諸活動の効率は上がり、利益が大きくなりやすい。
    (6)パーソナリティ:ブランドの擬人化か、スポークスマンを設定するという方法で考えられたブランドの人格。さまざまな接点でブランド体験を提供する際、人格を通して一貫性を担保しやすい。ブランドへの信頼や愛着の主要素ともなり、Valueの体現者でもある。
    (7)アイコン:ブランドが長らく使ってきて、失うべきでないと判断した記号や色、デザインなど、知覚できる特徴。アイコンが強力だと、各接点での効率が上がる。
    (8)機能/性能:ベネフィットを提供し、エクイティを体現するための性能など、物理的要件や機能的な特徴。ベネフィットとの混乱が少なくないが、ベネフィットは主語が消費者であるのに対して、機能の主語はブランドである。

  • 少し想定していた内容と異なっていた。

  • マーケティングに携わる人に向けて、マーケティング、ブランディング、リーダーシップなどについての考え、仕事への向き合い方などを説く。マーケティングに携わる初心者から、マーケティング組織を率いる人までにおすすめです。

  • いい〇〇
     最重要の属性が変わる

    マーケティングとは市場創造
    ブランドとは意味

    商品=製品+ブランド
     意味の一貫性+手段の変化

  • ブランドマネジメントの話しを中心にして章が進んでいくのですが、ちょっと自分には縁遠い話しでなかなか理解が及ばなかったです。サブタイトルに「明日から仕事がうまくいく24のヒント」とありますが、(当たり前のことですが)それ相応の職層・職種の方にとっては、ということだと思います。もちろん、いくつかのトピックスはそのエッセンスを抽出することで自分の仕事の参考になりそうなものもありましたが、全体的に、ということですとちょっと難しくてついていけなかったなと。

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著者プロフィール

クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役。日本と米国のP&Gで17年間ブランドマネジメントやイノベーション方法の確立などに従事した後、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、日産自動車、資生堂など複数のブランドを擁する企業でブランドマネジメント組織を指揮・構築。組織強化を通したブランドの成長を実現。2018年1月より現職。博士(経営学 神戸大学)。著書に『なぜ「戦略」で差がつくのか。』(宣伝会議)、『マーケティングプロフェッショナルの視点』(日経BP)、日本マーケティング学会「日本マーケティング本 大賞2022」を受賞した『The Art of Marketing マーケティングの技法 - パーセプションフロー・モデル全解説』(宣伝会議)などがある。

「2023年 『マーケティングの扉 経験を知識に変える一問一答』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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