オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784297113513

作品紹介・あらすじ

オブジェクト指向ユーザーインターフェース(OOUI)とは、オブジェクト(もの、名詞)を起点としてUIを設計すること。タスク(やること、動詞)を起点としたUIに比べて、画面数が減って作業効率が高まり、また開発効率や拡張性も向上する、いわば「銀の弾丸」的な効果を持つ。ブログや雑誌記事などで大きな反響を得たこの設計手法について、前半部では理論やプロセスを詳説。そして後半部の「ワークアウト(実践演習)」では18の課題に読者がチャレンジ。実際に考え、手を動かし、試行錯誤をすることにより、OOUIの設計手法を体得できる。

感想・レビュー・書評

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  • 読んだ理由
    業務系のUIを作成する上で、使いやすいUIについて学びたかった

    感想
    これからUIを作成していく上で、この本を読んでるか読んでないかで大きく差が出そうな内容だった
    エンジニアはどうしても要件ベースで考えてしまうため、タスク指向になりがち
    ユーザーとして触っているはずの、スマートフォンやPCのような、オブジェクト指向のUIの素晴らしさを再認識させられた
    具体例も多く、これからも見返したくなる本

  • 非常にシステマティックでわかりやすい説明だった。エンジニアの自分でも一定クラスのデザインができるようなしっかりした構成になっており、わかりやすかった。

  • 言い回しがやや難しかったが、機能よりもモノとして捉える点はオブジェクト指向の原則そのもので、名詞に着目して要素を抜き出す点はDB設計のようで、イメージが湧いた。実務に応用する際も、要件(やりたいこと)から名詞をうまく抜き出し、要素の関係を整えた上でモノをデザインすることで、手にとるように直感的に扱えるモノを目指していきたいと感じた。
    余談だがPC/スマホともwebサイトのレイアウトテンプレート(パターン)があることに驚いた。技術本の中身の"変化"を認識できた珍しい事例なので、時代が変わっていることを嬉しく感じた。

  • オブジェクト指向のお勉強。

    ■オブジェクト指向UIの原則
    ・オブジェクトを知覚でき直接的に働きかけられる
    ・オブジェクトは自身の性質と状態を体現する
    ・オブジェクト選択→アクション選択の操作順序
    ・すべてのオブジェクトが互いに協調しながらUIを構成する

    ■オブジェクト指向UIとタスク指向UIの対比
    オブジェクト指向UI
    ・名詞→動詞
    ・まずオブジェクト選び、次にそのオブジェクトに対するアクションを選ぶ
    ・ナビゲーションはオブジェクト(名詞形)を手掛かりにする
    ・あらゆる情報システム、特に作業者による探索や創意工夫が期待されるものについて有効
    タスク指向UI
    ・動詞→名詞
    ・まずタスクを選び、次に引数としてオブジェクトやパラメーターを指定する
    ・ナビゲーションはタスク(動詞形)を手掛かりにする
    ・オブジェクトを選択する必要がない場合や、定型の入力手続きだけを提供する場合にのみ有効

     つまりデザインという行為を正当に行おうとすれば、そこには、ある種の直観によって、論理的な推察を経ずに直接最終の形に到達する術が必要です。この創作の道筋は、抽象から具象へと論理を展開しながら可能性を絞っていくことと同じぐらい重要な、そして本質的な創造の技術です。そのような「形から入る」デザインがコンテクストとの適合をもたらすためには、根本的に、「ユーザーの要求に合わせて形を作る」という前提から翻り、「形に合わせてユーザーが要求を捉え直せる」
    ようにするべきなのです。
     優れた実践者が共通して言うのは、制作の非プロセス性です。それは線形でも円形でもなく、帰納的でも演繹的でもありません。少なくとも意識の上では一気に「形」に到達するのです。原因から結果を段階的に導くのではなく、結果から原因への逆推論を高速に走らせるのです。私はこの道筋を「アブダクションライン」と呼んでいます。

     …一覧画面に追加と削除の機能を持たせたり、新規追加用の画面と更新用の画面を共通化することは、データベースへのCRUD機能を提供する情報システムの定石です。

     …オブジェクト指向というときの「オブジェクト」を日本語に訳す場合、「物」や「対象」という言葉がよく使われます。しかしオブジェクト指向のコンセプトに照らせば、「客体」が適当だと思います。オブジェクト指向とは、システムをデザインにする際に主体(知覚する者)ではなく客体(知覚される物)をモデル化することに本質があるからです。

