- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309024325
感想・レビュー・書評
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セックスも家族も無くなる
こんな世界の話は初めてでだけど
ありえない話ではない気がしてきて
面白かったです
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3.26/1725
内容(「BOOK」データベースより)
『「セックス」も「家族」も、世界から消える。日本の未来を予言する圧倒的衝撃作。』
冒頭
『「アダムとイヴの逆って、どう思う?」
昔、恋人にそう聞かれたことがある。
二十歳のころ、誰もいない家へ恋人を連れ込んだときのことだ。
二人の体温が溶け込んだシーツの中でうとうとしていた私は、外の雨の音と混じるように自分にむけて舞い落ちてきた不可解な質問に、薄く目を開けた。』
『消滅世界』
著者:村田 沙耶香(むらた さやか)
出版社 : 河出書房新社
単行本 : 253ページ -
こういった繁殖世界が今後起こる可能性はありそうだなと思う。恋愛感情や性行為を家庭内に持ち込まず、外に愛人を持つ。まぁある意味昔に戻る事でもあるけれど、ちょっと不思議な近未来SF。
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世界設定にメロメロになる。
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夫妻の性交渉は近親相姦であり禁忌、子供は体外受精で作る…という世界。主人公や母の本能的欲求描写シーンにはちょっとファンタジーを感じた。SEXは汚いとの認識なのに、なぜ配偶者とその恋人の恋愛について歓迎できるのか疑問だった。家族に思える相手と関係を持つの凄く気持ち悪くて辛い派だから、エデン前の世界には一部共感した。SEXに快楽が伴わないならこんな世界観も確かに存在し得るのかな。終盤、性愛無し・男も出産可能な世界では、全ての子供が平等に可愛がられる・均一な人間が出来上がる・家族制度が不要…という描写は印象的。
■引用
P96「人間はどんどん進化して、魂の形も本能も変わってるの。完成された動物なんてこの世にいないんだから、完成された本能も存在しないのよ。誰でも、進化の途中の動物なの。次の瞬間には何が正しいとされるかわからない」「私達は進化の瞬間なの。いつでも、途中なのよ」
P240「世界がどんなシステムになっても、違和感がある人は一定数いて、そのパーセンテージって同じようなもんじゃないかって気がするのよね」「お母さんは、きっとどこの世界でも違和感がある10%くらいの人間なのね。私は、どこでも違和感のない人間なんだと思うわ」 -
人工受精での妊娠が通常になっている世界で、坂口雨音と雨宮朔は夫婦として生活してきたが、違和感を覚えている.このような世界の出現は御免被りたいが、男でも出産可能な実験都市に移り住んだ二人は、友人の配慮で自分たちの子供を作ることを試みた.人工的な生殖が彼らを蝕む過程はぞっとする感じだ.その極致は最後に出てくるクリーンルーム.プロットの発想は面白いが、読後感はよろしくない.
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この世界観はすごいなぁーと、毎回村田沙耶香作品を
読むたびに、考えさせられます。
子供は人工授精で生まれる存在であって、
いわゆる性行為は、この世界ではありえない行為。
女性だけでなく、男性も人工子宮で妊娠できる。
そんな世界。
夫婦とは何か、家族とは何か、子供ってどんな存在…
やっぱり考えさせられる。
本当にこんな世界になったら、私はどうやって
生きていくんだろう…。
どんな途中を過ごすのかなぁ…。
正常って、なんだろ…。
あぁー、考えた!!って思う本でしたー。-
2021/06/11
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無菌室の中で育っていく性欲。家族、恋人のあり方。
発狂じみてる楽園システム。正常とは何か。今私たちが生きてる世界は、グラデーションの中の1つの時代に過ぎない。
独特な世界観と設定にゾワゾワとしました。