図書館ホスピタル

著者 :
  • 河出書房新社
3.57
  • (22)
  • (39)
  • (56)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 408
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024943

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 私設図書館に勤務することになった悦子。
    元気と体力があることだけが取柄で本も読まない。
    図書館は、図書館ホスピタルと呼ばれいて悩みや元気のない人が訪れ、職員が本を勧めて、その人の悩みを解決していく。

    著者は大学図書館勤務とのこと。
    仕事内容は正確に描写されていると思う。
    けれど、設定に無理があると思う。
    現実を理解されていると思うからこそ、図書館の仕事はそんなに簡単ですか?と著者に問いたくなりました。

  • 凄く温かくて良い図書館だなぁ。本当にあるのなら、行ってみたいと思いました。
    主人公の就活シーンは、個人的に心痛い。図書館に就職してから、どんどんと良い方向に向かっている主人公にがとても好きです。主人公の気質から全く畑違いの職種だし、その子の葛藤や成長が読んで分かるのは凄い。病院から図書館になる成り立ちとかも興味深かったですし、他のキャラクター達も良い人ばかり。嫌な同級生も居たけど、最後には「まぁ、こういう子もいるよね」ぐらいの程度になりました。

  •  その病院の院長は本が好きだった。だから病院内に図書室があり、専任の司書もいた。
     やがて高齢の院長は天寿を全うし、その病院は跡継ぎがいないために閉鎖された。
     しかし院長は遺言を残していたのだった。それに従い、病院跡地に私設の図書館が設立された。その私設図書館を人は【図書館ホスピタル】という……。

     本作品はその図書館ホスピタルに新任として入職した元木悦子さんの成長物語。
    「本は人の悩みを解決する力がある」
    と、読書療法だとか読書の効果がテーマです。
     そういう意味で、病院に図書室を設けるとはいいアイディアですね。
     現在、図書室がある病院はどれくらいあるのでしょうか。
     場所を取るのとか管理も大変だし、専任の司書を置くのはもっと大変です。
     現状は少ないのでしょうが、今後読書療法の概念が普及して病院図書室が増えていくといいですね。

     読書療法がテーマになっているだけあって、本作品でも元木悦子さんが本を勧められたり勧めたりするシーンが出てきます。幸いそれらのお勧めは適切だったわけですが、現実には適切な本を勧めるのは思うほど簡単ではないと思われます。人から勧められた本がつまらないと思ったり、逆に、自分が人に勧めた本が役立たなかったりすることもあると思います。そういう失敗の経験を積んで良き本の紹介者になっていくのです。私を含めて図書館司書の資格を持っている皆様もそういう存在を目指していきましょう!

    OLDIES 三丁目のブログ
    【図書館ホスピタル】三萩せんや
      https://diletanto.hateblo.jp/entry/2023/12/16/200834

  • 「図書館」と名が付けばついつい手に取ってしまう。癒し系の本。もちろん中でいろいろな本も紹介されており読み返したくなるが、詳しく書かれているわけではない。主人公、元気が取り柄の悦子は、本が好きなわけでもないが縁あって図書館に就職。徐々にやりがいを見つけていくお話。
    「本はページをめくっていかないと読めない。あらすじはあるが、自分で読んでみないと実際はわからない。何でもやってみないとわからない」「読んでるとそうそう、それ!みたいな言葉に出会うことがある」←まさに、思ってること!

  • 軽く読める一冊。一気に読んだ。
    元気が取り柄の女の子が、縁あって就職した図書館で、自分の仕事に親しみを持って行くお話。
    登場人物がみんな優しくて、読んでてほっこりした。
    私も図書館で働いてみたいなと、思った。

  • 図書館にまつわるお話はやはりほっこりして読んでいて楽しい

  •  1985年生まれ、三萩せんやさん、初読みです。「図書館ホスピタル」、2016.7発行。元気いっぱい、柔道一筋の体育会系、元木悦子22歳が図書館に就職し、慣れない仕事に取り組んでいく物語。図書館の仕事がよくわかりますw。

  • 多分、若者向け、それも中学生から高校生くらいをターゲットにした本なのではないかと思うけれど、非常に読みやすく元気のもらえるお話。

    患者が元気になって退院していく奇跡の病院の閉鎖後、そこは図書館となり、元気のなさそうな利用者もしばしば訪れる。
    元気だけがとりえの新人職員の心の成長を描くお仕事小説。

    ビブリオセラピー(読書療法)という言葉を初めて聞いた。音楽療法があるのだから、確かにあっても不思議ではないけれど、心が疲れてしまった人に本を薦めるのは音楽よりも難しいのではないだろうか。
    作中、いくつかのオススメ本が出てきたので、今度はそれを読んでみようかという気になった。

  • 可愛らしい表紙に惹かれて読みました。
    本に救われるってありますよね。この本を読んだら、また新たな本に出会いたいなと思いました。

  • 図書館とか本屋‥‥というタイトルがついていると、ついつい気になって手に取ってしまいます。

    体力と元気しか取り柄がなく、就職活動がことごとく失敗に終わってしまう大学生、元木悦子が、「体力と元気が必要」と見込まれ、『しろはね図
    書館』で働くことになり…。

    不思議な力がある図書館。病んでいる人が、図書館に行き、元気を取り戻していく姿が素敵でした。
    自信を失いがちだった悦子が、図書館で働くことで、自分を見つけ、少しずつ自信を取り戻していく姿も良かったです。

    考えてみると、本は、今は趣味的に読む本が多いけれど、選びようによっては、教科書、指南、その時の自分の心に寄り添ったり、新しい発見があったり、色んな影響を与えてくれますよね。

全51件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1985年宮城県生まれ、東京農業大学卒業。大学図書館司書をしながら執筆活動を行い、2014年「神さまのいる書店 まほろばの夏」で第二回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞〈大賞〉を受賞しデビュー。
著書は『後宮妖幻想奇譚 鳳凰の巫女は時を舞う』(双葉社)、『リモート授業になったらクラス1の美少女と同居することになった』(SBクリエイティブ)、『食いしんぼう魔女の優しい時間』(光文社)など多数。

「2022年 『陰陽師学園 ~式神と因縁の交錯~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三萩せんやの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×