世界がはじまる朝

著者 :
  • 河出書房新社
3.35
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本棚登録 : 85
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309015002

作品紹介・あらすじ

朝、目覚める度に記憶をなくしてしまう病にかかった14歳のルビー。精神科医のすすめでニューヨークから東京にやってきた彼女は、やがてkeigoという男の子と運命的な恋に落ちて…。女の子の今に捧げるバイブル小説。

感想・レビュー・書評

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  • 作者のデビュー作『メイドインジャパン』を以前に読んだことがあったので借りてみた。
    ニューヨークに住むルビーは、精神的抑圧による記憶障害を持ち、「昨日のことが記憶にない」ということより「自分は昨日と同じことをずっと繰り返しているのではないか」ということに怯えている14歳の少女。彼女はある日、母と離婚したかつての父がいる東京に旅立つことになる。不安と障害を抱えたまま、言葉も町並みもニューヨークとは全く違う土地に降り立った彼女は、偶然にも自分の「運命」と出会うことになる。
    『メイドインジャパン』とは180度異なり、なかなか感動的な作品。前作もそうだったが、日本と外国、日本語と外国語というテーマが根底に盛り込まれており、その異文化間の描き方が上手いと思う。また、アメリカ人独自の恋愛の仕方や生活様式、ものの見方などを受けながら、彼ら視点で日本という国が語られているのは少し新鮮だった。後半でルビーは「言葉の壁」にぶち当たることになるのだが、それをものともせず、言葉を超越した感覚だったり、身体的接触で互いにコミュニケーションをとろうとする彼女の姿はとても印象的で、彼女が抱く混沌とした思いも「よく考えればこのくらいの年齢って、ある意味不安との闘いだよなあ」と思ったりした。ラストの英語と日本語で書かれた手紙の部分は感動的で、読み返していたら思わずホロリとなってしまった。自分はどれだけのことを覚えていることができて、例え忘れることがあったとしても、それをどれだけ身体に覚えこませることができるだろうか?
    読破後、大学の英語の授業をもっと頑張ろうと思ったような気がしなくもなかった。

  • 内に向かいすぎる感じが共有できない。
    そもそも、横文字多いのが受け付けない…。
    読むリズムがつかめない…。

  • そういえば談話室で題名思い出せなくて質問したら回答してもらっていたままになっていたから読み直した本2。
    ‥‥うーんwwとてもティーン向けです
    成人して読むもんじゃないな

  • 【p224】
    これは、独りぼっちだった頃の弱さとは、また違う種類の弱さ。どっちも、つらいけど。

  • 14歳の誕生日から記憶が1日しか持たへんって記憶障害になってしまった女の子の話。
    朝、起きたら前の日の事は昨日の事は真っ白で空っぽ。
    自分の昨日が記憶から消える怖さ。
    毎日が新しい1日の世界。
    ルビーが1つの事にガッツリ入り込んでしまう女の子なんかな?
    だから、心に少し歪みが出てきてしまってるんちゃうかなぁ?
    苦しくって怖くて切ない、、、。
    でも、ケイゴ・クリス・パパにママ・リカオンにジェッシィの登場で温かい空気の物語になってると思う。

  • ままある話、みずみずしい

  • 十代向け。センシティヴだけど訴求力が足りない。

  • 未購入

  • 前作とうってかわって、落ち着いた作風。
    記憶を残せないルビーが切なくて、
    父親の恋人が男であるにもかかわらず、キュート。

  • 最後の手紙の部分、たまに思い出しては読みたくなります。若いふたりのただただ純粋な心が、悲しくて複雑で、美しい。

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