もういちどベートーヴェン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2020年4月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784299004161
感想・レビュー・書評
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司法修習生時のお話。
ピアノの世界へ戻るきっかけも描かれてある。
高遠寺教官、少ししか出てませんが、いい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
岬シリーズ。
司法修習生時代を描いた今作。学生時代を描いた「どこかでベートーヴェン」と同じ作品の文庫化と思って、スルーしていたが、先に「合唱」を読んでしまい、この作品を読んでいないことに気づいた。
司法試験を優秀な成績で合格し、将来を有望視されていた岬がピアニストになるまでを描いているので、謎解きは控えめ。どんでん返しもあると言えばあるけれど、岬の行動に意識を奪われ、いつもの驚きはそれほどない。
多分、この作品を読んで、「合唱」を読むといろいろ繋がるのだろうが、逆に「合唱」を読んで、謎になっていた部分がこの作品で明らかになるので、それはそれで楽しかった。
この後、もう一度「合唱」を読むと、また違う楽しさが見つかるかもしれない。
中山七里のシリーズはたくさんあるけれど、やっぱりどれも面白い。この先、続編ラッシュが続くので、とても楽しみ。-
岬洋介のシリーズ、面白そうですね。「さよならドビュッシー」で中山七里という作家を初めて知ったのですが、新しい楽しみが増えました。
岬洋介のシリーズ、面白そうですね。「さよならドビュッシー」で中山七里という作家を初めて知ったのですが、新しい楽しみが増えました。
2021/02/11 -
中山七里は他にシリーズが多い作家さんです。
「さよならドビュッシー」の頃はそうでもないのですが、最近の作品はシリーズでリンクしているので、...中山七里は他にシリーズが多い作家さんです。
「さよならドビュッシー」の頃はそうでもないのですが、最近の作品はシリーズでリンクしているので、岬の父が嫌う御子柴シリーズなどもおすすめです。多作なので、いろいろ読んでみて下さい。2021/02/12 -
御子柴シリーズを調べたら、リーガルサスペンスなのですね。面白そうです。はまりそうで、怖い! ありがとうございます。御子柴シリーズを調べたら、リーガルサスペンスなのですね。面白そうです。はまりそうで、怖い! ありがとうございます。2021/02/12
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「どこかでベートーヴェン」から数年後。
岬洋介が司法修習生だった頃の物語。
全体的に彼の、天才の苦悩が描かれていました。
望まない道へ自分を誤魔化して進む岬。
不幸にもそこでまた頂点に立ち、周囲の期待と羨望を嫉妬を受ける事に。
彼が本当にやりたいこと。全てを捨てても進みたい道。
ひとつの事件を経て道筋が明確になった彼は迷うことなく進んでいく。
そんな作品でした。
ここから「さよならドビュッシー」の時間軸へと繋がっていくのかな。 -
岬洋介が大人になったことで、周囲のイジメも高校生時代と違って分別が出てきて柔らかになったようだ。相変わらず周辺とは相容れず独自の境地。
事件に関しても独自の視点から解いてゆく。途中に幾つか違和感を感じさせるヒントが散りばめられてはいるが、最後まで犯人の動機も含めて想像が付かなかった。作者の「どんでん返しの帝王」の通り。
司法試験トップ合格で違う道に進むのは勿体ないとも思う反面、周囲の人と同調できない性格では人を裁く仕事はどうかとも思う。 -
岬洋介が司法修習生!
既刊行の『さよならドビュッシー』や『おやすみラフマニノフ』などで、岬が司法界には進まないのはわかっているが、司法研修所ではどのような活躍をするのか。
この研修所内部を、著者は、取材せず想像力だけで描いたというのだから、驚き。
今作の岬洋介は、ピアニストになることを断念して司法試験に合格した研修生天生の目を通して語られるゆえ、「まるで検察官になるために生まれてきたような男で、言うことは常に正しく、人当たりがよくて嫌みがない」と彼に言わしめ、その天才ぶりはより一層際立つ。
そんな岬であるが、進路に惑っており、彼に助言する研修所の教官として、あの高遠寺静が登場する。
「司法というのはすでに正義の味方であるテミスを代行しています。崇高な仕事だと思います。それでも僕は、違うような気がしているんです」と、打ち明ける岬に対し
「仕事の価値は自分以外の人間をどれだけ幸福にできるかで決まるのだ」と。
そして、天生の思わぬ行動が、岬を再びピアノに向かわせ、ピアノコンクールに出場することになる。
このシリーズにしては、演奏場面は少なかったが、今回もYou Tubeでその曲目を聴きながら~。
ラストで予言されているという『合唱 岬洋介の帰還』も読まずばなるまい。 -
読み終えた感想は、ブラボーッ♪(*'▽'*)
当然5作目も岬洋介の世界に引き込まれた
天は二物を与えずというのは大嘘で、法曹の神からも音楽の神からも祝福された者が、岬洋介☆
そんな彼も前作の中で絶望を味わい、ピアノから離れる
でもある事がきっかけで、自分が本当にやりたいものを再確認し、まるで自分の様に絶望から不死鳥のように蘇ったベートベンの曲で、ピアノコンクールに出場
し甦る
それがまた5年のブランクを感じさせない素晴らしい演奏♫
静おばあちゃんも登場
相変わらず良い味出してる
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ピアニストになる夢に挫折して
法曹界入りした天生高春。
司法修習生として検察庁の実務研修を受ける。
そこで出会った岬洋介は司法試験トップ合格で
父親は地検に努める検察官というサラブレットだ。
そして各教官からも一目置かれる天才。
羨望、嫉妬などの気持ちもわくが、どこかほっとけないところもあり・・・。
絵本作家の殺人事件もからみながら、
修習生たちの進路について・・・
天才はどの職業を選ぶのか!検察官、弁護士・・・・。
絵本作家の絵本と、天生のいたずらから
岬の進路が!
全編ベートーヴェンの曲が。
最期のコンクールの場面では聞こえてくるはずのない音が
聞こえてきそうになるくらい圧巻。
コンクールの緊張感が伝わった。
岬洋介さんのシリーズ本があるようなので
ぜひ、他の作品も読みたいとおもった -
『このミステリーがすごい!』大賞作家書き下ろしBOOK vol.20(2018年3月)、21(6月)、22(9月)、23(12月)、24(2019年3月)掲載のものを2019年4月宝島社刊。2020年4月宝島社文庫化。岬洋介シリーズ5作目。岬洋介の司法修習生時代の長編。岬の物事を見抜く才能、音楽への才能と情熱に驚きました。大きな事件ではないですが楽しめる展開でした。80歳を超えた高円寺静が指導教官として岬の司法への思いにアドバイスするところと事件調査の許可を出すところに合計10頁程度登場してますが、存在感あって素敵でした。
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読まなければと思いながらしばらく我慢して取っておいたが、やっぱりこのシリーズは面白い。著者には音楽系の小説をもっと書いて欲しい。予選32番のあとの本選の曲はハンマークラヴィーア以外ないと思っていました。