管理ゼロで成果はあがる ~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784297103583

感想・レビュー・書評

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  • プログラマー集団の株式会社ソニックガーデンが社内ベンチャーからMBOを経て独立していく中で、最終的に「管理しなくても成果が上がる」仕組みを作った過程について書かれている本。
    試行錯誤の中、現在の仕組みにたどり着き、今では社員は、会社に所属することで生きると言うより、趣味として会社で働いている、という最高の状態になっているということ。これからの仕事の在り方はこうあるべきだと感じた。
    また、趣味として会社で働く状態に至るためには、各メンバーの自己管理能力を成熟させる必要がある。自己管理ができない場合、誰かがマネジメントする必要が出てくるため、自発的にでは無くマネージャーに動かされることになる。それは趣味ではなく仕事。
    そのため、本書では導入部のステップ1として自己管理をするための方法について書かれている。よくある自己啓発本に近い内容ではあるが、最終的なゴールが現在のソニックガーデンの働き方に繋がるため非常に説得力がある。
    新人社会人の方は、ステップ1を熟読していただければ、明日からの業務改善に直結できる


  • お互いを知る、人生観やプライベートの状況も含めて。
    その人を信じる
    主体的に動ける環境をつくる
    ただ、モチベーションが高い状態を期待せず、モチベーションが低くても回る仕組みを考える。

    それをステップでまとめると
    1、生産的に働く(楽に成果をあげるために見直す)
    2、自律的に働く(人を支配しているものをなくす)
    3、独創的に働く(常識や慣習に従うことをやめる)

  • 社内ベンチャーが、独立して、ソニックガーデンとなり、「管理ゼロ」で成果を上げている。
    ソニックガーデンは、「納品のない受託開発」でお客様の信頼を得、事業を継続している。そこに、業績管理や、決裁などの管理はないという。昔、好き勝手に仕事をしていて、上司から叱られた「個人商店ではだめだ」という「個人商店」の仕事のやり方で成り立っている会社のように感じた。

    この本が出版されたのは、2019年2月。新型コロナウイルス(COVID-19、SARS-CoV2)が流行して、世の中が自粛ムード、緊急事態宣言が発せられることになるとはだれも思ってもいない時期。ソニックガーデンでは、すでに、全社員リモートワークをしていた。

    管理職になり、何年も経つが、こんなことをするために会社に入ったのではないと思うことが増えてきた。部下を見ていていつも思うのは、そんなことくらい自分で決めて、さっさとやってくれ、ということ。心配しなくても、責任は俺が取るから、そう腹をくくったから管理職をやっている。でも、なかなか、部下は動いてくれない。もどかしい。ソニックガーデンのような会社にあこがれる。

    2020年05月16日(土) 読了。

  • リモートワークを創業時から導入し、今や物理オフィス撤廃。でも業績が上がる独創的な仕組み。

    KPTとYWT、納品無し、雑相…社員と会社同士のリスペクトと「心理的安全」が鍵!今、読んでおきたい一冊

  • 「管理ゼロで成果はあがる」

    1.成果は結果。
    それよりも、何を目的に会社がどうありたいか?
    理念が先。

    2.管理は手段。
    それよりも、仕事の目的を会社の理念に
    合わせていくが先。

    3.教育は手段、上から目線。
    それよりも、本人がやりたいと思えば勝手にやる。
    やりたい&強みを太くすること。

    タイトルは刺激的です。
    一方で内容は論理的です。

    王道は無しです。
    具体的に粛々と進めるということを再認識でした。

  • 2019/02/17*読了

    読むきっかけになったのはABDという読書会でした。各々が読んでまとめた内容を1分間でプレゼンするのですが、他の人のまとめを聞いているとなるほどなと思う部分や、1分間にまとまり切らなかったところが気になったので、読んでみることにしました。

