がんになった緩和ケア医が語る「残り2年」の生き方、考え方

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299004840

作品紹介・あらすじ

人はなぜ生きるのか――。緩和ケア医として多くの終末期患者たちを看取ってきた40代の医師に下された「末期がん」の宣告。患者たちと立場をともにしたとき、医師は初めて命の何たるかを理解した。余命を意識しながら仕事と向き合い続ける医師が語った、「運命」の受容と抵抗のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 四十五歳で早逝された
    緩和ケアドクター。

    彼はがんと闘いながら
    亡くなる直前まで医師
    であり続けました。

    つまらないことに気分
    が沈んでいましたが、

    前を向いて切々と語る
    その姿に、

    いったいなにを私はと、
    背筋を正されました。

    そう、人生はいつ暗転
    するかわかりません。

    どんな状況でも現実を
    受け入れ前を向くこと。

    そのために悲しいとき
    には大いに泣きなさい
    と彼は言います。

    人間が本来持っている
    回復力を信じて。

  • 緩和ケア医であった著者が、癌になってしまう。
    緩和ケア医としての立場、癌患者としての立場、
    その両面から率直に気持ちが描かれているところが共感できた。
    「死」を頭で理解していても、いざ現実に直面した時に、それを受け入れることは難しい。
    患者さんの一人の言葉「美しく死にたい」は、本当にそう。年齢に関わらず何も起こっていない時から、自分の人生の締めくくりについて考えておくことは、大切なことだなと思った。

  • 緩和ケア医が自身もがん患者となり、余命2年と宣告された。自身のこと、緩和ケア医として、終末期に対する考えが記されていました。
    生きているうちに、自分が後悔しない死に方をイメージして、家族と共有しておくのは大切なんだと感じました。死に方は生き方。

  • 余命2年になった、緩和ケア医の自分のがんと向き合いながらの医療従事の話。
    かなり辛く思うところもあるけれど、やはり当事者と同じ環境になってから見えてくる景色がすごくわかりやすく書かれている。

  • 職場の先輩からオススメされた本。自身の葬式で流す挨拶のYouTubeを見てから読んだ。挨拶も泣けるが、自分がステージ4、脳転移もあるがんに罹ってもあれほど理路整然と自分のことを書けるだろうか。その心理に至るまでどれほどの葛藤があったのだろう。

  • タイトル通りの内容。感情の変化など赤裸々に記載されており興味深く拝読。

  • 同じ立場にならないと、本当の意味で相手を理解して共感する事は難しい。

    何人ものがん患者を看取ってきた医師でも、自身の余命を意識したときは動揺した。そして今までの自分の患者さんの気持ちを初めて理解できた。
    他人の気持ちを想像したり、推し量ったりする事は出来るし、そういう事はとても大切だ。
    しかし、真に理解して共感するには同様の体験をしていないと理解しきれない。

    この本を読む方も、癌と診断されたり、癌の可能性を指摘された事がある人と、そういった経験がない人とでは受け止めかたが違うだろう。

    前者である私としては、著者の率直な著述に共感し、涙を流した。診断時のショック、家族の優しさ、患者さん達の生き様、大いに共感し学びがあった。

    日本人の1/2が癌を発症し、1/3が癌で亡くなる時代、著者の状況は他人事ではないはずである。
    しかし、多くの人にとっては他人事なのである。他人事と思っていないと、不安でまともに生きられない。

    そんな事を思った本書ですが、多くの人に読んでほしいと思いました。

    死から逃げるだけでなく、今を良く生きるために、静かな場所で読んでいただきたいです。

  • 『がんになった緩和ケア医が語る「残り2年」の生き方、考え方』by関本剛


    主にがん患者を対象に「在宅ホスピス」の病院長を務める筆者。

    これまで何千人もの癌患者を見守ってきた自身が43歳の若さで肺癌さらには脳への多発性転移が見つかる。

    手術は無理。生存期間中央値は2年。

    本の内容としては、日々の癌闘病の記述というよりは、本人ならびにホスピスの先駆者として現在も活躍中の母親の歴史、想いなどがメインになっている部分も多く、闘病の苦しさなどはさらっと書かれている。

    ただ、癌患者の心の変容も、自身が患ってみて初めて教科書通りではないことを体験したり、自身の病院の入院患者との心の交流を通して見えてくるものなどが飾り気もなく書かれており、読みやすい。

    もしも私自身が癌になっても、その生き方の答えは私自身が見つけていかなきゃならないんだなと改めて認識。そのためにも、家族や医師達とどこまで素直に向き合い、話合いが出来るかが大事かも知れない。

    「死ぬことは生きること」 
    癌になったからって全てを捨ててしまうのではなく、最後の最後まで私は何をして生きていくのか?

    ともかく、これまで癌なんて最後は苦しくて、転げまわるんかなぁなんてちょっとビビッていたけど、今の時代にはこんなにも「緩和ケア」が充実していることを知りちょっと安心。

  • 3章と4章は読み応えがあった

    緩和ケア医として多くの患者さんを看取ってきた経験から言えること
    自分ががんになったからこそわかること
    それらが包み隠さずに書いてあった

    「自分も、もっと緩和ケアを主体的にやりたい!」と奮い立たせてくれる一冊になった

    2年と言わず、いつまでも先生のご活躍をたくさん知れるよう、心から応援しております。

  • 医療の勉強をしている学生として学ぶことが多くありました。

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