時の旅人

著者 :
  • 河出書房新社
3.29
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本棚登録 : 603
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (139ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309017037

作品紹介・あらすじ

日付変更線を超えて…ぼくたちは出会う。長野まゆみが贈る時空活劇的浪漫。

感想・レビュー・書評

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  • 時空を超えて、少年が経験した不思議な世界の話。タイムトラベルの話、というよりは夢を見ていたような、繋がるようで繋がらない奇妙な感覚が残るストーリーでした。
    長野まゆみさんらしい、言葉が美しくて読んでいて心地よさを感じました。時空の変化にはついていけなくて、おいてけぼりな気分を味わいつつも。

  • タイムトリップ系ってあんまし読んだことない。
    そしてこれは、
    どこでそう過去現在未来が繋がっているのか、
    よくわからなかったりします。
    でも、それがこの物語の魅力かなぁ

    ラストに、
    「100年くらいじゃ何も変わらないね」
    みたいなセリフがある。
    時代の変化を感じさせる風景描写がきっちりされてる半面、
    人間の変化を感じさせる心理描写なんてない。
    変わっているのは服装くらいで。
    昔の人は、とか今の人は、なんてよく言うしよく聞くけど、
    実は何もそんなに変わっていないんじゃんって思えてしまいます。

  • 寓話とかけた時空旅行の話は面白かったと思う。ただわたしに歴史の知識が乏しく、一度読んだだけでは内容を全部把握しきれず、読んでいてどの時代にいるのかも釈然としなかった。けれど面白かったので、もう一度寝かせて、歴史を少しかじったらまた読み直したい。

  • 最初は「不思議な話だな」から始まるのだけれど、読み進めるうちに、どんどん迷宮の中に迷い込んでいって、自分がどこにいるのかわからなくなる感覚になる。だけど引き返す道も分からないような。

    主人公の心の声かと思っていたら、急に誰かのセリフになったり、登場人物はひょっとしたら声に出して会話をしていないのかも。「」がないのも面白い。

  • やはり雰囲気でなんとかしている感が拭えないのは私の感性に合わないのか…。

    今回は表紙と雰囲気でチョイスしましたが、登場人物の台詞が「」で区切られていない書き方だった上に、改行もされず続け様に語られる部分があったので、途中からどっちがどっちの台詞だか分からなくなる場面もありました。
    そんな書き方でも基本的にはちゃんと会話なのだと理解出来たり、どっちの台詞なのか分かったのが凄い、とも思ったので、一長一短かも知れませんが…。

    また、短編三本?をまとめたのか、オムニバスだと途中まで気付かずに読んでいた為、話が繋がらずに余計に混乱する始末。

    その時代の雰囲気や風景が香り立つような美しい描写や流れは素晴らしいと思うものの、いかんせん話がよく分からないままだったのが残念。『少年アリス』くらい物語としての筋が通っていたらさらに良かったなと思いました。

  • タイムスリップする話。途中でわからなくなりそうだが、その不思議な世界観が好き。

  • 正直よくわかんないが、世界観を堪能した。

  • 3つの短編でできている。
    どの作品の主人公も、時空を超え、今いる世界とは違う時代を覗き見る。
    そしてまた現実へと引き戻されていく。

    なんとも言い表しがたい不思議な世界。
    レトロな雰囲気が、読んでいてとても心地よかった。

    なかでも「リュウグウノツカイ」が好きでした。

  • 面白かったです。時代を移動していくときにちょっと混乱しましたが、好きな空気でした。シロウヅやハク、不思議な人というか、人でないものかもしれませんが魅力的でした。長野さんの描かれる過去の世界が好きですが、未来も良いです。なんだかレトロで。引きこまれました。

  • 長寿の亀が登場する3篇。
    いろんな日付を行き来できる亀。魂は亀で、姿は少年。
    名前が違うけれど、同じ人(亀?)たちが登場ってことでいいのかな~。
    お祖母さんは毎回、職業美容師だし。
    他にもいっぱい謎があって、楽しかった。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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