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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309027661

作品紹介・あらすじ

夢をあきらめるのは、よくないことですか?
古今東西から「夢のあきらめ方」にまつわる物語を集めたアンソロジー。
夢をあきらめた人へ、夢をあきらめようとしている人へ、そして夢をもつことさえできなかった人へ……。


「絶望書店」書店主からのご挨拶
 書店にぶらりと立ち寄って、そこで思いがけない本と出会う。
 それこそ、書店の楽しみではないでしょうか。
 うちも、そういう書店でありたいと思っています。
 ただ、小さな書店ですから、どんな本でも置いてあるわけではありません。
 うちに並んでいるのは、「夢のあきらめ方」に関する本だけです。
「なぜそんな本を?」と思われるかもしれません。
 でも、「夢をかなえる本」や「夢をあきらめない本」なら、他の書店さんにたくさんあります。
 ですから、一軒くらい、こういう書店があってもいいのではないでしょうか?
 夢がかなわなかったとき、夢をあきらめなければならないとき、この書店をぶらりと訪れてみてください。
 本なんか読む気になれないかもしれません。でも、ひとつの物語との出会いが、もしかすると、あなたにとって、とても大切なものになるかもしれません。

感想・レビュー・書評

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  • カバー表紙に『夢をあきらめた9人が出会った物語』とあるように、"夢のあきらめ方"が紹介されたアンソロジー。山田太一、連城三紀彦、藤子・F・不二雄の作品が良かった。
    ところで頭木さん、この本が出せたってことは"夢"が叶った…?

  • 次のシリーズは「絶望先生」(某漫画のタイトルではない)などどうだろうか。小学校から高校くらいまでの先生たちの教職への絶望を読んでみたい。

  • 図書館で借りた本。夢のあきらめた9人が出会った物語。夢をあきらめる歌に、BUNP OF CHICKENの才悩人応援歌の歌詞。藤子・F・不二雄のパラレル同窓会の漫画。一番切なかった話は、希望よ、悲しい気持ちでお前に別れを告げよう。と書いたベートーベンの手紙。20代後半に難聴になり必死に病気治療に挑むも治らなかった。耳鳴りなど酷い症状が続く中、ついに絶望する。この時期に作曲した運命、英雄、田園など名曲が誕生したのは不思議な運。

  • 目次を見たら、バンプの名前があったから借りた本。
    夢が叶わなかった人のためのアンソロジー。

    連城三紀彦の話を久々に読んだが、
    やっぱ泣けた。この人、やっぱすごい。
    あと、メッシになれなかった少年たちも良かった。

  • 夢の諦め方か…夢は諦めなければまた必ず叶うという言葉はいつ聞いても拠り所になってきたけれど、確かに叶わない夢だって現実的にはあるのだから、叶う夢は諦めなければ必ず叶う、が正解なんだろうな。
    この本は藤子不二雄の漫画もあれば翻訳もあったり、というアンソロジーなんだけれど、連城三紀彦の話は久しぶりに読んだけど、やっぱ面白いな。
    以前はあの時こうしてたらこんななってたかなという想像、いや妄想か、はよくしてたけど、そういえば最近はあんまりそういうこと考えてはいなくて、これからについての妄想ばかりしてるかな。なんでだろう、今にも昔にも別に満足はしてないはずなのにな。いや、納得はしてるのかもしれないな…

  • NDC019
    「夢をあきらめるのはよくないことですか?生きたいように生きられなかった書店主が、「夢のあきらめ方」にまつわる物語を集めました。抱いた夢の終わらせ方を、誰も教えてくれなかったから…。」

