- Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
- / ISBN・EAN: 9784299006332
作品紹介・あらすじ
号泣必至!
佐藤健、阿部寛出演!
10月1日映画公開予定の「骨太社会派ヒューマン・ミステリー」ついに文庫化です。
誰もが口を揃えて「人格者」だと言う、仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が、身体を拘束された餓死死体で発見された。
怨恨が理由とは考えにくく、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。
しかし事件の数日前に、一人の模範囚が出所しており、男は過去に起きたある出来事の関係者を追っているらしい。そして第二の被害者が発見され――。
社会福祉と人々の正義が交差したときに、あなたの脳裏に浮かぶ人物は誰か。
※画像はポスタービジュアルです
感想・レビュー・書評
-
生活保護の受給制度について、ミステリを交え問題提起された作品。
中山七里作品の積読は潤沢。
通読は本作で5作目となる。
私は中山七里の描くミステリが好きだ。
時にグロテスクに、時に悲哀的に散りばめた惨事を、一つひとつ綺麗に採集し、まとめてひっくり返してくる。
そんな著者が描いた社会派ミステリ、読まない理由が見当たらない。
生活保護という行政の制度は、あらゆる要因によって社会的弱者となったものを護るべき制度でなければならない。
至極、当たり前のことが、不正受給や貧困ビジネスという悪用や保護費担保による複雑な審査、不毛な条件提示によって不受理となる制度の裏側がリアルに描かれている。
また、ミステリとしても最後のどんでん返しまで巧妙に描かれていて、久々の中山七里節はやはり健在であった。
しかしながら、生活保護の問題提起が目的なのか、はたまたミスリードの印象づけが目的なのか、中盤はほぼ平行展開が続いたことで中弛みを感じてしまい、読了後は読み応えよりも、読み疲れが先に来てしまった。
ただ、本編ラストで犯人がSNSへ投稿した標題名へ向けたメッセージには、とても胸を締め付けられた。正直者が馬鹿を見てはいけない。見るべきは光ある未来なのだと私は受け取った。
総じて、クオリティの高い作品であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
数年前、同じ会社の購買部門の部長に、
『まきちゃん、最近なんか面白い本ない?』
と訊かれ、その時たまたま読んでいた中山七里の悪徳弁護士シリーズを4冊貸してさしあげた。
いたくその本を気に入って下さり、その後中山七里を読むたび部長に回していたのだが、ある日部長が、
『護られなかった者たちへ 俺買ったから、読み終わったらまきちゃんに回すから、買わなくていいよ』
と言われ、その言葉を信じて待っていたのだが、部長は会社を辞めてしまった。
え?本は???(^◇^;)
あーーーー読みたかったのずーーーーっと我慢してたのにーーー。
ってことでやっと購入して読んだ(笑)
仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が身体を拘束された餓死死体で発見された。
誰からも恨まれることのない善人である三雲が何故、餓死させられたのか。そこには深い恨みが存在するのではないか?
怨恨の線から捜査をするが、三雲を恨んでいるような人物は浮上せず、捜査は一旦は暗礁に乗り上げる。
事件の数日前、模範囚だった利根が出所していた。
利根は過去に起きた事件の関係者を追っていた。
そして、宮城県議会議員の城之内猛留が、三雲と同様、餓死死体で発見される。
三雲と城之内の関係を洗っていくうちに、過去の事件に辿り着いた刑事は、利根の行方を追う。
さすが中山七里先生、そしてこの本が高評価なのも頷ける。
単純に犯人捕まりました、めでたしめでたしと落としてこないのが中山七里先生。
ただ映画化されたこともあり、装丁が映画のキャストの写真になっていて、登場人物をこの配役に当て嵌めて読んでしまう為、もう利根を想像すると、佐藤健にしか想像が出来なくなる。
いや、佐藤健が利根役なのかは知らんけど(-。-;
するってーと、どうしても佐藤健の女装を想像してしまうわけで、うーん、、、、
やっぱり小説は頭の中だけで想像しながら読むのが面白いよね(^◇^;)-
Manideさん
土瓶部長の元で働いたら面白いかもですね( ̄▽ ̄)
『じゃ、明日までに魍魎の匣を呼んでくるように』
とか言...Manideさん
土瓶部長の元で働いたら面白いかもですね( ̄▽ ̄)
『じゃ、明日までに魍魎の匣を呼んでくるように』
とか言われそうψ(`∇´)ψ2023/11/24 -
もちろん言いますとも。
感想文は最低でも50ページ以上で提出するように!!
