史料から読み解く三河: 西尾市岩瀬文庫特別連続講座

制作 : 田島 公 
  • 笠間書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305705853

作品紹介・あらすじ

三河の長い歴史や豊かな文化の源をさぐる書。日本の歴史を語るときに欠かせない「三河」。古代〜中世にかけてのトピックスを選りすぐり、史料をもとに丁寧に解説。魅力あふれる三河の来歴を知る。

本書は愛知県西尾市亀沢町の岩瀬文庫にて行われた講演をもとに書き下ろした五編を収録。松井直樹(前西尾市岩瀬文庫長)、金田章裕(人間文化研究機構長・京都大学名誉教授)、荒木敏夫(専修大学教授)、馬場 基(奈良文化財研究所研究員)、原秀三郎(静岡大学名誉教授)らによる。歴史・文学・考古学など各分野の専門家が、三河の歴史を独自の切り口で読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 2009年~2010年に西尾市で開催された「西尾市岩瀬文庫特別連続講座」の講演録のうち、三河と西尾に縁のある5編を収めたもの。
    第1章「丸山御所の時代 吉良氏と実相寺」では、鎌倉時代から室町時代にかけての吉良荘の動向を解説している。知られている通り、吉良氏は足利氏の一門筆頭だったにもかかわらず、戦国時代ではまったく存在感がないのが(私には)疑問だったのである。応仁の乱の際、東西吉良氏(東条吉良氏と西条吉良氏)で小競り合いがあったことが史料に残されているが、これは隣町のヤクザの抗争レベル。松平氏(後の徳川氏)は、吉良氏と矢作川の水利権で常に揉めていたものの、互いに縁戚関係にあったので本格的な戦は行っていない。また、今川氏は元々は吉良氏の分家(足利一門のナンバー3)であり、三河侵攻の際も吉良氏を優遇している。その証拠に、吉良氏の菩提寺である実相寺の第8代住職として、かの太原雪斎(!)が就任している。桶狭間合戦の直後、織田信長の吉良領侵攻により実相寺は焼かれてしまったが、すぐに織田・松平の同盟が成立して吉良領は安堵。どうも吉良氏の動向を伝える史料は少ないらしく、この程度のことしか分かっていないけれど、後に高家になるくらいなので、当時から徳川家康の朝廷対策を担っていたのかな。
    第2章「古代三河の国府・条里・交通路」では、主に三河国府の所在地論争をまとめている(要するに、まだ結論が出ていない)。名鉄の「国府(こう)駅」付近だということは、さすがに間違いないけれど。また、古代東海道の宿場町である「鳥捕」「山綱」「渡津」のそれぞれの位置関係を推測している点も面白かった。そんな名前の宿場町、私は1つも聞いたことが無かった…。東海道の道筋も、時代ごとにだいぶ変わっているみたいだね。

    以降は読んでいないので、タイトルのみ列挙:
    第3章「藤原仲麻呂の乱と西三河」
    第4章「参河の海の贄木簡のかたること」
    第5章「『万葉集』から持統上皇三河行幸を読み解く」

    【川崎市立中原図書館 215.5 貸出可】

  • 【新刊情報】史料から読み解く三河 A210/チ http://tinyurl.com/ckpsfke 日本の歴史を語る上で欠かせない三河。歴史、文学、考古学など各分野の専門家が、古代から中世にかけてのトピックスを選りすぐり、魅力あふれる三河の来歴を、史料をもとに丁寧に解説 #安城

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