影を買う店

著者 :
  • 河出書房新社
3.54
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本棚登録 : 470
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309022314

感想・レビュー・書評

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  • 皆川博子さんの未収録の作品を纏めた一冊。

    柘榴 が気に入った。

  • 「九十年代後半から今年(二〇一三年)までの約二十年間に発表された単行本未収録作品をまとめた皆川博子の幻想小説集」(※日下三蔵氏解説より)

    ・☆を7つ付けたい。2014年に読んだ中で、間違いなくベストの本。中井英夫ファンに強くお薦めしたい。
    ・一篇が10頁から20頁ほどの短篇・掌編集であるが、その世界の濃密さに圧倒される。
    ・まず研ぎ澄まされた文が美しく、やさしく艶やかな語感を声に出して味わいたくなる。豊かなイメージが呼び起こされ、異形たちの声が聞こえ、姿が見えるようで身が震える。
    ・作品中にも度々井戸が登場するが、著者の作品そのものが「井戸」のよう。居住空間の中にぽっかりと口を開けた、幽世に通じる禁忌の井戸である。身の毛がよだちながらも、そっと覗かずにはいられない。
    ・私は幻想文学が好きで山崎俊夫、中井英夫、赤江瀑、皆川博子を愛読してきたが、どうしても一人の著者の生み出す世界には限界があり、パターン化した展開に次第に飽いてくる。しかし、本作はその倦怠感を見事に破り、豊潤な世界に浸らせてくれた。リアルタイムで著者の作品を読めることが本当に嬉しい。
    ・特に好きなのは、「釘屋敷/水屋敷」(2011年)。無駄や淀みのない磨き抜かれた文章で、収録作品の中では2番目に新しい。一方、最も古い「沈鐘」(1995年)も好きだ。

  • 未収録作品を集めた短編集。
    前半の作品は分かりやすかったけれど後半は実験的な感じを受けるものも多くやや分かり辛かったです。

    独特の雰囲気は味わえました。

  • 2014年9月23日読了。

  • 猫座流星群、迷路、日が沈む、が特に好き。後暗い、一般的ではない暗さ、それは異端と呼ばれるようなものかもしれないけど、そういったものを好む人にたいへんお勧め。
    私は皆川博子のわかりにくーい暗い感じが大好きなのでうっとりしました。

    でも幻想小説、と呼ばれる類は私にはまだすこし難しい、かな

  • 難しいところもありますが雰囲気が好きで苦無く読めました。

    『沈鐘』『柘榴』『墓標』が好きです。

  • 幻想的な作品。個人的には肌に合わなかったが、好きな人はすごく好きだと思う。

  • 異形への偏愛、日常に潜む違和感、伝承への想い、いろいろ詰まった玉手箱のような一冊。『沈鐘』『魔王』が良かった。

  • 短編集だから読みやすかった。

  • 使者 | 沈鐘 | 釘屋敷/水屋敷 | 柘榴 | 夕陽が沈む

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著者プロフィール

皆川博子(みながわ・ひろこ)
1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ、幻想小説、歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、『恋紅』で第95回直木賞を、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞を、『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』で第12回本格ミステリ大賞を受賞。2013年にはその功績を認められ、第16回日本ミステリー文学大賞に輝き、2015年には文化功労者に選出されるなど、第一線で活躍し続けている。

「2023年 『天涯図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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