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  • Amazon.co.jp ・本 (109ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305708120

作品紹介・あらすじ

〈読む〉楽しみは、ここから始まる!

文学作品を読むためには、まず本文のあり方を知っておく必要があります。今、目の前にある萬葉集はどれだけ「原文」に近いのか遠いのか。どこまで解明され、何が課題となっているのか。
基本研究文献、萬葉集の伝本一覧、複製・画像、写本・刊本所蔵機関の情報も掲載。知っておくべき、知識と技術の基本を紹介します。

執筆は、小川靖彦/田中大士/城﨑陽子/新谷秀夫/景井詳雅/池原陽斉/新沢典子/樋口百合子/大石真由香/舟木勇治/李敬美/安井絢子/岩田芳子/小田芳寿/嘉村雅江/茂野智大

【…『萬葉集』に限らず、『古今和歌集』『源氏物語』『平家物語』『奥の細道』、さらには近現代の小説や詩など、文学作品は音楽作品に似ています。音楽作品は作曲家が創作したものですが、演奏されることで初めて姿を現します。演奏者の解読・解釈によって、同じ作品が全く異なる表情を見せます。“唯一の正しい作品”がどこかに抽象的に存在しているわけではないのです。それぞれの演奏が「作品」と言えます。しかし、それは演奏家による創作ではなく、あくまでも作者は作曲家です。
 文学作品も書写・出版されるたびに、解読・解釈されながら、新しい姿に生まれ変わってゆくものと考えられます。紙などの物質的な素材や装丁、文字・絵・図、さらにレイアウトとともに、文学作品の本文は、その都度新たに立ち現れるのです。しかし、それぞれの写本・刊本・近代的印刷本、今日ではさらにコンピュータ上のデジタル情報として現れた作品は、それぞれの製作者の創作ではないのです。それは、『萬葉集』ならば『萬葉集』の一つの姿であることに変わりないのです。】…「萬葉写本学への招待―文学作品における本文とは何か」より

著者プロフィール

青山学院大学文学部日本文学科教授。
1961年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修了。博士(文学)。
著書:『萬葉学史の研究』(おうふう、2008年〈2刷〉)、『万葉集 隠された歴史のメッセージ』(角川選書、角川学芸出版、2010年)、『万葉集と日本人』(角川選書、KADOKAWA、2014年。第3回古代歴史文化賞)、『萬葉写本学入門』(編著、笠間書院、2016年)など。

「2017年 『『万葉集』における帝国的世界と「感動」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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