┐( ̄ヘ ̄)┌もちろん言いますとも。
感想文は最低でも50ページ以上で提出するように!!
┐( ̄ヘ ̄)┌2023/11/24 -
土瓶部長
で、、、、
ですよねーーーーー!!!(-。-;
一ヶ月以内に百鬼夜行読了せよ!とかね( ̄▽ ̄)土瓶部長
で、、、、
ですよねーーーーー!!!(-。-;
一ヶ月以内に百鬼夜行読了せよ!とかね( ̄▽ ̄)2023/11/24
-
-
bmakiさんのレビューを拝読して読みたくなった作品です。
bmakiさんありがとうございます!
震災後の仙台で、誰からも恨まれる筋合いのない善人で通っていた三雲忠勝が、無人のアパートで手足を縛られて餓死させられます。
そしてやはり人格者といわれていた城之内猛留も同じように手足を拘束されて餓死。
県警捜査一課の笘篠誠一郎は二人が同じ塩釜福祉保険事務所に勤めていたことを突き止めます。
調べていくと過去に隠された生活保護申請者の中に、二人に恨みをもつ者がいたことがわかります。
笘篠は二人に恨みを持つ利根勝久という前科者がちょうど出所していることを突き止め、もう一人塩釜福祉保険事務所にいた上崎岳大の殺害を止めようとしますが…。
中山七里さんは久しぶりに拝読しました。
以前、ブクログを始める前「ドビッシー」とか「ベートーヴェン」とか「ショパン」とか音楽家の名前がタイトルに入っているシリーズを読んだことがあったのですが、イマイチ、漫画っぽいと思ってしまいそれっきりの作家さんでした。
こんな、社会派路線の作品もあったのですね!
これなら文句なく星5です。
でも最初はなぜ、犯人も動機も最初からわかっている事件じゃないの?と思いわざわざ、最後に一体何があるのかと思って読んでいたら、やっぱりありました!
それで、その謎がストーリーで明かされる直前に、読者にもわかるという読者の読解力にも花を持たせるような書き方も嬉しく思いました。
どなたか他にも中山七里さんの社会派作品で面白い作品をご存知の方がいらしたら教えていただければ嬉しいです。できれば文庫化されているもので。-
まことさん、ありがとうございます(*^^*)
めっちゃ嬉しいです。
私の中では、神様のまことさんのレビューに私の名前が。。。
奇跡です...まことさん、ありがとうございます(*^^*)
めっちゃ嬉しいです。
私の中では、神様のまことさんのレビューに私の名前が。。。
奇跡です(*≧∀≦*)
岬さんのシリーズは、合う、合わないあるのかもしれないですね。。。
私はあのシリーズから、中山七里先生にハマりました(*^▽^*)
中山七里先生の、悪徳弁護士のシリーズは、私は大ハマりしましたよ。
会社の部長に貸したのですが、部長もそこから中山七里先生に大ハマりされておられました(^-^)2023/12/28 -
bmakiさん、おはようございます♪
とんでもないです。
神様だなんて、買いかぶり過ぎです(^^;。
このレビューだって、bmak...bmakiさん、おはようございます♪
とんでもないです。
神様だなんて、買いかぶり過ぎです(^^;。
このレビューだって、bmakiさんのいいね!数が驚異的数字になっていますね!私150以上もいいね!きたことないですよ!
岬さんのシリーズは悪くはなかったのですが、この作品みたいな作品の方が好きなんです。社会派ですね。横山秀夫さんみたいな警察小説までいくとそれは、ちょっとマニアック過ぎてとっつきにくいのですが。
このくらいのエンタメ作品がちょうどいいです。
悪徳弁護士のシリーズですね!
あとで調べてみます。教えて下さりありがとうございます!
