- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309248202
感想・レビュー・書評
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2020/10/2購入
2021/10/2読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
社会
歴史 -
60年代から70年代にかけて激化した学生運動を中心とした動きについて、解説している本。その時代に社会を賑わした人々は、主に新左翼と呼ばれるが、その思想性や歴史的な意味や意義、背景などを解説している。
当時の動きの中でも、特に評価が難しいのは国家権力や資本に対して行われた爆弾テロや、あるいは新左翼内部で行われた内ゲバである。これらは、左翼の歴史の中でも特に忌まわしいものとして、敬遠されるか、あるいは絶対悪として語られがちである。
本書では、赤軍(赤軍派、連合赤軍、日本赤軍など)や東アジア反日武装戦線を取り上げ、そうした暴力の行使を伴う抵抗運動について、考察を試みている。このタイミングでそれを取り上げることは、東アジア反日武装戦線のリーダー的存在であった大道寺将司が今年(2017年)、獄中死したこととも関係あるだろう。一つの時代の総括が求められているとも言える。
爆弾テロなどの激しい闘争について、それを単に否定するわけではなく、(やり方について異議はあるものの)その意義について考える試みというのは、「テロ対策」が喧しく叫ばれ、共謀罪などの法律が成立していく昨今にあって、ラディカルな意味を持っているだろう。
本書の後半に載っているブックガイドなどは、今や絶版が当たり前になっているであろう当時の関連書についての紹介が、大変に充実している。また、各ページで解説される「革命家列伝」は、かわいい似顔絵とともに、一読の価値のあるものとなっている。
ただ、ページ数が少ないので、この本だけで「新左翼とはなにか」「当時の活動家は何を考えていたのか」を網羅することは当然できない。他のレビュアーも書いていたが、文章はあまり親切ではない(わかりづらい部分も少なくない)。ある程度知識がある人が、その整理をするために目を通すといったイメージかもしれない。それでも、細々とした情報で、新しい発見が少なくなかった。
個人的には、新左翼が何を主張したのか知らないで、昨今の安保運動に関わっている共産党系の若い人たちに読んで欲しいと思った。 -
河出なの?ってくらい文章が粗雑。分かりやすくしようとしてかえって分かりにくくなってる悪例。内容そのものはよし