不連続な四つの謎 『このミステリーがすごい! 』大賞作家 傑作アンソロジー (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2020年6月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784299005878
作品紹介・あらすじ
『このミステリーがすごい!』大賞受賞作家、競演! 寝台特急での密室殺人、ピアニストの死の謎、元俳優を襲う誘拐事件、東京を襲う猛吹雪からの脱出――バラエティに富んだ4つのミステリー作品を一気に読むことができる短編集です。
感想・レビュー・書評
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アンソロジーだけど、ちゃんと繋がるようになってて面白かった。
それぞれの作品のはじめにその作家さんの簡単なプロフィールや代表作とかも書いてあって勉強になる。
【ダイヤモンドダスト】が、今この2021年と2022年の年越しの大寒波と重なって大袈裟とは思えない怖さが妙にテンションあがってしまった。
【カシオペアのエンドロール】の2人の刑事のキャラが面白くて好きだと思った。
話の構成も面白く、先が気になってどんどん読んでいたのだけど、最後の方になってきて飽きてきてしまった…
ザ·どんでん返しで素晴らしい作品なんだと思うけど、個人的にはもうちょっとサクサクッと終わって欲しかったかなあ…
でも最後の最後の刑事さんの描写とかはやっぱりよかったし…普通に楽しめる作品だと思う。
結局どの作品も個性あって面白い。
アンソロジーはやっぱり色んな作家さんをちょっとずつ楽しめるっていうのが良い!
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4人の著名な作家による四つの謎。
・残されたセンリツ
・黒いパンテル
・ダイヤモンドダスト
・カシオペアのエンドロール
それぞれストーリーもタッチも異なる4作品ですが、それぞれどんでん返しがあります。
また、各作品同士を繋ぐ『幕間』が間に1ページあるのが、良いですね。
全く別々の作品でありながら、不思議な繋がりを見せています。 -
何か短編が読みたいと思い書店で手に取り購入。
4人の作家が書き下ろした作品を文庫化に際して3つの幕間と1つの終幕を追加。4つの作品がうっすらと見事につながっていてそれも良かった。
1番好きなのは中山七里の「残されたセンリツ」
どの小説もも短編だけど物足りなさはなく面白かった。 -
前にドラマ化されていたものを見たことがあって、面白かったので小説も読んでみました。
このミステリーがすごい大賞をとっている作家さん4人。
中山七里さん、乾緑郎さん、安生正さん、海堂尊さんによる傑作アンソロジー。
話自体は個々の物語なのだけど1話終わる事にある幕間や終幕によってそれぞれの話に繋がりが見えてきて面白い。
私は乾さんの黒いパンテルと海堂さんのカシオペアのエンドロールが特に面白かったかな -
ミステリーとして物足りなさはありましたが、
4人の作者の作品の特長をアンソロジーとしてみる事ができるのが良かったです。 -
ダイヤモンドダストが一番おもしろかった。
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4人の作家による短編ミステリー。それぞれの作品の幕間と終幕により作品に繋がりが出ているのが不思議であり、演出効果が感じられる。作家の持ち味が生かされており、ドンデン返しや医学的考察、天災による暴風雪の凄みは文章でも迫力が感じられた。1冊で4度美味しい作品。
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ピアニストが死んだー「残されたセンリツ」
あれは若いころオレが救えなかった二宮さん・・・ー「黒いパンテル」
新宿を襲った大雪の日にー「ダイヤモンドダスト」
加納警視正と玉村警部補が遭遇した豪華列車での事件ー「カシオペアのエンドロール」
このミス大賞受賞作家さんのアンソロジー!パチパチパチ!
いろんなテイストが味わえるのがアンソロジーの醍醐味。
どの作家さまも個性(というかウリ)を前面に出した作品でうれしいラインナップ。
一番面白かったのは、やはりキャラ勝ちで海堂センセイ。ワンニャンコンビ、大好き。
その次は安生氏でした。この方はパニック小説得意なんですね。登場人物は文句ばっか言うヤツ(すぐにお前のせいだ!とか言う)なので好きではないのですが、ドキドキハラハラしました。
どの作品も満足できます。オススメ! -
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加納&玉村刑事が巻き込まれた寝台特急での密室殺人、リサイタル後に起きた有名ピアニストの服毒死の謎、元特撮ヒーローを襲う不可解な誘拐事件、猛吹雪からの首都脱出―テレビドラマと連動したコラボレーションも話題を呼んだ、『このミステリーがすごい!』大賞受賞作家4名が贈る傑作ミステリー短編集、ついに文庫化!それぞれ独立した4つの物語を各作家が繋いだ、書き下ろし幕間つき。
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海堂尊、中山七里、乾緑郎、安生正という、このミス大賞作家がのリレー形式の連作である。タイトルにあるように、つながりは極ごく弱いが、書き下ろされた幕間の巧みな誘導によって、まとまりのある印象になっている。作家それぞれの持ち味もいかんなく発揮されているので、読み応えもあって、愉しめる一冊である。