- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309227009
感想・レビュー・書評
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信長って外交センスないよね、っていう事を事例から解説している本。
それぞれの事例に対して具体的な手紙のやりとりなどを根拠に挙げながら説明している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今年(令和3年)GW頃に読んだ本ですが、雨降り盆休みの部屋の掃除で見つけたものです、最近は歴史の研究が進んでいるようで、織田信長の知られなかった面が明らかになっているようですね。
金子氏の膨大な研究(織田信長を裏切った武将達)をまとめて本で解説してくれています。研究者は論文執筆は評価されても、本を出版しても評価されないので、あまり書きたがらない、と聞いたことがありますが、この本の著者である金子氏がこのような本を書いてくれるおかげで歴史ファンの私は楽しむことができて本当に嬉しいです。
以下は気になったポイントです。
・浅井氏は、16世紀前半、近江北部の守護・京極氏に属して近江北部に拠点を築き、この地域の郡名(現在の長浜市・米原市あたり)である「浅井」を名字とした。戦国時代の近江国は、北を京極氏、南を六角氏という鎌倉時代の名族・佐々木氏の流れを汲む一族が主語として勢力と持っていた(p17)
・六角義賢に従った浅井久政は、嫡男を元服させる際に、諱の一字を貰い受け「賢政」と名乗り、妻には六角氏の家臣の娘を迎えている。しかしその後に「賢」の字を放棄し、「長政」と名乗りをあらためている。(p19)
・桶狭間の戦いの頃、信長は美濃の斎藤氏と敵対(舅・同山を殺害した義龍が病死、嫡男・龍興が跡を継いだ)、斎藤氏は浅井氏と敵対する六角氏と同盟を結んだ。浅井氏・織田氏は、それぞれ、斎藤・六角同盟を同盟を敵としていた(p22)
・信長が信玄に裏切られた理由として、強く敵視していた家康の行動(謙信との同盟)を抑えられない信長に対する不信感や、義昭・本願寺・朝倉氏の動きが活発化していたため(p65)
・信長は、他の戦国大名と接する領域にある中小領主の動向への対処、境目地域への対処が極めて甘かった、また裏切られるまでその気配に気づかない油断もある(p123)
・裏切りに対して、最初の情報だけでは信じようとせず、それが事実かどうかを確かめる慎重さを持っていた、家臣達に対して一旦は慰留しようとしている姿勢は記憶しておくべき(p152)
2021年8月14日作成 -
信長という人物は様々な評価があるらしい。
外交においても猜疑心が強いという評価もあれば、どちらかというと相手を信用しすぎる、という評価もあるとのこと。
本書において様々な他国の同盟相手、家臣の裏切りの経緯が描かれる。
戦国の時代において、本書が描く信長は裏切られる瞬間まで”まさか裏切られるとは思っていなかった”ような反応を示しているそう。客観的に・後世から振り返れば、裏切られても仕方がない言動をしていたにも関わらず。
お人好しとまでは言わないが、油断している信長像である。
その「油断」というワード文献に残る数が室町より後、戦国時代から増えていくというのも面白かった。
本書も書いていたが、「油断」という表現が生まれるには対象の相手に対して、信頼や安心がないと出て来ないもの。それが戦国という権謀術数張り巡られそうな時代から増えるということがすごい興味深かった。 -
小さい頃、織田信長の歴史マンガが家にあって、今でも織田信長に肩入れする理由になっている。
信長がひたすら裏切られている様子が書かれていて、愛しさすら覚える(笑)ますます肩入れしてしまいそうだ。 -
浅井長政から始まり、最後は明智光秀に裏切られて本能寺で討ち死に。
織田信長が目指したことが本能寺の変という一つの出来事でダメになってしまう。
http://prt.red/2/lovebook
なんとも可哀そうな人物だと感じました。 -
まあまあかな
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魔王というより人を不用心に信じて破滅した印象。体育会系ブラック企業の社長の如く人は悪くなくても仕事で恨みを買ってるタイプのようだ。
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なぜ信長は、かくも裏切られ続けたのか?天下人の意外なまでの人間像が史料の細部から浮かび上がる。(2017年刊)
・はじめに
・第一章 浅井長政
・第二章 武田信玄
・第三章 上杉謙信
・第四章 毛利輝元
・第五章 松永久秀と荒木村重
・第六章 明智光秀
・終 章 信じすぎた報い
・あとがき
4ヶ月も前の感想なので、正直、余り覚えていないのであるが、初読時の印象としてはさほど感銘を受けなかった記憶がある。硬派な内容を期待していたので、裏切られた気がした。コスパを考えると、新書でも良い内容ではないだろうか。(今回、パラパラと見直すと、さほど悪くもないので、購入時の期待値が高すぎたのだろう。)
わかりやすい文章で、先行研究も広く紹介しており図版も多い。裏切られ信長というテーマで思索にふける著者の頭の中をのぞき見ているような本である。好みは分かれるかも知れないが、本書は、エッセイに近い感じで読むことが出来る気安い一冊と言える。 -
織田信長・・・
と言うとどんなイメージでしょう?
