サステナブル経営とコーポレートガバナンスの進化

著者 :
  • 日経BP
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296110643

作品紹介・あらすじ

プライム市場で生き残り、企業価値を上げるコーポレートガバナンスとは?
そんな疑問に答える最強の指南書。
ガバナンス改革は、経営改革だ!

企業でガバナンスに携わる人のバイブル、「これならわかる コーポレートガバナンスの教科書」、
「ESG経営を強くする コーポレートガバナンスの実践」の筆者、松田千恵子氏のシリーズ第3弾です。
2021年6月に再改訂されたコーポレートガバナンス・コードに完全対応。
新たに盛り込まれた原則の意味や背景を紹介し、サステナブル経営のポイントを指南します。

2022年4月に東京証券取引所の市場区分が変更され、企業にESG(環境・社会・ガバナンス)が不可欠なものになります。
特に最上位の「プライム市場」には、より高度なガバナンスが求められます。
企業価値を高める取締役会の運営とは?
近年、日本で力を増すアクティビストへの対策は?
投資家を納得させる事業の将来像の描き方は?
など、日本企業が直面するガバナンスやサステナブル経営の課題について、分かりやすく解説します。

「ガバナンスにどう対応するか」という解説はもとより、そこから一歩踏み込んで、
「マネジメントとしてこれからどうするか」という解説も充実させました。
サステナビリティ経営は、経営企画、IR、サステナビリティ、財務、人事など、幅広い部門での実践が欠かせません。
そのために必要なマネジメントのポイントを解説しています。

「サステナビリティやガバナンスは専門的で難しいかも」という人でも大丈夫です。
今回も「難しいことは言わない」「綺麗ごとも言わない」「何かあればイチから説明する」の三原則を貫きました。
コーポレートガバナンスの本質的な事柄について、「腹落ち」できることを目指しています。
企業の経営者やガバナンス関係者だけでなく、企業におけるマネジメントをどう考えるか・どう変えていくかを考えるビジネスパーソンにも役立つ、経営指南書の「決定版」です。

感想・レビュー・書評

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  • コーポレートガバナンスに苦手意識があって、
    いつかは勉強しないと…と思っていましたが、
    あまりやる気になれず。。

    そんなときに、手に取ったこの本。
    取締役と執行役員の違いもよく分かっていない
    コーポレートガバナンス初心者ですが、
    初心者でも(完璧ではないにしても)十分理解できた!(とても嬉しい!笑)

    この本を読んでみて、コーポレートガバナンスという概念が
    結構幅広いことに驚かされました。
    いわゆる会社の戦略を立てることもコーポレートガバナンスの一部分なんですね。

    読みながら疑問に思ったのは、日本の大企業のコーポレートガバナンスに対する実務。
    ほとんどの企業は、取締役と執行役員が同じメンツでそろっている
    (あるいは、執行役員から昇進した人が取締役になる)
    というのが実際のところだと思いますが、
    ホントにそれでいいんですかねぇ。。
    もしかしたら、取締役>執行役員という
    エライ度数の基準そのものを変えていかないと
    日本企業のコーポレートガバナンスは機能しないのではないかと感じました。

    本を読みながら、コーポレートガバナンスについて理解ができて、
    さらに自分なりに「問い(疑問)」の立つよい本だと思います。
    あんまり時間ないけど、著者のほかの本も読んでみたくなりました。

