黄泥街

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 49
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309201979

感想・レビュー・書評

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  • 読むだけでおなかをこわしそうになるのでなかなか時間がかかった。体力がいるので、元気なときにどうぞ。カネッティやベルンハルトを読むときと同じように消耗します。極端に不潔であることの意味はなんだろう? 現状が完全にひたすらよろしくないということ?

    黄泥街の住民は名前以外の属性がなくて区別がつかず、彼らの会話はとにかくかみ合わず、すべて真相は不明なまま、何が問題なのかそもそもどうしたいのかははっきりせず、中間管理職は上役の言動を頓珍漢に推しはかって無意味な労力を費やし、じわじわと街は衰え…って、ダメ組織の話として読んでしまった。想像力が足りませんね。でも、黄泥街は会社っぽいと思った。

    「わたし」が黄泥街を探しに行ったのはなんでだったんだろう。そこで静かに腐敗していきたかったのか。どんなものでも無くなったら悼む気持ちになるのは不思議だけれど、そこだけ、悲しい感じがあった。

  • 黒い灰が降り注ぎ、あらゆる物が腐っていく黄泥街。虫、糞尿、死体、虚言、妄執。支離滅裂で気味の悪い小説。なかなかページが進まず苦労した。

  • 冒頭数頁で読み進めるのを躊躇する程の凄まじい描写の連続が次第に心地よくなる不思議。誰か、映画化してほしい。

  • わたしは黄泥街を探しにいく。それは長い一本の通り。ひとつの夢。
    黄泥街は汚水があふれ、害虫だらけだ。人々はいつも疑い深く、流言飛語を信じ、互いに誹りあい、汚物にまみれて生きている。
    読むに堪えない汚泥そのものの奇妙な世界で、物語は行方もわからずうねうねと進む。沼のようなディストピア。
    著者の来歴から、文革時代のナンセンスと汚物にまみれる苦しみが描かれているとしか思えない。戯画化による痛烈な批判ととれるが、同時に懐かしさと愛着をも感じられる。
    忘れられないのだろう。今も黄泥街を探しているのだから。

  • カフカの世界でジョイスが喋りまくっているような小説。

  • シュール。なにがなんだか、そんな理屈すら考えさせても呉れません。なんつーか、すげえの。インパクト強い。
    (後で書き直し)

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著者プロフィール

1953年中国生まれ。文革期を思わせる長編『黄泥街』でデビュー。邦訳作品集に『蒼老たる浮雲』『カッコウが鳴くあの一瞬』『廊下に植えた林檎の木』『かつて描かれたことのない境地』『最後の恋人』がある。

「2020年 『突囲表演』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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