- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309247908
感想・レビュー・書評
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失恋して悩める女の子の前に、哲学者であるカントが降り立った。
カントとの会話を通して、彼女は悩みを解決することができるのか。
物語は4コママンガ中心で進み、その中でカントの思想が描かれていきます。
カントも可愛いデフォルメキャラ「カントくん」として登場し、現代の日常生活が舞台なので、とても入りやすく作られていますね。
難しそうな点は繰り返し説明してあったり、脚注やコラム的な文章でフォローしてあるところもありがたかったです。
カントの規則正しい性格など、思想以外の部分も知ることができたのも嬉しいところ。郷土料理もおいしそうで一度食べてみたくなりました。
最初に提示されるカントの哲学の問い。
「人は何を知りうるのか」
「人は何をなすべきか」
「人は何を望みうるのか」
その時はいまいちしっくりこなかったんですが、読み終わる頃に自然と心に落ちてきました。
特に興味深かったのは、科学と信仰を切り分けること、知りうることと形而上学を分けるという話ですね。
あと、31ページの「赤ちゃんじゃあるまいし、だれでも人の手を借りずに自分で歩けるのに 何かを決めるときには人に頼る人が多いけど……人に頼らずに自分で決めてはじめておとなって言えるんじゃない?」というカントくんの言葉が印象深いです。
何かを決める時に誰かに頼りたいって気持ちもよくわかるんですが、なんで自分で決めたくなかったんだろうって、気持ちをリセットさせてくれたような気がしました。
この一冊をきっかけに、自分も哲学することを学んでいけたらと思います。 -
中学生向けでカント。漫画でカント。解釈がこなれていない。期待外れ。
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合理論と経験論の調停をマンガ化。内容的には悪くない。よくコレで1冊作ったと思う。倫理に興味のある高校生向けか?