では今年も残りわずがbmakiさんもよいお年をお迎えくださいね!2023/12/29
-
-
胸が締め付けられました
被害者が善人
加害者が悪人という世間の先入観にも訴えるような話にも感じます
物事には全て意味と理由があると思います
そして、命に関わることや暴力には
【正義、正解は絶対にない】
自分は出来るだけ人と接する時はなるべく、少なくともトゲが無いように心がけてます
スーパーボールと同じで、投げた強さで戻ってくると思っているので
嫌な事は嫌なことで戻ってくる(嫌な事は同じ力~それ以上の力で…)
良い事には良い事で戻ってくる(お礼くらいの力~同じくらいの力かもしれない)
けど良い事の方が絶対良いですし
でもそれほど期待してはイケないんですが…(笑)
※話は変わり今日 健康診断に行きました
昔やってた運動をせずに1年本を読みまくった結果…
【6キロ太り…視力は両目1.5に上がる】
という謎の結果になりました(笑)-
こっとんさん
コメントありがとうございます
自分には二人子供がいて、小さいときに理解しやすいかな?と思って
話してました
投げる的もちゃ...こっとんさん
コメントありがとうございます
自分には二人子供がいて、小さいときに理解しやすいかな?と思って
話してました
投げる的もちゃんと見定めて投げないと角に当たって変な方向に行って他人に当たったり、ガラスも割っちゃう事もあるし…
場合によってはお気に入りのスーパーボールなのに、どっかに飛んでっちゃって手元に戻って来ないし…
そうならないようにしてね…と話してました。2022/12/12 -
yyさん
コメントありがとうございます(°▽°)
そうなんですよ読書も格闘技!!
元々本は読むんですがコロナ渦になってから出掛けるのを減...yyさん
コメントありがとうございます(°▽°)
そうなんですよ読書も格闘技!!
元々本は読むんですがコロナ渦になってから出掛けるのを減らし
読書を趣味にしました
確かに姿勢が大事で自分の場合は【首】にきてしまい
体に負担かけない読み方とか編み出しますよね(笑)
そうか…立って読むのもアリなんですね(笑)
ブックスタンド持ってるので試してみます(*´∇`*)2022/12/12 -
ベルゴさん、お返事ありがとうございます♪
うわあ!ますますステキな続きがあったとは!
格言手帳に上書きさせていただきます。
ベルゴさん、お返事ありがとうございます♪
うわあ!ますますステキな続きがあったとは!
格言手帳に上書きさせていただきます。
2022/12/12
-
-
とっても考えさせられる作品でした。
誰もがみな「善人」「人格者」と評価する、三雲忠勝・城之内猛留の両名が、何者かの手によって餓死させられた…。この事件の真相に迫るのは、宮城県警捜査一課の笘篠と蓮田…彼らは、被害者たちが生活保護の申請及び受給に関しての職務についていたことを知り、さらに次に狙われるのは当時塩釜保健福祉事務所長だった上崎ではないかと目星をつける…。そして犯人は、知人の生活保護申請で暴行及び放火事件を引き起こし、宮城刑務所を出所したばかりの利根勝久ではないかと睨むのだったが…。
最低限度の生活を営むことが貧困のためできない世帯もあれば、保護費の不正受給の問題もあったりします。生活保護は、「最後の砦」と言われますが、本当に必要な人は、国の世話になるなんて…と遠慮しがちですよね…。そもそもが、申請制なのも問題がありそうだと個人的には思ったりもして…。
この作品内に登場する、遠島けいさんという老婆もそうですよね…。なかなか申請に行こうとせず、それでもようやく利根の説得に応じたのに…なんだかとっても悔しいです。終盤のけいさんの遺言と犯人からの「護られなかった者たちへ」のメッセージに胸が熱くなりました。-
Manideさん、今日もお疲れ様です( ^^) _旦~~
私は映画は観てないけれど
観たくなっちゃいました!
生活保護の抱える問題...Manideさん、今日もお疲れ様です( ^^) _旦~~
私は映画は観てないけれど
観たくなっちゃいました!
生活保護の抱える問題点を提起しつつ
ストーリーが展開していくので
重みも感じたけれど、読めてよかったと思います。2024/04/11 -
映画もね、ほんと、いいですよ。
予告をyoutubeで、ぜひ見てみてください。
阿部寛…
サザン…♪
佐藤健…
もう、ぜったい...映画もね、ほんと、いいですよ。
予告をyoutubeで、ぜひ見てみてください。
阿部寛…
サザン…♪
佐藤健…
もう、ぜったいみたくなりますよ。2024/04/11 -
Manideさん、おはようございます♪
早速YouTubeみてみました(*^^)v
すごいいいですね…。
そそられます…映画、完璧観た...Manideさん、おはようございます♪
早速YouTubeみてみました(*^^)v
すごいいいですね…。
そそられます…映画、完璧観たくなりました!!
