ハプスブルクの研究者から見た、第二次ウィーン包囲。オスマン帝国のとらえ方は、ふた昔以上前のものでおそらく概説をつなぎあわせただけ。少しは最新の研究にも目を通したらと思う。ハプスブルク側について、防衛側の主要な人物は過分にして知らずだったのでその点は参考になった。また戦の経緯をたどることについても。/「大宰相は逃げる際にすべてを置き去りにしていった。私は彼の残したものを手に入れるために全軍を投入した。かくして大宰相の富の大部分が私の手に落ちた。ドイツ人にはほとんど何も残らなかった」(ポーランド王ヤン・ソビエスキ)。/ちょっと、最初のほうで、「物の本によれば…といわれている」という記述を見て、その時点で投げ捨てたい気になったけど、読み終えても、半分くらいはそうしておいてもよかったかなという思い。