    第1部では生産的に働くために(楽に成果をあげるために)仕事の進め方をどんな方法で改善して来たかを。
    第2部では自分の意思で働くことで自由と責任を得て、より高い生産性と品質を実現するために何をなくして来たかを。
    第3部では常識や習慣に従わず自分たちだけの働き方を追求することで、独創的なビジネスモデルやマーケティングの手法を見つけ出せ、それが強みになっていることが語られていました。

    自分の働く姿勢を見直すきっかけにもなったし、こうすれば上手く行くといった具体的な道しるべにもなったので、この本を読んだことはとても有意義なものでした。

  • マネジメントの目的は部下がちゃんと働いているか監視することではなくて、組織やチームが成果を出すこと。だから、管理するのではなくて成果が出せる仕組みをつくったり、要らないものは辞めたり、働きやすい環境を整えたりすることがマネジメントの仕事。…というのは何となく分かり始めてはいるけど、とは言え、具体的に何からすれば良いのか分からない人も多いのではないだろうか。
    自分自身がそうで、この本にある①生産性に働く(楽に成果をあげるために見直す)→②自律的に働く(人を支配しているものをなくす)→③独創的に働く(常識や慣習に従うことをやめる)のステップはすごく分かりやすいなと思った。①のまずは生産性を上げて余裕をつくる、多くの会社はここができてないんじゃないかなと思うので、ふりかえりの習慣をつけるだけでもずいぶん変わるかもしれない。

    働き方改革の流れの中で注目されそうな本ではあるけど、そもそも、何のために人は働くのか、組織って何のためにあるのかっていうのを突き詰めていったひとつの答えがこの「管理しないマネジメント」だと思う。特にこれからの時代においては、仕事って一人ひとりが自律して取り組むもので、一人ひとりが自分自身の目的と仕事で求められる役割や成果をうまく重ね合わせながら働けたら理想的。だから最後の方にある「文化を継承していくコミュニティのような会社」というのはすごく共感できた。
    具体的な手法も紹介されているので、自分のチームでもできることからやっていきたい。

  • この考え方を取り入れやすい業界とそうでない業界とがありそう。
    また総務系の話がこの中からは読み取れなかったけれど、どのように運営されているんだろうか。

  • 巧遅よりも拙速であれ、やったほうが良いはやらなくても良い、など良い考え方をいただけた。楽しく、成果を出す。

  • 組織運営とかマネジメントとか経営者目線の話かと思って読み始めたら、どちらかというと個としての仲間との働き方みたいな話だった。参考になった。
    趣味みたいな感覚で、だけどもお客さんの役に立とうというマインドをちゃんと持って、無理なく納得感を持って自律的にどう働くかという話。自分一人ではできないことを仲間に頼ることもしながらやっていくんだけど、組織に縛られるわけでもなくそれぞれが自己の責任で取り組んでいく感じ。
    今勤めている職場でどう働くかというより、副業にどんなスタンスで取り組んでみるかという観点で参考になった。

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著者プロフィール

株式会社ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。1974年生まれ。京都府出身。小学生からプログラミングを始め、天職と思える仕事に就こうと大手システム会社に入社するも、プログラマ軽視の風潮に挫折。転職も考えたが、会社を変えるためにアジャイル開発を日本に普及させる活動を個人的に開始。会社では、研究開発部門の立ち上げ、社内SNSの企画と開発、オープンソース化をおこない、自ら起業すべく社内ベンチャーを立ち上げるまでに至る。しかし、経営の経験などなかったために当初は大苦戦。徹底的に管理する方法で新規事業はうまくいかないと反省。徐々に管理をなくしていくことで成果をあげる。最終的には事業を軌道に乗せて、その社内ベンチャーをマネジメント・バイ・アウト(経営者による買収)することで独立を果たして、株式会社ソニックガーデンを設立。ソニックガーデンでは、月額定額&成果契約の顧問サービス提供する新しい受託開発のビジネスモデル「納品のない受託開発」を展開。その斬新なビジネスモデルは、船井財団「グレートカンパニーアワード」にてユニークビジネスモデル賞を受賞。

「2023年 『人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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