「当たり前」をひっぱたく

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 45
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309244723

作品紹介・あらすじ

「『丸山眞男』をひっぱたきたい-31歳、フリーター。希望は、戦争。」を発表し、論壇をビビらせた著者が記す、飽和するロスジェネ論を脱する時事評論集。

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    歪な構造。資本主義が生んだ格差は個人で解決できるのか。かなり困難。貧困は永久に再生産され続ける。その輪廻の断絶は政府に委ねられる。

  • 2008年頃に書かれたものだが、10年以上経った今読んでもワーキングプア、年金、メディアの問題等はこの頃とほとんど変わっていないことが分かる。

    努力だけではどうにもならない時代、氷河期世代の苦悩がうかがえるが、著者は既にもう達観しているのだろう。

    以下抜粋
    私たちは今の社会の諸問題を、あまりに「解決できるもの」として考えすぎていないだろうか?
    世の中には解決できない問題はいっぱいあるし、私たちはそうした問題から逃げ出してもいいのだ
    そして不平不満を抱えながらも、別のものに満足を感じて生きていければ、本当はそれで充分なのではないだろうか。
    もっとも、お金の問題だけは、そうはいかないのだけれど。

  • 希望は戦争の著者であることを初めて知りました。物事の理解が的確ですね。文才もあり、論壇ですか?から声をかけられるのも納得がいきました。他の著書も読みたいと思いました。

  • 赤木の指摘は、大方納得できると思う。
    彼自身が、「貧困フリーター」と自身を卑下しつつ明確な立ち位置を示して社会批判をしている。その点、あたかも正義は我にありとばかりにご託やご高説を垂れる、メディア、政治家、自称評論家・アナリストとは違うところだと思う。

    赤木の指摘で重要なのは、今日の貧困・格差問題は構造的な問題であるのに関わらず、個々人の自助努力にその解決策を求め、スティグマを押しつける日本社会(権力者・安定労働者=正規社員)を批判している点だ。

    いじめにせよ、貧困問題にせよ、社会構造的な問題でありこうした点を抜きに問題を矮小化する事はなんの解決策にもならないだろう。

  • 世の中の「当たり前」に文句をつけてる本です。

    ちょっと強引なところもあるけど、それくらいのほうが議論が白熱して有意義になると思う。

    就職氷河期に就職できなかった人は必ずしも努力してなかったわけではない。。。

    椅子取りゲームの椅子の数が減ったせいで、頑張ったのに負けちゃった人たち。

    そんな彼らに正社員になる努力をしろとわれわれはいう。

    それならわれわれは彼らの努力を正しく評価してそれに報いるシステムをつくる義務があるのではないか。

  • (2009/3/25読了)読書というのは受身なので、風邪で能動的なことをする気にならない時にはうってつけ(笑)
    赤木さんの論は、中高年正社員の既得権益を切り崩したいという一本筋の通った中に、「おっ」と思える独特の視点があって面白い。注目している一人です。

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著者プロフィール

1975年栃木県生まれ。フリーライター。2007年に月刊誌「論座」に発表した「『丸山眞男』をひっぱたきたい―31歳、フリーター。希望は戦争。」で注目を集める。著書に『若者を見殺しにする国』(朝日文庫)、共著に、『経済成長って何で必要なんだろう?』(光文社)など。

「2016年 『下流中年 一億総貧困化の行方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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