きょうのできごと

著者 :
  • 河出書房新社
3.54
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本棚登録 : 197
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (139ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309013282

感想・レビュー・書評

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  • 若いときの勢いとせつなさともどかしさを一日の出来事で表現していて、昔懐かしい不思議な空間に入りこんだようなそんな本だった。図書館何気なく手にとってみただけだったけど、いい空気感のなかで読み進めることができた。

  • 特に大きな出来事でもないことを小説にするというのは勇気がいる。それをやった作者はすごいとは思う。でも、文章の書き方が気になったなあ。「並んでた」とか。「並んでいた」じゃないのかなあ。

  • 元同僚の佐久間さんという方に「生涯ナンバーワン映画」ということでおすすめされた”きょうのできごと”。映画を見たものの、その良さをつかむ事ができず、改めて小説でも読んでみました。なんとなくそこにあるものを切り取った感というか、特段物語を紡ぐ必要も無い、ということが物語なのだ、ということがいいたいのかなーといった感じ。雰囲気小説というか。泣けもしないし、胸が締め付けられるようなこともない。
    ただ深夜の若い時、このような時間の過ごし方があった、ということ。

    それに意味があるのかと思うと、個人的には無いと思う。それよりお金も時間もかけている以上、なんならかの心の揺さぶりをして欲しいし、それが私が小説群に求めるものなんだということだし、そういった意味で言うとこの本については、良く言えば異色の作品、悪く言えば読む必要のない本だといえる。2015年最初の本でした。

  • 時間が前後しているのが、なぜか心地良い。
    登場人物が、みんなかわいい。そう思えるのは、自分が年をとった証拠かなぁ。
    あと、カワチくんの彼女がわがままで、わがままな彼女の気持ちがわかる自分のことを反省...。
    十年後も読もう!

  • う~ん、そうなのか…と思うんだけど
    なんとなく共感はなくって
    もう少し若い時に読んだら、
    感想が違っていたかなと思う
    結論、結果がない小説は
    余韻や想像する隙間が好きなんだけど
    淡々としすぎていて
    『きょうのできごと 10年後』も
    きになるけど、読まないかもしれない

  • ほんとに、なんでもない
    普通の若者たちの一日のお話なんだけど
    なんとも読後感さわやかな素敵な本でした。
    なんか、がんばろうって思える。

  • 久しぶりに再読。
    学生の時の、意味なく夜更かしした明け方の空気や、
    彼氏の大学研究室の飲み会に参加して、ちょっと気を遣われながら、
    でも楽しく飲んだオールナイトの雰囲気が鮮やかに甦った。

    以前に読んだときはまだ大阪に行ったことがなくて、
    京都の町ばかりが印象に残っていたけれど、
    ここ数年、大阪に通い詰めて、町を歩いたり、高速で京都南インターを通り過ぎたりと、より親しみが。
    最近、天王寺動物園に行ったばかりだから、かわちくんとちよのデートも風景が目に浮かんで、コアラやマレーグマを一緒に見ている気分になった。
    正道たちが高校時代、環状線の駅で和歌山行きたいって言っている感じもよくわかり。

    町の何気ないひと時を淡々と綴る、柴崎さんの作品が本当に好き。
    さあ「十年後」を読もう。

  • 淡々と瑞々しい。これが読み終わった後の率直な感想。1日のできごとを各々の視点で描く。大学生が主人公の物語。
    小説も映画も今まで読んだことなかったので、読み終えてあまりにもいいので驚いてしまった。いい。なんかいい。こんなに良質な作品だったなんて。。。もっと早くに出会いたかった。それこそ発行された2000年、18歳だった自分に読ませてあげたい。
    このくらいの年齢ってこんなんだったかも。バカやりながらもどこかしら冷めてて。酒飲んで暴れて騒いで楽しい。恋して、失って恋して。
    この空気感は出そうと思って出せるものではない。好きだぁ。
    10年後の彼らを読むのがいまから楽しみ。

  • 不思議な作品
    何だか頼りないけど
    ついつい読んじゃう
    カニ食いてえ
    4.0点

  • いちおう読めるんだけど、煮え切らない、うじうじした感じの登場人物の性格にどうしてもいらいらしてしまい、あまり楽しめなかった。

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著者プロフィール

柴崎 友香(しばさき・ともか):1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。

「2024年 『百年と一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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