ありがとうございますっ!2024/04/12
-
-
久しぶりの中山さん!
里帰りしたような気分ですが、うー、なかなか重かった、切なかった
生活保護制度の様々な問題が取り沙汰される
前半話が平行状態となり、なかなか発展しないので少々だらけ気味となる
しかし、利根とけいとカンちゃんの話に入った途端、読む手が止まらなくなる
温かい三人の仲睦まじいやり取り
そして、けいの飢えの極限状態の描写は、なかなかキツイものがあった
飢えを凌ぐ為にティッシュを食べる!
ガスも電気もとめられ、水も出ない
世の中には、こうして飢え凌んだ末、飢餓状態で死んでいく人がいるんだと思うと本当につらい
話はフィクションだからなのか、どうも生活保護受給の実態とは少し違う所があるようだ
生活保護の問題点は沢山あるようだが、私が一番気になるのは、生活が苦しいのに保護を受けていない人がいるということ
しかもその理由が生活保護という制度を知らないという事
生活保護は申請主義のため、申請がなければ福祉事務所はどうする事も出来ない
国は税金は容赦なく徴収するのに、支給する方は申請しないと出さない
だから誰かが手を差し伸べてあげなければ、死活問題に発展する
生活保護が本当に必要な人に支援が行き届かないというのは、命に関わる大きな問題である
「生きているだけでお金がかかる」
「お金って本当に大事」
「働けるうちに働こう」
「困らない様に勉強しておこう」
これは日頃の私の心の声である
ラストは中山さんらしい展開
どんでん返しとまでは言わないが、明かされる真相に納得=(^.^)=
そこから持って来たかあ!? -
なるほど。
この分厚さ、冗長と思われる描写、全てに意味があったということか。
職場の先輩に「これやばい、止まらない、寝れない」とのことで、借りた作品。
わたしは本を読むときに付箋をつけまくったりするし、日常的に持ち歩いてるから汚れやすくなるので、あんまり人から本を借りて読むことってないのだけれど。
と、それは言い訳のようなもので、実は自分のタイミングで読みたいからあんまり「返さなきゃ」と追い詰められている状態で本を読むのが好きじゃないってだけ。
でも、この作品のおかげで読書したいって感じが戻ってきた。
久々の社会派刑事モノ。
犯人がわかったところで、わたしが抱いた感情は「怒り」だった。
物語の内容や、犯人に対して、ではない。
例えば、伊坂幸太郎作品は、読んでいる途中に、あれ?っていう違和感がたくさん散りばめられていて、その違和感が最後に回収されて、物語が全て繋がってくる。この繋がる感じはいつも本当にすごい。
ページを戻っても戻っても、違和感はちゃんとそこにあって、読み違いを引き起こしているのは自分で、伏線回収のためには、無駄だと思われた描写に、無駄なところはひとつとしてない、という感覚。
読んでいる時の感覚としては、80の違和感、20のふーん、でラストの伏線回収で100になる。
で、この作品はというと、0の違和感、100のふーん、でラスト1000になる。
そう、どんでん返しである。
なんかもう、「あの時間を返してよ!」という怒りの方が強く出てしまったのである。
ページを戻りまくっても、やはり違和感なく物語が進んでいる。
これはどうなの?多少の違和感はほしくない??
この作品を貸してくれた先輩にこの話をしたら、「まさに中山七里にやられましたね」と言われ、わたしの反応はまさに著者の目論見通りの反応のようで、先輩はにやにやとしながら出かけて行った。
生活保護受給をめぐる物語。
今の時代、生活保護をもらうことはこんなに厳しいものだろうか?