  • オブジェクト指向UIデザインのなんたるかは1章だけで十分で、あとはUIを言語化したものを淡々と説明されているだけ。

    3章からはワークが主体になりますが、「何を作りたいか」がないと、あんまり頭には入ってこない作りです。
    延々とテストページの仕様書を見せられている印象でした。

    最後にオブジェクト指向プログラミングの話とUIの歴史がありますが、この本で知りたいのはそこではない。

    この本を読むよりは自分が好きなジャンルのアプリをたくさん触った方が勉強になりそうです。

    またオブジェクト指向に関する本は別の本を読んだ方が、根本的な知識を得ることができると思います。

    UIにいろいろ名前があるのねー、くらいはふーんと思いましたがすぐ忘れそうです。

    1章は勉強になりましたが、それに見合う価格かというと、少々釣り合っていないかと思われます。

  • 最近なんとなく画面設計させているときに、このオブジェクトに対してどんな操作があるかということを、自然に考えているような気がする

  • [技術書・ビジネス書大賞] 2021年技術書部門ベスト10入り

  • オブジェクト指向というと、ソフトウェア開発の一つでUIとは結びつかないような気もしたけど、読んでみるととても大事な概念だと気づいた。
    オブジェクト指向というと、継承だとかポリモーフィズムだとかカプセル化だとか言われるけど、そういうことじゃないよなと。ずっとオブジェクト指向ってよく分からないイメージがあったけど、名詞を見つけて考えるという発想になるほどと思った。少し分かった気がする。

    UIについては、タスク思考ではなくオブジェクト指向にするのがいいとのことで、タスク思考だと動詞が基準になていて、オブジェクト指向は名詞が基準になっているとのこと。
    具体的には、タスク思考だとメニューが動詞だけど、オブジェクト指向では名詞なのだとか。
    だいたい、UIってタスク思考じゃないのかなと思ってふとメルカリを見たら「さがす」「出品」「支払い」「はたらく」とあって、動詞のメニューとなっていた。著者としては、メルカリのメニューはアンチパターンなんだろうか。

    まずは名詞同士の関係を抽出することが、オブジェクト指向に重要という考えは非常に分かりやすかった。そういう考えでUIを設計すればいいのかと。
    これから、名詞を意識して開発できるようにしていきたい。

    UIのビューは、大きく分けて「コレクション」と「シングル」の二つがあるという考えは、なるほどなと。
    今関わってるプロジェクトも、そういうことが最初から分かっているとだいぶよくなっていただろうなと思う。

    ガッツパターンというのが説明読んでもよく分からなかったけど、四角形の描画時に自分で操作せずともデフォルトのテンプレートでスタイルが表示されることをいうらしい。それの何がいいのだろうと思ったけど、モードレスにすることで、自分の状態(モード)を保持しないことで他の作業にうつることができ、使いやすくなるのだとか。
    そういうふうに考えたことがなかったので、結構衝撃だった。デフォルトのテンプレートが表示されるほうが二度手間な気がしたのだけど、自分が今どういう状態かを意識しなくていいというのは確かにいいのかもしれない。

    全体を読んだ印象としては、できるかぎりモードレスにして、「名詞→動詞」の順で考えれるようになるのが大事なのだろうなと。警告文をだすのにモーダルダイアログとか普通に使うけど、極力使わないほうがいいんだろうな。これから気を付けたい。

  • わかりやすいアプリケーションを作るなら一読したい。
    実践してみているのだけど、構造を決めることがいかに重要かよくわかる実践的な指南書である

  • アプリケーションの画面設計に関わってる人は必読。これまで、ダメなUIをどうダメなのかうまく言語化できなかったけど、この本を読めばもう大丈夫。ダメな理由を説明できて、改善案も提案できそうだ。「銀の弾丸」はまんざらウソじゃない。

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著者プロフィール

「Designs for Transformation」を標榜するデザインコンサルティング会社。エクスペリエンス・ストラテジー、デザイン・リサーチ、ヒューマン・インターフェースという3つのテーマを柱にソリューションを提供している。また、海外文献の紹介から国内外の識者・実践者を招聘したイベント開催まで、幅広くデザイン活動を展開中。近年、調査と制作の溝を埋める設計アプローチ「OOUI(オブジェクト指向ユーザーインターフェース)」を提唱し注目を集めている。

「2022年 『The Elements of User Experience』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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