戦国時代の・・・
イノベーター?
革命家?
破壊者?
覇王?
魔王?
鬼?
容赦なくて、異端で、革新的で、戦国時代を超越しちゃってる、尋常ならざる者というイメージですよね・・・
信長スゲェ・・・
信長カッケェ・・・
信長コエェ・・・
というのが定番ですよね・・・
ところが・・・
実は・・・
そうでもなくて・・・
というのが最近の研究のようでして・・・
本書も最新の研究、学説を基に、史料を豊富に使って、丁寧に信長の実像を考察する・・・
浅井長政・・・
武田信玄・・・
上杉謙信・・・
毛利輝元・・・
松永久秀・・・
荒木村重・・・
そして明智光秀・・・
この7人を通して、信長の裏切られまくった人生を紐解いていく・・・
ご存知のように結局家臣の明智光秀の裏切りによって最期を向かえたわけですが・・・
何でこんなに裏切られたのか?
読んでいくと、大体、毎回、いつも同じパターンで裏切られているというのが分かる・・・
裏切りに対する反応も毎回同じ・・・
おい、学ばないのか?!となる・・・
突如、魔王信長から人間味が溢れ出す・・・
『あの』信長にも器の限界があったのかもしれない、と感じる・・・
通説が研究が進んで変わっていく、こういうのも歴史の愉しみの1つですね・・・
マッハで読んじゃった・・・ -
浅井長政、武田信玄、上杉謙信、毛利輝元という一度は信長と同盟を結んだ大名、松永久秀、荒木村重、明智光秀といった信長を裏切った家臣との関係を洗い出すことで語られる信長の実像。/裏切られの理由には、信長に「外交の手ぬるさ・不器用さ」があった。(略)信長と個々に同盟している相手同士の敵対という状況があるにもかかわらず、現状に配慮せずに一本調子で、彼らの和睦を推し進めようとしたこと(信玄・謙信の例)、現地における対立的状況を無視して、一方だけ、あるいは双方ともに肩入れすること(久秀・輝元の例)、信長と相手の支配地の境目に位置する領域にある勢力に対する、無配慮な支援・介入(信玄・謙信・輝元の例)などが挙げられる(p.162より)と言う一節に集約されれるのではないだろうか。信長は人を信じすぎたのではないだろうか、という一文が印象に。/信長と謙信のすれ違いを、謙ちゃんと信くんの恋愛模様にたとえたり、RADWIMPSの歌詞が出てきたりとポップな面も見せて読みやすくする一面も。/やまもといちろうBLOG -【書評】『織田信長 不器用すぎた天下人』(金子拓・著)に中小企業オーナー経営者の悲哀を見た、を読んで手に取った一冊。
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信長いいやつ脇甘いと思ってたら似たようなこと書いてあったんで読みました。