デビュー作を書くための超「小説」教室

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 272
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309023618

感想・レビュー・書評

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  • 具体的な方法論と言うより、「最終選考まで残った作品のどこを選考委員はみているのか」という話。
    この中では、特に自分の作品を読者としてみる目の大切さは「確かに…」と思いました。自作小説の他にPBWのゲームマスターもしているおかげで、その種の客観性は身についてきたように感じています。
    しかし、一番悩ましいのは、「暗い情熱」どころか怨念のこもった小説を今必死で書いているのですが、オリジナルではなく二次創作なので、文学賞に応募できないということなのですよね…。それでもどうしても書き上げたいという衝動の強さに引きずられて頑張っているのですが(とほほ…)。
    とにかく、書き上げてしまわないと安心して死ねません。既に10万字オーバーで、これが文学賞に応募できたらなぁ…と涙ながらに書いています。
    デビューできたところで後が続くとは限らないのがこの世界の厳しいところですが。

  • 本書を読んで良かったと思うと同時に、私は一生作家にはなれないとわかってしまいました。
    小説は、常に「新しい人」、「新しい作品」を探しています。ですが、私の作品はどこかで聞いたことがあったり、読んだことのある話ばかりです。そういった作品は、どれだけ文章が上手くても、オリジナリティ、ぶっ飛んでいる部分がないと、ただの真似事になってしまう。
    最近、ちょうど自分の才能の無さを痛感していたので、作家になる夢を諦めるいい機会になったと思います。ただ、どれだけ平凡でも、物語を作る楽しさはわかったので、ぼちぼち趣味でネットにUPしてゆるく楽しもうと思います

  • 著者の新人賞を楽しみにしている姿勢が伝わって大変よかった。
    小説を通史的に知っている人なので批評は一々的確。
    楽しく読んだし、小説を書こうと思ったらまずは著者のその手の本は全部読むべきだと思う。

  • あまり書き手の自由を奪うこと無く書くことをそそのかしつつそう言いつつも実際の選考ではどうなのかをも併録してあり、この人が選考している文学賞の雰囲気を知るのにはいいかもしれない。戸惑うかもしれないけれど、本来、書くことはそういうところからだと思う。

  •  なぜこの本を手に取ったのか。小説になりたいのか。確かに、表現する側になれればいいなあと思う。でも、強くなりたいと思っているわけじゃない。あるいは、そんなふうに思い込もうとしているのかもしれない。

    「書く他者」と「読む他者」を育てる。書くことにつきまとう、恥じらいを意識する。「ただしい暴走」をする。
     まだ、これらの言葉に「なるほど」と頷けるほどの人間ではない。でもいつか役に立つ日が来たらいいなあ。

     最近、読めば読むほど、「わからない」ものが増えてきて、もどかしさがあった。
     数々の新人文学賞の審査委員を務めていらっしゃる、著者である高橋源一郎氏は、片手には「地図」を持っているという。
     地図。そうか。私は地図がほしかったのか。
     歴史と地理がマッピングされた、文学史の地図。だから文学を学び、日々私の頭の中の地図に書き込んでる。
     わからないことに悩むなんて、なんて傲慢やったんや。わからないのは当たり前。わからなくても考えることが大事。

  • 高度な恥じらい、ただしい暴走、そしてブレイクスルー

  • 文学賞からのアプローチで,新人賞に応募する際の小説の書き方(書くことに対するイメージ)と高橋源一郎の文学賞選評をまとめている.各文学賞についてや,小説を書くことについて完全に無知な僕には非常に興味深かったし,小説を読む上で違う目線で読む面白さに気づくことができた.「小説になりうるには何かが足りない」といった曖昧な選評が多く(これはしょうがないことだし,作者が考えるべきことだと思う),シビアな世界だと改めて感じた..

  • いっちょう小説でも書いてみましょうか♪って気分になる^ ^

  • 小説を書く、ってどんなものなのかなーと。
    とても興味深く読めました。
    作家の新人賞に対するスタンスとかが赤裸々に語られていた。
    作品そのものを読むのではなくて、その奥に潜む、ひっそりと隠れている、可能性という幻の作品を読んでいるのだ、という姿勢には頼もしさを感じました。

    >いい小説は、すこし、過剰です。
    >何かを、すこし、いいすぎるのです。
    限界を超えて、一度、自分を解放する。
    そうやって小説を書くことができたら、どんなに気持ちいいんだろう。気になります。

    ただしい暴走についても面白かった。
    山崎ナオコーラって奇をてらっていて頭でっかちな感じがハナから苦手だったのですが、確かにただしく暴走しているのかもしれない。

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著者プロフィール

作家・元明治学院大学教授

「2020年 『弱さの研究ー弱さで読み解くコロナの時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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