  • コーポレートガバナンスコードの改定に関して、さすがの濃い説明だった。著者以外にこれが書ける人がいないのではないだろうか。
    メモ
    ・気候変動を開示についてTCFDに焦点が当てられているのは、企業が既に多く用いていること、発端がG20及び各国政府の要請によるものなので、政府主導で進めやすいといった理由から。
    ・株主は基本的に多角化企業を嫌う。株式市場を活用してポートフォリオ作りたいのに、企業が勝手に事業を増やして自分でポートフォリオを作ってしまったら困るからである。
    ・コーポレートガバナンスとは、株主を始めとするステークホルダーによる経営者の規律付け。一方、経営者は従業員がきちんと仕事をしているのかをチェックしたくなるが、これが内部統制。
    ・これまでのように東証1部上場であればトピックスに採用されると言う状況は、トピックス連動型の投資信託が買われさえすれば、自社による企業価値向上努力をしなくても、株価が上がりやすくなることを示していた。こうした弊害を解消するため、今後、流通時価総額が100億円以下の会社の株式は、段階的にトピックスから外されて行く。
    ・取締役は監督を行う人、執行役員は業務を行う人であり、この2つは本来分かれているが、日本企業では兼ねてしまっているケースが多い。監査役設置会社では、これを監査役が担うとされており、この形態が現状が好まれている。
    ・計画とは戦略の上位概念であり、まず経営が計画を示し、その下で中期計画が策定される。中継は経営計画の代わりにはならない。
    ・ESG評価を代表する2つであるMSCIとFSFTのスコアリングは無双間であると言う研究結果も出ている。存在しない正解を求めるよりも、自社が信じる道を歩むことが大切と思われる。
    ・マテリアリティにはいくつか定義ができてしまっているが、投資家にとって重要である将来キャッシュフローを生み出す力に大きな影響与えるような重要な要因をマテリアリティとした方が良い(シングルマテリアリティ)。CSR活動などをこれに含めるとダブルマテリアリティとなる。
    ・オムロンはROIC経営で有名。たとえ儲かっていても、世界的な自動車企業の将来競争に巻き込まれるのは大きな負担として、車載事業を買収した。
    ・事業とは、利益が出ていれば良いのではなく、元手に係る資本コストがROICを上回る利益を今後も上げていけるかどうかを見られる。利益から資本コストを引いてプラスであれば、初めて成功していると言える。
    ・日本の人制度では、総合職と言う名のもとにジェネラリストとして横並びに競争させされ、経営陣にはなれないことが分かった頃にはそろそろ定年と言う非人道的な制度。若者は離れている。
    ・人事部門の今後の仕事は、なんといってもマネジメントトレーニングを充実させること。それ以外の分野でのプロフェッショナルトレーニングの必要も出てくる。人事部門の果たす役割は大きい。

  • 取っつきにくいテーマにもかかわらず、初心者にも分かりやすく解説されている。いまどういうガバナンスが求められているかを知ることが出来る。

  • 今の自分にタイムリーな内容。
    あとは、自分はどうやってコーポレートガバナンスに関与していくか、という実務の問題だ。

  • 筆者の本は何冊か読んだが、相変わらずフランク且つハッキリしたモノ言いで読みやすかった。また、読む度に新しい学びがあり、筆者の知識・理解の深さを感じた。

    本書では例えば、特別委員会の役割/内部監査部門のデュアルレポートライン/執行役と執行役員の違い等、実はなんとなくしかわかってなかった用語について理解を深められた。
    非財務情報開示のパートでは、今後はダブルマテリアリティよりシングルマテリアリティがスタンダードになるという主張があったのは、新しい気付きだった。結局、社会的価値も経済的価値に収斂するということであれば、評価軸をより長期にするだけで、評価指標は変える必要はないということなのだろうか??本書にもある通り、ESG評価は黎明期なので、今後の展開が楽しみでもある。

  • コーポレート・ガバナンスコード再改訂の内容を盛り込んでおり、現在求められているガバナンスについて学べる良書。

    筆者の軽妙な語り口が特徴で、時に軽く毒を織り混ぜつつ、ドキリともクスリともさせられるため読みやすい。

    資本コストを踏まえた事業ポートフォリオマネジメントなど、これからの経営に必要な視点もわかりやすく解説してくれている。

  • 易しい言葉でよく理解できます。なんだかんだうちの会社ってここで言われてること実践できてるなぁとか思ったりしました。

  • まとまってます

  • 難しい内容をとてもわかり易く解説しているのでとても読みやすい…所々で著者が荒ぶるのもまぁ良しとしようって感じですな…

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著者プロフィール

東京都立大学大学院 経営学研究科教授、東京都立大学 経済経営学部教授
株式会社日本長期信用銀行にて国際審査、海外営業などを担当後、ムーディーズジャパン株式会社格付けアナリストを経て、株式会社コーポレイトディレクション及びブーズ・アンド・カンパニー(旧ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン)株式会社にてパートナーを務める。諮問委員会委員、公認会計士試験委員、公的機関の経営委員、上場企業数社の社外取締役などを務めている。
著書『グループ経営入門 第3版』(税務経理協会)、『これならわかるコーポレートガバナンスの教科書』(日経BP社)、『コーポレートファイナンス実務の教科書』(日本実業出版社)、『ESG経営を強くするコーポレートガバナンスの実践』(日経BP社)、『経営改革の教室』(中央経済社)など。
東京外国語大学外国語学部卒、仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院経営学修士、筑波大学大学院企業科学専攻博士課程修了。博士(経営学)

「2021年 『図解入門ビジネス 最新 コーポレートファイナンスの基本と実践がよ~くわかる本[第2版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松田千恵子の作品

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