文豪たちのずるい謝罪文

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299007704

作品紹介・あらすじ

日本の文豪たちが自らの名文を生かして書いた詫び状は、ユーモアに溢れています。金の無心から締切の交渉、不倫の言い訳、喧嘩の仲裁や詫び、どれも機知に富む言い回しで、思わず言いくるめられてしまいそうになるのです。短い文章ながら独自の世界観があり、読んでいて面白く、文学好きならのぞいてみたい「文章表現」です。中国文献学者の山口謠司先生による文脈や読み解きの解説とともに、文豪の謝罪の「名文」を味わいます。

感想・レビュー・書評

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  • 借金、浮気、締め切りの言い訳に苦心した文豪たち 『文豪たちのずるい謝罪文』 | J-CAST BOOKウォッチ
    https://books.j-cast.com/2020/09/08012897.html

    文豪たちのずるい謝罪文│宝島社の公式WEBサイト 宝島チャンネル
    https://tkj.jp/book/?cd=TD007704&path=&s1=

  • 借金、〆切、対立、不倫、死までも文才で謝罪する文豪たちの逸話。
    第1章 金!金をくれ!・・・太宰治、夏目漱石、坂口安吾など10人。
    第2章 〆切から逃げろ!・・・芥川龍之介、泉鏡花など6人。
    第3章 文豪VS文豪・・・小林秀雄、中原中也、菊池寛など7人。
    第4章 不倫の言い訳・・・北原白秋、林芙美子など6人+2組。
    第5章 死ぬ理屈・・・田山花袋、有島武郎、火野葦平など6人。
    文豪のプロフィール、引用出典、参考文献有り。
    さすが文豪、されど文豪の、言い訳と謝罪を逸話と共に読み解く。
    どうしようもない言い訳ばかりなのですが、
    何とも言えず読み進めてしまうのは、さすが作家として名を成す
    方々の文章だからでしょう。いや、面白い。個性も半端ない。
    著者の解説・・・読み解きが語彙や漢字の意味、文脈等にも
    及んでいて、それからしても詫び状に言葉の知識が感じられます。
    妾や娼婦、姦通罪があった時代。才覚で成功を信じた者たち。
    感情のベクトルの振り幅の激しさは豪快でいい加減であると共に、
    人間臭さが濃く表れています。
    寸鉄人を殺す&ペンは剣よりも強し!

  • 謝る気、ないのかもね。悪いと思ってない、心のおもむくまま、感情で作品ができている。姦通罪…すごいな、物語の中で生きてる。人間味ある、ってことか。今みると 昔の作家は ギリギリの所で生きてる。

  • 文豪が書いた手紙というと、太宰治が川端康成に書いたものが有名かと思いますが、本書には、いろんな文豪が書いた手紙や謝罪文がまとまっています。謝罪というより、もはやギャグです。滑稽でなりません。

  • 文豪たちの豊富な語彙力と表現力が繰り出されるものはなんだかくすっとわらえるものばかり。
    高次元でのやりとりです。

  •  文豪らしい名文ならぬ「自分勝手な言い訳」や「凡人には理解不能な論理構造」による迷文の数々が登場。
     一方で「怨根骨に達した」(萩原朔太郎)や「恩借の金子」(正岡子規)など言葉のプロらしい感情を上手く載せた言葉選びは秀逸。
     「不倫の言い訳」では、今ならストーカー的な広瀬和郎の重いラブレターや、斎藤茂吉や林芙美子の無邪気な手紙など臆することのない愛情表現。皆さんアツいです。この情熱が数々の名作が生んだ!?
     そして「怒り」。太宰の志賀直哉への反撃は小説の神様もけちょんけちょん。解説文からも当時の文学界の権力構造が垣間見えて「よくぞ言った」感も。文豪たちの生々しい姿が見えてきて面白かったです。

  • 文豪たちの,借金,不倫の言い訳,遺書,不平不満けんかなどの書簡.持って回った言い方だったり直截な文章だったり,それぞれの個性が表れて面白い.しかし文壇というところ,なんと不倫の多いところかと半ばあきれてしまった.

  • 2020.09.26 朝活読書サロンで紹介を受ける
    http://naokis.doorblog.jp/archives/reading_salon_162.html

    借金、浮気、締め切りの言い訳に苦心した文豪たち 『文豪たちのずるい謝罪文』 | J-CAST BOOKウォッチ https://books.j-cast.com/2020/09/08012897.html

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著者プロフィール

1963年、長崎県佐世保市生まれ。大東文化大学文学部中国文学科教授。中国山東大学客員教授。博士(中国学)。大東文化大学文学部卒業後、同大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。専門は、文献学、書誌学、日本語史など。著書に『心とカラダを整える おとなのための1分音読』(自由国民社)『文豪の凄い語彙力』(さくら舎)ほか多数。

「2020年 『語感力事典 日常会話からネーミングまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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