- Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309252254
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温暖化の時代
「貧者のマント」
神の殻竿
ムーア人の黄金貿易
イヌイットとカドルナート
大干ばつの時代
どんぐりとプエブロ族
水の山の支配者たち
チムー王国の支配者たち
貿易風に逆らって
トビウオの海
中国的痛
静かな象 -
今年の冬は寒いので地球温暖化というイメージが個人的には湧かないのですが、現在地球は温暖化していると言われています。この温暖化は産業活動が活発化して二酸化炭素が増加したためと考えられていますが、この本によると、千年前の中世においても、温暖化がおきて、そのために民族の大移動が起きたり、文明を崩壊させたという歴史的な事実が書かれています。
中世の頃の出来事については今までに触れる機会が少なかったので、この本を読んで知ったことが多くあったと思います。
以下は気になったポイントです。
・グリーンランドやアンデスの高地などからの雪氷コアは、過去2000年間の寒冷期と温暖期に関する重要なデータを与えてくれる(p11)
・中世において豊作の年であっても、小麦は1ヘクタールから7~10ヘクトリットル(2ヘクトリットルは種として保有)の収穫しかない、現代の41ヘクトリットルと比較して少ない(p26)
・17世紀に太陽の黒点がほぼ消えたときは、いわゆる小氷河期となった(p32)
・1245年のイギリスの農場労働者の平均寿命は、24歳程度であった、高い乳児死亡率を含んでいないので、実際の平均寿命はもっと短くなる(p44)
・1000~1347年までにヨーロッパ大陸の人口は、3500万人から8000万人に増加した、これにより自給自足の農民にとって食糧確保は大変な問題となった(p51)
・1348年から1485年までにペストの流行はイングランドだけでも31回も流行した、1351年までに8000万人のうち2500万人が死亡、人口回復したのはイングランドで1600年、ノルウェーでは1750年である(p74)
・旱魃が2,3年続くと、数千頭もの馬が死んだ、その解決策としては、よりよい牧草地へ移動するしかなかった(p89)
・14世紀の終わりには、ヨーロッパの金の3分の2は、マリ産のもので、サハラ砂漠を越えてラクダで運搬していた(p101)
・12万年前、砂漠の南端にあるチャド湖は、ユーラシア大陸のカスピ海(日本とほぼ同じ大きさ)よりも大きかった(p103)
・1261年にグリーンランドは、アイスランドと同様にノルウェーの属国となった(p148)
・旱魃そのものがマヤ文明を崩壊させたわけではないが、乾燥した時代が経済・政治・社会におよぼす影響は大きい(p206)
・1900年の初め、川が低水位の時期は約40日間であったが、現在では200日間は続いている(p291) -
気候の研究者が 地球上の各地でおこった 千年前の 大温暖化 について 教えてくれる本現在 まさしく 地球は温暖化しているわけで じゃ 前の温暖化の時はどうだったの? というと島が沈むとか 嵐がひどくなるとか そういうことよりも 温暖化で乾燥が進むと 飢饉が起こりやすくなるそれも 一カ所ではなく 各地で起こってしまうアメリカのプエブロ文明などの崩壊について 書いたあとしかも 今の地球は前回の温暖化の時よりも 人口が増えていて 余力がない という。。 とっても怖い本