    目次
    ・夢をあきらめるのはよくないことですか?
    ―Aさんが出会ったエッセイ 断念するということ(山田太一)
    ・あきらめきれなくて泣いたことがありますか?
    ―Bさんが出会った手紙 希望よ、悲しい気持ちでおまえに別れを告げよう‐ベートーヴェンの手紙より(ベートーヴェン)
    ・夢をかなえるためにどこまで頑張るべきですか?
    ―Cさんが出会ったイタリア文学 マクベス夫人の血塗られた両手(ダーチャ・マライーニ)
    ・夢をあきらめるために何が必要ですか?
    ―Dさんが出会ったドイツ文学 打ち砕かれたバイオリン(ハインリヒ・マン)
    ・チャンスが巡ってこなかったと思いますか?
    ―Eさんが出会ったアメリカ文学 人生に隠された秘密の一ページ(ナサニエル・ホーソン)
    夢をあきらめるためには何をしたらいいのでしょうか?―Fさんが出会った日常ミステリー 紅き唇(連城三紀彦)
    ・夢が重荷になったことはありませんか?
    ―Gさんが出会ったノンフィクション 肉屋の消えない憂鬱‐『カンプノウの灯火 メッシになれなかった少年たち』より(豊福晋)
    別の人生を選んでいた場合の自分が気になりませんか?―Hさんが出会ったマンガ パラレル同窓会(藤子・F・不二雄)
    ・夢をあきらめたからこそ得たものがありますか?
    ―Iさんが出会った韓国文学 アジの味(クォン・ヨソン)
    ・番外編 夢をあきらめる歌 才悩人応援歌(BUMP OF CHICKEN)
    ・あとがきと作品解説 夢のあきらめ方(頭木弘樹)

  • アンソロジー。 連城三紀彦の紅き唇とナサニエル・ホーソンの人生に隠された秘密の一ページが印象に残った。 幸運を掴めなかったのは悲しい。 けど、気づかない内に悪運が立ち去った事もあったんだろうな。私にも。

  • 編者の頭木弘樹さんと翻訳家の斎藤真理子さんのオンライントークイベントの中で紹介されていたクォン・ヨソン「アジの味」が読みたくて手にとった。

    「アジの味」は、頭木さんの著書『食べることと出すこと』の中で書かれていることと近いことが書かれている気がする。病気になった結果見えるようになった世界についての話だと思った。
    病によって失った結果見えてくる世界は、当人にとって手放しに良いものとはけして言えないのだけれど、アジの味の中に書かれていることはとても穏やかで静かで深いものと感じられた。

    他の収録作で印象に残ったのは連城三紀彦「紅き唇」、豊福晋「肉屋の消えない憂鬱」、藤子・F・不二雄「パラレル同窓会」。

    「肉屋の消えない憂鬱」はスポーツ選手のメンタルについてのノンフィクション、全員がスターにはなれない中でのメンタルケアの必要性の話、ものすごく頷ける。自分はまったくスポーツはやらないけれど「スポーツは健全な精神を育成し、悩みや鬱を解消する」ばかりではないだろうってことは、はたから見ていても思う。

    「パラレル同窓会」自分が選ばなかった人生は体験できないけど、選ばなかった人生に移動できたとしても不満は消えない……自分も人生をやり直せたらと何度も妄想したことがあるけれど、結局いいところだけを集めた不満のない人生は送れないという結論にいつも達するので、なんか共感する。
    作中の主人公の様々な可能性の在り方をみて、なんとなく自分が子どもを作ろうと決心するまでに考えたいろいろなこと、を思い出したりもした。自分の人生も一つしか選べないけれど、子どもの人生も一つだ。おそらくコントロールなどできず、思いもよらないような事態に陥ることもあるだろうけれど、その時、それでも子供を作った過去を否定せずに生きられるかどうか、そんなことを、考えたことを思い出した。

  • ベートーベンの手紙、口紅の話が良かった。
    藤子・F・不二雄は、こういう作品もあったよな!と改めて思う。

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著者プロフィール

1934年、東京生まれ。大学卒業後、松竹入社、助監督を務める。独立後、数々のTVドラマ脚本を執筆。作品に「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」他。88年、小説『異人たちとの夏』で山本周五郎賞を受賞。

「2019年 『絶望書店』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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