生活保護受給中で、家族全員Switchを持ってる家があったり、最新家電を取り揃えてる家もあったりするから、この辺はわたしにはわからない。
以前お笑い芸人の母親が生活保護を受給していた、ということが分かった時、あのお笑い芸人はものすごくバッシングを受け、メンタリストDaiGoが生活保護にかけるお金をホームレスじゃなくて猫にかけるべきだ、みたいなことを言ったら今度はDaiGoがすごく批判を受けることになって、生活保護というのは国民からの税金というだけあって、みんなの関心事なのかなとも思う。個人的には、DaiGoの発言自体はどうかとは思うけれど、あのお笑い芸人の時より、生活保護が他人事じゃなくて自分事になったのかな、とも思った。コロナ禍を経験して、生活保護を受けている人たちを、社会が責めるのではなく守っていくような見方に変わったのかな、国民全体が、いつかは自分も使うかもしれない制度だと思うようになったのかもしれないな、と、この二つの出来事を通して思ったのだ。
うまく伝わるかな。伝わるといいな。
生活面での困りごとは、みんなが普段払っている税金や医療費で解決できたらいいなと思ってる。
その、制度に届いていない人、制度からあぶれちゃってる人が多すぎる。
それを役所に相談しようにも、相談しても、対応がよくなかったりして、使えるサービスがあるのに、二度と使えなくなってしまったりしてるのが現状だ。
これを読んでくれた方で、何か生活面での困りごとがあったら、まずはソーシャルワーカーに繋がってほしい。
だけど、どうにもならなかったら、まずはわたしに言ってね。-
2023/09/13
-
土瓶さん
まずは困りごとを聴かせていただいた上で、しかるべき専門家につながせていただきます!土瓶さん
まずは困りごとを聴かせていただいた上で、しかるべき専門家につながせていただきます!2023/09/16
-
-
東日本大震災後の復興が進む仙台で発生した連続殺人事件。一人目は、社会福祉事務所に勤める善人の男性。二人目は、県会議員の人格者の男性。二人はある地区で同時期、生活保護申請に関わっていた。
この作品は震災後の影が色濃く、もっと早く読めば良かったと思います。そして、生活保護問題を扱うことは、難しい取り組みだったとも思いました。
不正受給者と、“護られなかった者”。前者が増えれば、後者も増えてしまう。作品では、護られるべきであった老女の申請却下に関わった担当者が、ターゲットとなりました。犯人は、保護申請の却下が間接的な殺人とみなします。
作品では、福祉側の人間の対応の問題点を浮き彫りにします。届かない福祉に息苦しくなります。
現実では、問題点はあるでしょうが、真摯対応をされている方々のご苦労は計り知れません。
犯人は、逮捕されますが、真の犯人は誰であるのか、何であるのか、考えてしまうミステリでした。 -
テーマは生活保護、社会保障。
社会派ミステリー!号泣必至とはなりませんでしたが、最後のSNSのメッセージには熱いものがこみ上げます。
映画見てみたい..
ストーリとしては、
復興後の仙台にて、福祉保険事務所の課長が餓死死体で発見されます。怨恨の線で捜査を開始した苫篠。しかし、あまりの善人ぶりに容疑者が浮かばず、捜査は暗礁に乗り上げます。そんな中、県議会議員が同様に餓死死体として発見されます。この二人の接点は?
それは、過去に起きた保険事務所での出来事。
さらに、その事件の前に出所してきた模範囚の利根。
その利根も過去に起きた保険事務所での出来事に大きく絡んでいました。
利根が探る過去に起きた保険事務所の関係者。
3人目の犠牲者が発生するのか?
苫篠が追う犯人
その事件の真相は?
といった展開です。
この背景には生活保護における問題が大きく取り上げられています。不正受給や予算不足。
制度がありながらも、その申請が不受理となってしまうg現実。
誰のための制度なのか..
そして、最後の犯人からのSNSのメッセージ
「護られなかった人たちへ」
ぐっときた...
とってもお勧め!
映画も見たい! -
どこまでも悲しい話。誰が悪くて、何が正義なのか… 社会保障制度問題を痛切にえぐる社会派ミステリー。
震災にあった仙台を舞台に、福祉保険事務所の署員が餓死死体で発見される。犯人捜索のため警察官が奔走するが、第二の死体が発見され…
なにかと批判や議論が多い生活保護制度ですが、少し歯車が狂えばすぐに自身の問題になりうる。あくまでフィクションですが、社会保障制度の背景や同様のエピソードは実際によくある話でしょうね。家族のために準備しておくことはないのか、社会に対して自分には何ができるのか、とくと考えさせられました。
ストーリーはとても綺麗に整った社会派ミステリーで、展開もうまく、まさに映像化に適したお話です。登場人物も個々魅力的で、芝居のしがいもありそうですね。いつか映画も見たいと思います。
我が国、日本で生きていくにはしっかり認識しておかなければならない検討課題である社会保障制度。ひしひしと胸に刻まれるタフな社会派ミステリー、必読です。